日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第58回研究発表大会
選択された号の論文の222件中151~200を表示しています
  • 上平 崇仁, 仲野 智也, 青木 美穂
    セッションID: P26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    視覚伝達デザイン教育における世界共通言語としてのインフォグラフィックス手法の学習、および効果的なフィードバック装置を併せ持つ教育のあり方として、異文化の学生間で学びあいが起こることを狙ったオンラインコミュニティを組み込んだ学習モデルを提案する。このモデルに基づいてシステムを開発し、それを利用した教育実践を行った。ワークショップでは、各自の制作した課題を元に言語の異なるユーザとして相互レビューを行い、その結果、多くの学習者が自分達では発見できなかった改善点を得た。オンラインで課題をシェアすることは、交流の目的が明確になるが故に、活発な学習活動が行われ、良質なフィードバック装置として機能することを確認した。これらから提案したモデルは有用であると判断した。また事例の観察によって、1)情報の伝達方法についての俯瞰的視点、文化的特性、地域性・国際的に通じる機能性を区別することを学ぶ機会として極めて有用であるが、言語無しでは限界もあり、伝達のための適切な素材を見極めること、2)制作後の熱気を冷まさないうちの対話が不可欠であり、スケジューリングを慎重に検討すること、の2つの重要性が明らかになった。
  • 石井 真奈, 水谷 元
    セッションID: P27
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    粘性のある液体表現を用いて、デジタルカメラなどの携帯機器の写真に関する従来の機能を、直感的に扱うことができる実験的GUIデザインを試みた。人が粘性のある液体からアフォードされ、自然とその液体の粘度に見合った扱い方を選択していることに着目した。そこで、携帯機器の機械的な操作を必要とするデバイスにおいて、デジタル写真に粘性のある液体表現を用いて液体のように扱わせることによって、傾けるなどの自然な操作で直感的に操作できるインターフェースを提案できるのではないかと考えた。
  • 尾崎 洋, 貞島 庸佑, 東野 誠, 益岡 了
    セッションID: P28
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    現在,DTMやDAWと呼ばれるソフトウェア上で視覚的に表示された音を編集することで楽曲制作を行うことは一般的である.これら楽曲制作環境においてGUIは,重要な役割を果たしている.本作品では、音楽の要素の中でもとくに音像に着目し、作品を制作した.感覚上の音源である音像をGUI上のアイコンに対応させ,手元にある画面上でそのアイコンを移動することで,その動きを実際の空間の音像に反映させることを試みた。この作品は,ソフトウェアを含んだサウンド・インスタレーションとして提案し,楽曲制作やその視聴環境におけるインタフェース,とくにGUIへの提案へと応用できることを目指した.
  • 李 奎昊, 小野 健太, 八馬 智, 小原 康裕, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: P29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、コンシューマーユーザーが扱うパーソナル動画の撮影から再生までの複雑化された扱いルートと多様に使われている機器や媒体の特性を把握することで、現在のパーソナル動画の扱い方の様相を類型化し、類型ごとにユーザの要求と求められるインターフェイスを提示した。これは、各機器の観点から個別に行われている動画のインターフェイスデザインをより総合的な視点からアプローチしたことで、今後ますます複雑化していくパーソナル動画の扱い方の類型とインターフェイスデザインにおいて、意味のある研究として考えられる。
  • 貞島 庸佑, 東野 誠, 益岡 了, 尾崎 洋
    セッションID: P30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    私たちは映像を用いたインタラクションデザインの制作を行いました。これは、映像のみでなく、視聴環境,インタフェースやデバイスなどの合理的なアプローチを行うことで、人と映像との関わり方を提案します。DVDやBlu-rayDiscなどの情報メディアは一般的となりましたが、情報メディアを介した映像視聴の際のインタラクションは改善の余地があると考え、この制作を行いました。この制作を行い、今現在の人と映像との関わり方を捉えることができます。また、これからの人と映像との関わり方を推測します。
  • 江野村 友宏, 水谷 元
    セッションID: P31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    写真撮影と加工のためのフレームを用いたインターフェースデザインを行い、撮影から加工までに一貫した操作感を与えた。フレームを押し込むことで撮影や表示デバイス上で加工することができる。 操作のために「型抜き」「ポンプ」「ピストン」の3つの操作モデルを作成した。 「型抜き」では撮影とトリミングが「ポンプ」ではフレームから表示デバイスへのデータ移行が「ピストン」では動画から静止画の抽出が行える。
  • 宮武 志保, 木村 健一
    セッションID: P32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    近年、活動の体験を記録したり、経験を他者に語るためのメディアと空間、活動記録から新しい活動を生み出すことのできる技術の提案が求められている。また、共同体の形が変化してきており、目的を共有し共に活動を行うための共同体への注目が集まってきている。
    本研究は、共同体のデジタルアーカイブを活用し制作した年表型巻物を提案し、共同鑑賞の場においてストーリーテリングを支援できるかどうか検証することを目的としている。年表型巻物は複数の構成員から集めた活動記録写真を古い潤に並べ、巻物状に印刷したものである。
    実践から、年齢や生活背景が異なる構成員同士の世代間学習として、語りの場が必要であるということがわかった。また、年表型巻物が共同鑑賞の場においてストーリーテリングを支援することに有効であるということがわかった。
    今後は、他の共同体に対して年表型巻物がストーリーテリングを支援できるかどうか明らかにする必要がある。
  • 田中 翔子, 宮崎 光弘
    セッションID: P33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    時として、声や文字はコミュニケーション媒体として十分ではない。では他に何が必要だろうか?37.2℃は体温をコミュニケーション要素として取り入れることを探った携帯電話である。着信すると、相手の手形と体温が徐々に表示されると共に、携帯電話事態の温度があたたかくなったり、冷たくなったり変化する。携帯電話の表面は、“Second Skin”といって、ペルチェ素子、圧力素子、温度素子、有機LED素子で構成されている。これらのセンサーは、外部の情報を常に測り、画面に出力する。37.2℃は、大切な人とのつながりをより一層深めてくれる。
