産業構造の変化に伴い、知的障害のある人の就労先もかつての製造業からサービス業へと大きく転換する中、福祉・介護分野における就労開拓の動きが活発化している。中でも、ホームヘルパー養成研修の実施が全国的な展開を見せている。
本稿においては、この養成研修が、知的障害のある人の福祉・介護分野での就労開拓にどのように有効であるのか、その課題と可能性を明らかにすることを目的としている。
研究方法としては、2004年にY市において開催された「知的障害のある人のホームヘルパー3級養成研修」を取り上げ、その実践報告の中から、職業訓練面、就労支援面における意義と課題について考察した。
また、参加者のインタビュー調査および感想文から、知的障害のある人の心理的なプロセスに焦点を当て、「希望」「意欲」「能力」「自信」という4つの要素を重視したエンパワメント支援の有効性について考察した。
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