職業リハビリテーション
Online ISSN : 2186-1331
Print ISSN : 0915-0870
ISSN-L : 0915-0870
8 巻
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 山田 純子
    1995 年8 巻 p. 1-7
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    東京都心身障害者福祉センター精神薄弱科では, 1987年から自己理解を深めるためのプログラムを持っている。プログラムの目的は, (1) 障害の理解, (2) 自分を肯定的にみる, (3) 発言力をつける, (4) わかりやすい情報を得る, (5) 必要な時に手助けを頼めるである。その援助の仕方を報告する。
    次に, 軽度知的障害者79人に対する, プログラムを通しての自己理解の状況の調査結果の検討をする。障害の有無については, 66%の人が障害がある, 15%がわからない, 19%がないと答えた。障害の認め方とIQ, 年齢, 職歴との問に相関関係はなかったが, 教育歴, 家庭環境, 失敗体験の有無, 考える力, できないことを認める力が影響していると考えられた。障害に対する差別的な経験や不安から障害を認めることができない人や, 療育手帳はあったほうが良いとしながらも手帳所持について否定的な人も少なくない。一方, プログラムだけでなく当科の援助全体による効果と考えられるが, 自信がつく, 障害を認める方向に変わる, 苦手なことへの配慮を求められるなどの変化がみられた。
  • 訓練・般化場面でのビデオモニタリングの効果
    島田 博祐, 向後 礼子
    1995 年8 巻 p. 8-14
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    本研究では, 精神遅滞者及び精神障害者等の求職面接訓練に焦点を当て, スキル向上に関するビデオフィードバックとモニタリング手続きの組合せ効果 (ビデオモニタリングの効果) 及び訓練で習得された下位スキルの異なる状況における般化 (場面般化) に関する検討を行った。
    対象者は, 17歳から32歳の精神遅滞者 (以下MR) 6名及び精神障害回復者を主とする他の障害者 (以下非MR) 5名の計11名であった。訓練により11名中9名で組合せ効果が認められ, 特にMR群に顕著であった。
    場面般化に関しては, 面接訓練を通じて習得された下位スキルが状況の異なる般化場面においてもある程度定着すること, 非MR群ではMR群に比べ, 習得した下位スキルが維持される傾向にあること等が示唆された。
  • 障害者への適用を通して
    菊池 恵美子
    1995 年8 巻 p. 15-22
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    個人の日常生活能力を適切に把握することを通して基本的職業能力が把握出来るのではないかとの仮説を検証すべく, 60項目からなる日常生活能力チェックリストを作成し, 身体および精神に障害を有する者を対象に検証した。その結果, (1) 試作した日常生活能力チェックリストは, 障害者の職業能力評価法としても有効であること。(2) 自己評価であり, 特に本評価の対象とした中高年者の心理的抵抗や負担も少なく, 評価を通して自己の職業能力や老化の程度が分かること。(3) 評価項目は, 障害の特性を比較的正確に反映し, なおかつ障害による制限に影響されなかったこと。(4) 他者評価も有効であること, 等が明らかとなった。より一般的な万人に共通する日常生活能力質問項目を厳選し評価することを通して, 個人の基本職業能力の把握や老化の予後予測が可能となる見通しがついた。
  • 対象者の状況と訓練予後について
    上杉 秀一, 小川 浩, 細谷 静江, 伊藤 豊, 川辺 循, 小堀 房枝
    1995 年8 巻 p. 23-29
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    神奈川県総合リハビリテーションセンター職業前指導科を利用した脳外傷者67人を対象に, 障害状況や訓練予後などについて, 基礎的な動向を調査した。対象者のほとんどは身体機能的に大きな問題はなかったが, 約3割が失語症, 約6割が記憶障害を有し, また約6割が注意, 意欲, 見当識など何らかの高次脳機能障害の存在を指摘されていた。訓練予後については, 約2割が一般就労につながり, 約1割が福祉的就労, 家庭復帰が約4割と最も多かった。就労した者の中には, 記憶障害を伴ったり, 知能検査の結果が比較的低い人が多く含まれていた。完全に元の仕事に復帰できた者は4人で, その他は配置転換, 勤務時間の調整など, 環境や職務および労働条件の調整がなされていた。脳外傷者の職業的復帰には, 本人の障害状況に加えて, 事業所の受入れ姿勢などの社会的要因が大きく影響していることが示唆された。それらの結論をもとに, 脳外傷者に対する職業前訓練の今後の課題を考察した。