  • レーザー加工機を事例として
    沖田 実嘉子, 竹末 俊昭
    セッションID: P34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    着物の生地に小紋、型友禅、ゆかたなどの柄や模様を染める ために「伊勢型紙」が使われてきた。江戸時代に紀州藩の保護 を受けて鈴鹿市の白子と寺家を中心に飛躍的な発展を遂げ全国 の生産量の99%を占めるに至った。しかし生活様式の洋風化による着物を着る人の減少、型紙が染色における一工程の用具であることで「伊勢型紙」の需要は減少し、型紙職人の高齢化や後継者不足も相俟ってその存続が危惧されるようになってきている。本研究では、型紙制作を別な工法で伝統工芸の良さに近づけるべく、既存のものと新しい技術で制作した型紙を用いて実際に染め上げたものを比較しながら再現の可能性を探る。
  • 筑波大学附属病院におけるアートデザインによる医療支援活動 その2
    高嶋 結, 岩田 祐佳梨, 貝島 桃代, 蓮見 孝
    セッションID: P35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    筑波大学では、筑波大学附属病院におけるQOLの向上を目指しアートワークショップ(以下WS)を実施している。その多くは外来患者を対象としたものが主であった。しかし病院では、忙しく働く職員,長い待ち時間を過ごす外来患者、入院患者など多様な人々が過ごしている。そこで本稿では、病院で過ごすあらゆる人々に対応できるWSの手法を探ることを目的とする。 WSを参加方法から「ものづくり」、「コミュニケーション」、「よそおい」にわけ、参加者数、実施回数、スタッフ数等を分析した。その結果、「ものづくり」WSは共同制作を通し、参加者と時間をかけてコミュニケーションをとるWSであること、「コミュニケーション」は、ものづくりに抵抗がある人も場を共有することによる参加ができるWSであること、「よそおい」は忙しく時間のない職員や患者も参加することができ、少ないスタッフ数でも波及力のあるWSであることがわかった。これら3つの異なるWS方法を組み合わせることで、多様な状況の人々に対する企画ができるといえる。
  • トレーシートのパターン効果について
    山崎 友里江, 蓮見 孝
    セッションID: P36
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    現状の病院食は、患者の症例に合わせた数百食もの食事を用意するための作業コストや配膳時の都合により、見た目が損なわれている傾向がある。充実した食事を摂ることは患者にとって精神的健康に繋がるため、どのような状況下においても、おいしいと感じながら食事を摂ることができるような仕組みづくりをデザインの観点から行うことが望まれる。本研究では、病院食の見た目を損なう原因として、ここで使われている特殊なトレーの形状によって食器の配置が乱れていることに着目した。そこで、病院食のトレーの上に、パターンを施したシートを敷くことによって、トレー上の構成を美しくし、食事をおいしそうに見せるためのパターンデザインに取り組んだ。
  • 齋藤 南, 溝口 温子, 田中 木綿, 渡邉 真南, 上田 エジウソン
    セッションID: P37
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    持続可能な生産・社会の実現を目指し、自然保護や、経済の観点から、人間が持続低な開発を続けながらも環境への負荷を減らし、他の生物と共存することを目的とした『eco-design』において、 今後の開発における指針を導きだすことを目的とする研究を行った。  その結果、技術開発によって生み出されたeco design とメッセージ性の強いeco design がそれぞれ独立してあった現状に対して、機能とメッセージ性が両立するとともに、使用者の意識に着目し、生産者に製品開発の新しい指針を提示する。調査を行った結果、技術開発をもとにした製品開発が盛んに行われている一方で、その使用者の意識に対して働きかけるものは少なく、製品と使用者に差が生じている現状がわかった。そこで、本研究では使用者の「意識を変える」ことを念頭に、使用者を意識のレベルで4つの段階に分けた。それぞれの段階に対し、これまでの生産者側からの一方的なeco design から、使用者が製品をより効果的に使用するための、新しい価値観を定着させる製品・システムの具体的な提案を行った。
  • -電機メーカーのホームページデザインを事例として-
    北村 憲史郎, 久行 昭徳, 木谷 庸二, 藤戸 幹雄
    セッションID: P38
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    昨今、企業ブランディングにおいて、企業理念を理屈ではなく感性・感覚で一目瞭然に理解しやすく伝えることが必要となり、様々なビジュアルコミュニケーションツールを通じてステークホルダーに伝達しようとしている。しかし、現状のビジュアルコミュニケーションツールではステークホルダーに対して実際に伝えたいイメージと異なる印象を与えかねない。
    そこで本研究では電機メーカーが発信するウェブサイトのホームページを対象とし、ホームページを見ることによって形成されるイメージがブランドイメージにどのような影響を与えるのか、また認知されるデザイン要素の特徴を明らかにすることを目的とする。またその結果をもとに、ホームページ制作時に活用可能なデザイン知識の構築を試みる。
    結果として、ホームページを見ることによって形成されるブランドイメージの影響の関係として、『嗜好度』『誠実性』という軸の中に『刺激』『能力』というイメージ要素が構成されていることが分かった。また、得られたデザイン知識をもとに検証調査を行うことで、デザイナーの意図通りに、ブランドイメージに対して影響を与えることが示唆され、デザイン知識としての信憑性を確認することができた。
  • -エコをテーマとして-
    相田 将明, 松下 祐輔, 木谷 庸二, 藤戸 幹雄
    セッションID: P39
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    昨今、多くの企業においてデザインが経営資源として活用されており、自動車業界では商品力を高めるためにデザイン資源が多分に活用されている。
    特に自動車のエクステリアデザインは消費者が一番始めに目にするものであるため、自動車のイメージへの影響が大きく、その重要性は高い。また自動車のエクステリアデザインと言っても多種多様であり、カテゴリーによってその表現が異なると考えられる。
    一方、近年の省エネ車に対するニーズの高まりから、カーデザインにおいて環境志向の表現が今後ますます求められると考えられる。
    そこで本研究では自動車のエクステリアデザインを対象とした消費者視点の定量的調査を元に、自動車カテゴリー別にイメージ語、認知部位の検討を行った。さらに、消費者に対しての環境志向の訴求に有用なデザインの知識獲得のための調査、分析を行った。
    調査分析の結果、消費者は全カテゴリーにおいてフロントフェイスを中心に認知していること、認知部位がカテゴリーにより一部異なることがわかった。また、環境志向の詳細な造形表現も獲得した。
  • 根本 慧, 小野 健太, 小原 康裕, 八馬 智, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: P40
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    近年、LEDの技術開発が急激に進んでいる。新しい技術の一つとし導光板LEDがある。端面より入れたLEDの光を特殊加工を施した板で拡散し、均一に面発光させる技術である。本研究では導光板LEDの特性を生かした新しい照明器具の提案を目的とする。研究の流れとしてプロジェクト形式をとり18名の参加者を募った。まず国内外のドラマ・映画を鑑賞し照明がでているシーンをすべてクリッピングし様々な生活様式とそれに合わせた照明の使われ方を調査した。それを集計・分析し要件を抽出した。調査結果から国内外での照明の使われ方に違いがあることが明らかになり、寝室やリビング、キッチンなどの部屋ごとにアイディアを持ち寄った。次に市販の照明器具を分解し内部構造を理解し、ユーザーの需要と実現可能性の高い5案を最終提案とした。本研究において、国内で未だ開拓されていないLEDが有益であろう生活シーンを見つけ出すことができた。また導光板LEDによって今までの照明器具のモジュールやサイズが変わり、新たな照明器具と使用方法を提案できるようになった。提案をする際には生活シーンと技術の2つのアプローチの両方が必要であることがわかった。
  • 奥村 優子, 小原 康裕, 小野 健太, 八馬 智, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: P41
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本来、体温は健康状態を総合的に把握するひとつの指標であり、体温計は幼児の体調管理において必要不可欠な医療機器である。幼児期は、変化しやすい体温を正確に測り続けることで、平均値を把握し、発病の有無を知ることができるために、毎日体温を測ることが望ましいとされている。  近年の技術の発展によって、更なる計測時間の短縮や機能の多様性が見られ、子ども向け電子体温計というカテゴリも成長を遂げてきた。しかしそのほとんどが子どもの身体に合わせた寸法や機能を有するものであるにも関わらず、子どもが大人しく検温を終えられない、日々の検温が習慣づかないなどといった点が改善されていないのが現状である。本研究では、現状の子ども向け体温計が抱える問題を解決し、子どもの身体や感覚に合った電子体温計の提案を行う。
  • 江田 直紀, 小野 健太, 小原 康裕, 八馬 智, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: P42
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     植物工場とは、環境調整と作業工程の自動化を合わせ、天候、気候に左右されず、省力的かつ安定した植物の栽培が可能な施設栽培の一つである。  現在、LED などの技術開発により、従来から抱えていたコスト面での問題が解決されつつあり、更なる普及とダウンサイズ化が期待されている。昨今、植物工場を店内に取り入れた飲食店が報道され、食の安全に対する問題とも合わさり、社会的にも関心を集めている。誰にでも、どのような環境においても、高品質で新鮮な作物の栽培が可能なため、家庭における植物工場が今後求められる方向性の一つとして考えられる。  現在でも、開発段階やレンタル商品としての小型植物工場は少数ながら発表されているが、デザインという面では未発達の分野である。植物を栽培する機構を家庭用にサイズダウン化するだけでなく、新たな食生活の提案としてのユーザーシナリオをもとに製品を提案する必要があると考えられる。  本研究の目的は、植物工場の家庭への導入におけるデザイン要件を抽出し、家庭向け植物工場のユーザーシナリオ及び製品のデザインを提案をすることである。
  • 田中 俊, 小野 健太, 小原 康裕, 八馬 智, 蘆澤 雄亮, 渡邉 誠
    セッションID: P43
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     昨今、日本において、男性化粧品業界で清涼感がひとつのキーワードとして、重用しされている。例えば、CMにおいて男性用化粧水はよく清涼感を強く押し出して宣伝されている。また、現在販売されている男性用化粧水を見てみると、ほとんどの男性用化粧水にメントールが配合されており、使ったときに清涼感を感じさせる使い心地になっている。  そこで、現状の「清涼感」を売りにした男性用化粧水を調査してみたところ、近年の男性化粧品の充実化により、多種の男性用化粧水が販売されているが、それらは、ブルーを基調にしたカラーやグラフィックに「清涼感」のアピールを頼っており、造形も似通っているため、似たような印象をうけてしまう事がわかった。そのためそれぞれの製品の特徴を打ち出していく為にはブルーを基調にしたカラーやグラフィックだけではない「清涼感」を表現する事で差別化を行う事が必要になってくると思われる。本研究において、ブルーを基調としたカラーやグラフィックではなく、造形により「清涼感」をアピールできる化粧水ボトルを提案することを目的とする。
  • 松井 実, ラドヴィッチ ダルコ, アルマザン ホルヘ
    セッションID: P44
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)は哲学者,人智学者,神秘思想家,美術家,教育者でありまた建築家でもあった.本論では彼の建築理念とそのデザイン手法が彼の追随者のデザインに及ぼした影響を研究する.まず彼の2度にわたるゲーテアヌム建築をはじめとした様々な建築関連作品,著作,及び建築理念に関する数回の講演ノートをもとにシュタイナーの建築理念と頻用される手法を抽出し,整理した.それを用いて,シュタイナーの理念と手法の,追随者への直接的・間接的影響を表で示した.研究対象は,シュタイナー建築と呼ばれる彼の建築理念に影響を受けた建築様式と,彼の提唱した教育思想であるヴァルドルフ教育で用いられる教材である.さらに,彼らのいわば遺伝するデザイン理念をコーポレートアイデンティティ(CI)と関連付ける.すなわち,共有された包括的な理念が,造形を通じて共有されたアイデンティティとなる可能性について論じた.シュタイナーその人の理念はCIとは結びつきえない.しかし,追随者が彼の死後1世紀近く継承し,かつ進化させ続けてきた理念は,一種の理想的なCIを形成しているといえる.