  • 小川 浩
    1995 年8 巻 p. 30-36
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    本研究では, 米国における脳外傷者の職業リハビリテーションに関する文献を概観し, 脳外傷の発生率, 職業復帰の状況, 病院における脳外傷プログラムなどについて, 最近の動向を整理した。さらに脳外傷者を対象とした援助付き雇用に焦点を当て, 脳外傷者に特徴的な問題, ジョブコーチの援助技術, 援助付き雇用の効果などについてまとめた。米国では, 脳外傷者に対して援助付き雇用が一定の効果をあげており, ジョブコーチが実際の職場で援助することが, 複雑な障害特性をもつ脳外傷者にも有効に機能していることがうかがわれた。しかし, 援助付き雇用でも解決できない問題も指摘されており, 脳外傷者の就労援助の難しさが改めて示唆された。
  • 神田 憲治
    1995 年8 巻 p. 37-40
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    事務部門の仕事がコンピュータ化されて, 多量の商品伝票を扱う作業が, 複写紙とボールペンによる仕事から, 端末機での入・出力による仕事に変ってきている。そのうち, 定型の各種伝票を日常的に発行, 回収する作業と, その中で扱うデータを管理する作業を合わせてデータ入力作業という。作業のプロセスは, 端末操作で日常伝票処理業務を行うものと, データ登録・変更等の本部データ管理をするものに分かれる。日常伝票の作業はコード番号をテンキーから入力する作業がほとんどで, 比較的易しい。
    これまで事務の仕事では文字が書けることが必要条件であったが, コンピュータ化によって, 文字が読めることと, テンキーから正確に入力することが必要条件になってきた。障害者雇用に関して言えば, 文字が書けない, 計算が遅い等の問題があると, これまでは一般事務で就労をめざすには少し難しいと考えられたケースも, この作業に就ける可能性が出てきていると言える。
  • 非音声言語による表出コミュニケーション指導および視覚的JIGを使用した作業指導
    梅永 雄二
    1995 年8 巻 p. 41-48
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
    表出言語が困難な場面 (選択性) 緘黙症者に対し, 職域開発援助事業を通してハンバーガーショップM社において職業指導を行った。場面緘黙症者はコミュニケーションに障害があるため, 作業指示に対する反応として身ぶりサインによる指導を行った。また, 作業理解のために, 作業工程を課題分析し, その課題分析に視覚的JIG (補助具) を利用した。その結果, ハンバーガー等の注文に対する受け答えに対しては, 身ぶりサインによりコミュニケーションがとれるようになり, 作業工程も問題なく理解できるようになった。このように, 事業所環境を本人のわかりやすいように「構造化」することによって, 作業が遂行できるようになることが明らかになったことは, 今後の職業指導に一つのをもたらすことができたものと考える。
  • 長島 美奈
    1995 年8 巻 p. 49-52
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 「援助付き企業内実習」の展開とその課題
    村上 裕輔, 加瀬 昭彦, 中島 直行
    1995 年8 巻 p. 53-58
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 職業相談機関の利用状況から
    名川 理凡
    1995 年8 巻 p. 59-62
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
  • 梅永 雄二
    1995 年8 巻 p. 63-68
    発行日: 1995/03/31
    公開日: 2011/03/23
    ジャーナル フリー
feedback
Top