  • 井田 志乃, 山中 敏正
    セッションID: P45
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    デザインプロセスにおいてコミュニケーションは不可欠である。関係者間で対話を繰り返すことで、方向性が決定したりオリジナリティが付加されたりしてデザインが完成に近づく。 本研究では実際のデザインプロセスを調査・分析し、各工程の特徴及び共同作業者同士で共有されるべき情報についての考察を行う。
  • 音をテーマにしたデザインプロセス研究から
    赤羽 俊平, 相野谷 威雄
    セッションID: P46
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     音をテーマにした研究を通じ、プロダクトの可能性の模索を行った。  音について、特に音が人に及ぼす影響について調査する中、音楽の視聴方法の違いが及ぼす脳番地への影響の違いに注目し、従来のそれとは異なる脳番地への影響を及ぼすことが可能なイヤホンの制作を行った。  調査から得られた知見をもとに、まずはCADデータを用いてアイデアの可視化を行い、次にそのデータを用いたプロトタイピングモデルを3Dプリンタを用いて出力した。その後モデルをもとに内部機構の設計及び検証を行い、実装可能なデザインモデルの展開を行った。 本研究は調査・研究・CADデータ作成及び内部機構を考慮したデザインを通じ、より実践的な製品開発を行ったものである。
  • 水本 徹, 有吉 俊輔, 山崎 和彦
    セッションID: P47
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     ペルソナ手法は、しばしばテレビや専門書で紹介されており、製品開発に携わる多くの技術者・専門家はペルソナ手法の方法論や効果を理解しているとともに、彼らの製品の顧客満足度を向上させる効果的な手法であることも知っている。  しかしながら、ペルソナ手法を実際の製品開発プロセスでどのように導入し、どのように活用すれば効果的であるかといった事例はあまり報告されておらず、新規にペルソナ手法を導入しようとする際に参考となるものが少ない。  そこで、ペルソナ手法を導入しようとしている方々に参考になるよう、我々が実際の製品開発プロセスにペルソナ手法を導入し、各プロセスにおいて抽出した難しさやノウハウを紹介する。
  • 三島 義博, 山崎 和彦
    セッションID: P48
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    人間中心設計は顧客の経験価値を向上させための設計手法である。しかしながら、医療機器のような複数の利害関係者があるような製品はターゲットユーザーを定義するのが難しく、人間中心設計をそのまま適用するのは難しい。我々は複数の利害関係者と製品の関係をまとめる「User-Business Map」を提案する。「User-Business Map」を用いることより開発者はターゲットユーザーを明確化、共有化することができ、人間中心設計を適用することができる。また「User-Business Map」は未知の市場に対する製品開発にも利用できる。
  • 中鉢 耕平, 谷 尚樹, 金森 陽子, 蓮見 孝
    セッションID: P49
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     家族控室とは手術中患者のご家族が待機するために設けられた部屋である.利用者が患者の無事を祈り,緊張で張り詰めた雰囲気となってしまう.家族控室は2,3家族を収容する面積はあるものの,既に入室している家族が居ると,後に訪れた家族は廊下のベンチで待っている現状がある.室内の利用者は室外との間仕切りがあるほど落ち着き,室外からの利用者は室内外の隔たりが少ないほど室内の様子を伺いやすく,また,各家族のスペースが予め設けられていることにより家族控室を利用しやすくなる.両者が利用しやすい空間にするため,従来の板状のパーテーションとは異なり,独立したオブジェの個数や密度を変えることでシチュエーションに応じた適切な遮り具合を実現する葉っぱパーテーションの制作および家具のレイアウト変更により家族控室のリフォームを行った.また,手作業によって緊張感を和らげることを目的として,家族控室に折り紙を設置し,観察した.
  • 木村 光, 石田 達也
    セッションID: P50
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     Light rail transitとLight rail vehicleは個別に計画するものではなく、お互いが連携してデザイン、設計されるべきである。郊外での敷設を考えた場合は高速のLRVが必要となるが、市街地では、低速で安定したLRVが要求される。   最終モデルでは広い窓を設け、その形状に三次元形状を用いて特色を出した。  アーム式車輪システムを導入することによって、半径10mのカーブを走行することができる。また、同時に車体をバンクさせる事によって、郊外での高速走行の際に乗客の姿勢が安定する。  ドアの開閉では、側面の大きな扉が上方に可動し、スピーディーに乗降できる。
  • 范 成浩, 唐 玉玲
    セッションID: P51
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    当研究は「方法目的チェーン(MEC)」の理論に基づき、消費者が製品の属性、消費結果、及び消費価値の関連性に対しての認知を了解します。先ず女性旅行に高度な了解がある消費者を5人選び、隠喩誘引技術(ZMET)を利用してモニターインタビューを行い、被訪問者が提供する図及び談話内容を通して、階段法(Laddering)と内容分析法の整理を行い、代表的な観念を得た。そして製品の属性-結果-価値関係のチェーンで、消費者心中の連結関係を代表出来、消費者が女性旅行を好む要因を整理して、顧客の価値階層図(HVM)を構築するが、研究の結果は、設計人員がより確実に顧客の内心に潜在する製品に対する概念を理解することを助ける。最後に、結果を用いて、女性向けのトラベルグッズを開発した。
  • ユニバーサルデザインガイドライン「Udano」
    松本 裕希子, 酒井 正幸
    セッションID: P52
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    ユニバーサルデザインの考え方を製品開発のプロセスに組み込むことができる実践的な方法が確立されていない現状を打破し、開発している製品の有効性や問題点、要求されているニーズ等について、製品の開発段階から客観的に認識・確認することができる評価指標を開発し、その評価指標を製品開発のプロセスに組み込みやすい新しい形で提案する。評価指標を作成するにあたり考え方の基本としたのが、ロナルド・メイスが提唱したユニバーサルデザイン7原則である。本研究では、ケーススタディの調査および考察結果から抽出された要素も考慮し、上記7原則をブレークダウンした具体的評価指標を盛り込んだユニバーサルデザインガイドライン「Udano」を作成した。本ガイドラインは8つの項目から構成されており、1項目につき3つのチェックポイントを備えた評価指標になっている。全24枚のチェックポイントカードがあり、8色で色分けされている。24枚のチェックポイントカードには上記に記したチェックポイントがひとつずつ記されている。クリアしたチェックポイントの個数とチェックポイントの項目、種類が明確にわかるように配慮した専用のケースを用いて評価を行う。
  • 法理 樹里, 山田 健太, 穂積 弘幸, 山下 冨美代
    セッションID: P53
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,建設現場におけるサインを作業員がどのように認知しているかについて,主観的な認知的評価の一つであるSD法を用いて検討を行った。  その結果,建設現場におけるサインの有効な認知を規定する要素は,わかりやすさ・目を引く・美しいの要素であることが示された。  これらの結果を反映させ,Fig 4に示すような建設現場における新しいサインデザインの提案を行った。
  • 伊藤 俊樹, 長田 純一, 山口 智治, 藤田 善弘, 市川 玲, 江角 彩, 近藤 安津美, 近藤 龍彰
    セッションID: P54
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    近年、パーソナルロボットの研究の重要性が指摘されているが、ロボットとのコミュニケーションを考える際、ロボットに対する好意度というものが重要になってくる。ロボットに対する好意が生じて初めて、ロボットとのコミュニケーションが生じてくるからである。従来の研究では、ロボットに対する印象評定はSD法によるものが多く、好意度に限定して尺度構成したものはなかった。そこで本研究では、NEC製のパーソナルロボット「パペロ」を用いて、パーソナルロボットにたいする好意度尺度を作成することを目的とした。まず、パペロに対する好意度を測定する質問を24項目作成した。220名の大学生に対して、_丸1_パペロの紹介ビデオ_丸2_実験者とパペロとのインタラクションを見てもらった後で、質問紙に記入してもらった。因子分析の結果、8項目が削除され、残りの16項目で、「かわいらしさ」因子、「人間らしさ」因子、「機能」因子の3つの因子が抽出された。特に、ロボットにたいする好意度が、「かわいらしさ」と「人間らしさ」という点から検討できることが分かったことが重要であると考えられた。
  • 「ものづくり企業」のメーカーへの依存体質からの脱却とシフトチェンジ
    長谷川 聡
    セッションID: P55
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    日本の製品デザイン分野における企業は発注に対する品質と納期を守り「ものづくり」に徹していれば生活は保たれた。大企業の資本力による大量生産のサイクルから脱却し、4Rのエコ視点で環境負荷を低減し、要らないものはつくらない、買わない意識が高まってきてる。 したがって、企業の技術や個性を見極めた上で、適切なディレクションを大学のデザイン研究室が担うことで、新しいデザイン産業を産学恊働で開拓していきたい。そのプロセスにおける論述と考察である。
  • 鄭 智峰, 蓮見 孝
    セッションID: P56
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    北京のビジネスマンが、駅から通勤地へ移動する際に、公共交通手段だけではなく、半交通手段が必要である。交通渋滞のため、通勤中のビジネスマンは、交通手段不足で悩まされている。現状では、「IMT」(Illegal Motor Taxi)という交通手段を利用している。「IMT」というのは、部分的な交通手段より安価で、交通の自由度が高く、市民を悩ませていた交通問題を解決した。しかし、「IMT」は安全面において、北京市の交通基準に達していない。「IMT」の安全性や快適性の低さが課題である。 北京市の公共交通の間に、交通方式のミッシングが存在していることが明らかであり、特に通勤ビジネスマンは、通勤中または帰宅中に、利用可能な交通手段が不足しているために、「IMT」という乗り物が生産されたことが判明している。このミッシングに対して、北京交通現状を改善し、従来の「IMT」に代わり、通勤次世代を担う適切な半公共交通システム「PMT」(Personal Mobile Transit)を普及させる必要がある。本研究では、新型半公共交通システム「PMT」を提案する。
  • 自発的な贈与の循環を内包する『対称性サービスプラットフォーム』の提案
    鈴木 直人, 中澤 亮惣
    セッションID: P57
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    生活の基盤となるべき地域社会の相互扶助的機能を担う社会的紐帯の欠如が叫ばれて久しい。本論文はその解決の一助となる『対称性サービスプラットフォーム』という新しい地域サービスの基盤概念を提案するものである。それは生活者同士の経済財の対価交換が通常とは異なった意識で行われる場である。まず、非市場経済における社会に埋め込まれた経済としての行動規範の在り方とその合理性を『互酬と再分配』に見いだし、次いで現代社会において『交換』が行為者間の人格性の有無において2つに分類されてしまうという実態を贈与交換の先行研究から明らかにした。そしてそれらを統合した『互酬』を含む対価交換の持続は、経済財と感情等の非経済財の間の異次元交換という概念によって説明され、行為者の社会的対価への希求とその実現による事を明らかにした。それを踏まえた上で具体的に『対称性プラットフォーム』の実態を明確にすべく、千葉県の『Community Dining おおさと』『ギャラリー大里』という2つの事例について、取引行為者それぞれに存在する非経済財獲得の動機を明らかにした。
  • 吉日 木图, 包 薩日娜
    セッションID: P58
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本論文の研究対象地域は、中国・内モンゴル東部地域の北新村である。長い歴史の中で、村人たちが、作りつづけ、使いつづけてきた布靴づくりを研究対象に取り上げ、住民が、いかに、自らが布靴づくりを学び・行い、積極的に生活づくりを行ってきたかを考察した。そして、布靴づくりにおける「共通の理念、共通の目標、共通の行動様式」が何かを探り、それらが、いかに地域のアイデンティティとして確立し、内発発展の根本的な力とは何かを導きだすことを試みた。具体的には、本村の構成に関する歴史資料と布靴づくりの工程に関する針仕事の資料に基づく文献調査、聞き取り調査、質問紙調査などの現地調査を中心に研究を進めた。なかでも、主として、現地において、これまでなされてこなかった_丸1_村の歴史 ➁布靴の作り方 ➂布靴作り・使う諸相に関して、聞き取り調査により収集・記録し、分析した。結論として、ものづくりにおける生活文化とものづくりの原動力が何であるかを導き出している。つまり、日常・非日常生活の中で、自分で布靴を作り、使うことの意味(生活参加、循環、自立)が明確になり、北新村の地域デザインの要素が細部にわたり抽出された。
  • 菊池 利彦, 藤井 素晴
    セッションID: P59
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    近年、地域に根ざした演劇活動が日本各地で広がりつつある。このことから演劇という営みが、今日の地域社会に対して少なからぬ役割を果たすであろうことがうかがわれる。そもそも演劇とはそこで発せられる言葉とそこでつむがれる文脈を、演者と観衆がともに想像/創造する営みであり、また時間と空間をともにした人びとが、同一の表象を共有したときにはじめて可能となる社会性を帯びた営みである。戦後日本の歩みとは地域コミュニティが空洞化する歴史であった。こうした状況を反省するとき、すぐれて社会性を内包する演劇という営為が示唆することは少なくないはずである。本研究は、千葉県いすみ市で活動する演劇集団に注目し観察調査を実施することで、演劇が今日の地域社会に果たす役割を具体的に把握し、また、その特質を導出することを目的とする。本研究で得られた結論は以下のように要約される。演劇とは、「コンテクストの共有」を通して、そこに参加する人びとの関係性を強化するものである。そして、演劇が地域において展開される場合、それは共同体を再構築する可能性を有している。それゆえに地域に根ざした演劇は、大きな社会的・今日的価値を持ったものといえる。
  • 都市近郊地域における地域資源活用・継承の拠点の創出
    植田 憲, 鈴木 翔, 菊池 利彦
    セッションID: P60
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     本研究は、急速な都市化・宅地化の進展を背景とした地域アイデンティティの希薄化が課題となっている千葉県船橋市行田地域を対象として、多様な地域資源の再発見・再認識に基づく、地域文化の継承・創新の核となる農産物直売所の設立・運営に関する提言を行うことを目的としたものである。  当該地域の歴史の把握、農業従事者への聞取り調査、自治会に所属する生活者への質問紙調査などに基づき、農産物直売所の設立・運営の指針として、以下を導出した。  (1)かつての「農」の暮らしに見られた自然素材の利用に基づく空間づくりを行う。(2)多様な地域資源の再発見・再認識の機会を創出する。(3)自然への感謝を想起させる「農」の生活文化を継承する。  また、本論文では、併せて、その実現に向けた活動内容を、短期計画、中期計画、長期計画の別に導出した。
  • 本 明子, 下川 智之
    セッションID: P61
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    福岡県の八女地域には、提灯や仏壇といった国指定の伝統的工芸品や県の伝統工芸品に指定されている石灯籠や和紙、独楽など、多くの工芸品の産地である。しかしながら、近年、生活環境の変化や安価な海外製品の流入により、その伝統工芸品の生産高は減少している。 そのような中、伝統工芸品の技術や素材を継承しつつ、新しい工芸品を作り、「伝統工芸のまち 八女」を再認識してもらうものづくりに取り組んだ。その一例である提灯バッグなどの開発について紹介する。
  • サステナブルなものづくりに向けた伝統工芸産地の試み
    柚木 泰彦, 五十嵐 潤
    セッションID: P62
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    伝統的工芸品大館曲げわっぱの主材料は秋田杉である。その特徴は、細かい均等な年輪の揃った鮮紅色かつ明るい優美な柾目であり、それ故に弾力に富んでいることである。これらの特性を活かして大館曲げわっぱは作られているが、平成24年には、国有林からの天然秋田杉の供給がストップする計画である。そこで代替材料の使用に向けた先行研究として、「平成21年度伝統的工芸品大館曲げわっぱ意匠開発事業」を実施した。「曲げわっぱの森」(樹齢102年生)の杉を3本採取し、材料の特性分析と定性的評価、そして材に見られる課題を克服するためのデザイン研究を進め、本事業における基本コンセプトを「材にしたがう、材に合わせる」とし、合計24点の試作を制作した。その結果、造林杉の課題点を克服し、プラスに転換する発想など、本試作群で試みた考え方は高い評価を得た。
    生産者と生活者の隔たりが大きい現代において、大館曲げわっぱのようなものづくりのスタイルは、私たちに限られた資源への切実な想いを伝えてくれるに違いない。そして、このような伝統工芸産地の挑戦が、サステナブルなものづくりの範として、広く社会に好ましい影響を及ぼし続けることを期待する。
  • パラオ共和国ニワール州の伝統的食文化の考察に基づいて
    立原 さおり, 鈴木 直人
    セッションID: P63
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     効率化、合理化を追い求めて来た現代社会の中で、食の欧米化、食料自給率の低迷、食の安全に関する問題といった食に関する問題は、世界各地で問題となってきている。食は人が生きて行く上で欠かすことのできない生活行為であり、その食に費やされてきた多くの時間を短縮したために失ってしまったものがあるのではないだろうか。  本論は、パラオ共和国ニワール州における伝統的食文化に関するインタビュー調査、実施調査および考察に基づき、食の自給と食生活から見る家族のつながりを浮き彫りにしている。また、質問紙調査を基に、食生活の現状分析と把握を行なっている。  今後、「自然と歩調を合わせて生きる」「家族、地域の中で役割を持つ」「行事における自然、自地域、他地域の恵みの再確認」といった観点から更なる調査を重ね、食生活に関わる生活デザインの要件のより深い検証を行なう予定である。
  • 内藤 万莉子, 赤澤 智津子
    セッションID: P64
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     主に地方における消費者の非日常的訴求に対する購買行動に関し、新たなモデル構築を目指すとともに一般市場との差を明らかにする。また資料の作成と同時に、地方においての商品販売のより効果的なプロモーションモデル構築につながる研究とを目指す。  本稿の調査では、観光学から見られる消費者購買行動には日常的な購買には発生しずらい心情変化や衝動が含まれ、その要素は特殊性に溢れており、こうした非日常的な状況にしか見られない購買活動が存在することが確認できる。消費者の非日常的訴求に対する購買行動に関し新たな購買モデルの構築の可能性をさらに模索するとともに、一般市場との差を明らかにすることで、それからより効果的な商品戦略について仮説をたてることが可能と考えられる。
  • 多摩ニュータウンにおけるコミュニティのネットワーク形成
    小池 星多, 福聚 康旭
    セッションID: P65
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、コミュニティの活動をアクターネットワーク理論に基づいて人間と非人間のネットワークと捉える。高齢化が進んでいる多摩ニュータウンで自分たちの地域にコミュニティバスを開通させようとしている住民活動に参加し、デザイン面で活動をサポートする活動を行いながら、コミュニティのメンバーである、住民、自治体、バス会社は相互に翻訳しあい、ネットワークが変容することを調査した。著者らは、コミュニティバスについて様々な関心をもつ様々な住民に対し、住民に配布するテッシュの表示をコミュニティバスは環境問題に役立つ、住民の足になる、地域おこしになるという文言を載せる事で関心を引きつけるデザインを行った。また、著者ら自身も住民によって、第三者の意見を求める相手として翻訳され、著者もネットワークの一部になった。
  • 久保 雅義, 市原 増夫
    セッションID: P66
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    近年、農山村地域の過疎化や高齢化が問題となっており、地域振興の為様々な取り組みが行われている。その中で、グリーンツーリズム注1)(以下GT)が注目されている。GTとは、都市住民が農山村地域にて、自然・文化・人々との交流を楽しむ余暇活動である。都市住民の自然回帰志向の高まりによって需要は高まっているが、地方地域には情報発信の場がなく、GTの認知度は低い。また、地域振興の手段として現在、成功しているのは農産物直売所注2)(以下産直)である。産直とは、地元農産物を生産者等が販売する施設である。生産者の顔が見える事で、食の安心・安全の面で注目されている。そこで、本研究では地域の情報発信の場の可能性として、産直に着目し、利用者のGTに関する意識調査を行い、発信源としての有用性と消費者におけるGTのニーズを探る。
  • 発展歩み、現状及び問題点
    張 英裕, 陳 柏君
    セッションID: P67
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    台中電子街は台湾台中市の中区にあり、電子部品の取り扱いと電子機器の商売を専門とする商店街である。 本稿は1.交通環境、2.産業環境、3.利用者、4.自作パソコンブームの到来の四つの点を踏まえ、その形成原因を説明する。また、1.政策の転変、2.利用者の減少、3.業者の競争、4.自作パソコンブームの終焉の四つの点を踏まえ、その没落の原因を探る。そして、インタービュ及び現地調査を通して、台中電子街の現状を報告する。 最後に、台湾における文化創意産業という考え方を説明し、これからの台中電子街を文化創意で発展していくべきだと述べる。
  • 鎌形 聡美, 赤澤 智津子
    セッションID: P68
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
     現在、地域キャラクターは全国で2000個以上あると言われている。地域キャラクターはイベントや団体によって活発に作り出されている。今まで一般のキャラクターについての研究は多々されてきたが、地域キャラクターの研究はあまりされてきてはいない。ゆえに、地域キャラクターの持つ特徴や一般キャラクターとの違いが明確になっていない。地域キャラクターは一般キャラクターとは違い、公的に作られることが多いため、作成の際には細心の注意が必要とされる。しかし地域キャラクター設定の際に、必要なルールやガイドラインは明確に定まってない。作成後に権利問題が起きたり、本来の目的と違った使われ方をしたり、記憶にのこらずに消滅してしまったり等の問題が発生する。地域キャラクターが、価値のあるものとして長く使用されるため、明確なガイドラインの設定が必要である。本稿は地域キャラクターの現状を調査し、地域キャラクターの使用状況や問題点を把握する。
  • 色覚異常者の「色のイメージ」に関する研究より
    鐸木 芳実, 李 昇姫
    セッションID: P69
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では初めに色覚異常者の色のイメージについて調査を行い、調査結果・考察をまとめた。研究方法はアンケート形式で、感情を表す言葉など色をイメージできる言葉を見て、33色のカラーカードの中から1位~3位までを選んでもらうという内容。なぜその色を選んだのか、簡単な理由も記入してもらった。その結果、色覚異常者にとって青が「はっきりした」色であるらしいということがわかった。 次に色覚異常についての調査と色覚異常者へのインタビュー結果を受け、色覚異常者に使いやすいプロダクトの研究開発を行った。そこで色覚異常者や絵の具の使用に慣れていない小中学生にも使いやすい、粒状の絵の具「えのぐみ」を開発するに至った。
  • 小島 麻夕子, 山崎 友里江, 蓮見 孝
    セッションID: P70
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、病院の療養環境改善を目的として行った院内での空間展示とワークショップの取り組みについて述べる。 病院内の廊下に「空と紙ヒコーキ」をモチーフに空間展示を施した。また、その展示に来院者が関わる取り組みとして、紙ヒコーキ制作のワークショップを行った。これらの活動は、従来の殺風景な病院内部の空間に問題意識を持ち、本来あるべき人間味にあふれる療養環境を目指すために行ったものである。今回の取り組みでは、ワークショップで患者やスタッフの作った作品を展示に追加することで、病院内に人の手を介した暖かい空間を作ることが出来た。また展示やワークショップを通して、学生と病院スタッフや患者との間にコラボレーションが実現した。このことは、今後、継続的に院内の療養環境を改善して行く上で大変意味のある成果である。
  • Cheng Chuko, You-Yi Chen, Jing-I Wei, Yin-Kuei Lin
    セッションID: P71
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    Abstract: During the Japanese occupation, prevailed making straw sandals, rope, straw mats and other household sideline production. More than just changing the habits of farmers burning rice straw, also to avoid air pollution or the impact of road safety and increase the peasants ' income. This research aims at constructing Taiwan development process of rice straw as a whole during the Japanese occupation, and gradually resolve their important characteristics in the process of development. Research areas mainly in Japan ruled Taiwan period (the period from 1895 to 1945). The findings are as follows: 1. straw raw material with excellent durability and strength, made into rope, mat of excellent materials, straw side population increase in the number of farmers to increase their income. 2. mechanized production effort, fast, more inexpensive mass production is a process of rice straw on the price and factors affecting the condition of rapid industrial development of rice straw.
  • 高 清漢, 楊 俊明, 荘 明振, 謝 宗仁
    セッションID: P72
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    それぞれのゲームプレーヤーが好みにより異なるシステムのゲームを興味を持ち、各自に割り当てられたキャラクターを選び、操作する傾向があるため、キャラクターに裏付けを与えるスタイル及び属性など特な魅力や個性となる定性的な要素は人気商品になる主な原因である。本研究では評価グリッド法により、魅力があるキャラクターを構成する因子を得るため、四つの国(台湾、日本、韓国、アメリカ)のゲームにあるキャラクターを選び、16高関与者からそれらに関する魅力因子を明らかにした。
  • 范 以欣, 高 清漢, 范 成浩
    セッションID: P73
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    Creative-Life elements increase attraction of traditional industries, concurrently improve its’ competition. From 2002 year, Creative Life Industry project is proposed and promoted by Taiwan government. The goal of this project is to aid factories and stores to upgrade traditional industrial operation model. To echo Dr. Schmitt has been proposed the concept of Experience Marketing Theory, the Creative Life Industry has to follow three core conditions which include core knowledge, depth of experience and aesthetic quality. This research investigated the important Creative Life Industry "The One Nan Yuan" of Taiwan, to extract the attractive factors from an EGM survey with 10 highly involved Taiwanese consumers.
  • 吉成 大典, 佐藤 弘喜
    セッションID: P74
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    典型的という評価は、あまりポジティブな評価とは言えない。それでも典型的な物が存在し続けると言う事は典型的な物にも魅力が存在するはずである。文献調査から典型的な物は好まれやすいという結果が得られており、典型的な物はヒトの脳内で効率的に処理されるため、好まれやすい。製品における典型性を確かめる実験を行う。携帯電話のサンプルを16種類用意し、被験者に典型的だと思う順に並び替えてもらった。結果をコンジョイント分析にかけたところ、大きさが平均的であり、画面とテンキーが存在するサンプルの典型性が高かった。
  • 室賀 建人, 佐藤 弘喜
    セッションID: P75
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/15
    会議録・要旨集 フリー
    この研究の目的は、顔の印象と製品の関係を明らかにする事が目的である。顔の印象から色と形に対し似合うものをイメージすることが出来るのか実験を行った結果、男性の顔は、一人一人似合う似合わない色彩・形状が生まれることがわかった。一方女性の顔は、色彩・形状共にみんな偏ってしまった。今後の展望として、女性被験者を増やし、実験を継続して行い、男女間での得点の入り方の比較を行う。
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