本研究では, 共同作業所と米国の援助付き雇用をモデルとした職域開発援助事業との連携の事業である「小規模作業所との連携による職域開発援助事業」を取り上げた。具体的には事例にもとついて, 生活支援パートナーの支援内容 (共同作業所での支援も含む。) を中心に考察した。この事業が, 有効な事業として評価されるには, アフターケアーの問題をどう改善していくのかということ, そして, 職業的に重度とされる人たちの利用を拡大し, 個人個人の能力の可能性に焦点をあてた援助がすすめられることでその効果が明らかになることを指摘した。また, 共同作業所で就労援助をすすめていくためには, 利用者の利用目的の明確化, 一般就労にむけてのプログラムをもっこと, 他の社会資源との連携の必要性を指摘した。さらに, 生活者としての利用者を支えるという生活支援の視点の鞍性にも言及した。

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筆者らは今回, 視空間性知覚障害を有する脳血管障害者の作業指導を行った。本事例は, バリント症候群の症状を有していたほか, 方向認知の障害も併せ持っており, これらの症状に対する, 代償手段や環境調整の方法を見いだすことに主眼を置いた。文書の読みについては, 書見台を使って視覚的手がかりを与えることで, 読み誤りを減少させることができた。方向認知の障害に対しては, 方向を言語化する方法が効果的であった。また, 表の読み取りに困難を来していたため, カレンダーを題材に訓練を実施し, 日付を読みとるための方法を検討した。
代償手段や環境調整の効果は, 作業の正確さなどの客観的指標において把握されただけでなく, 作業を遂行する上での負担感という主観的指標にも表れることが明らかになった。

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これまでに障害者を雇用した経験のある事業所1,000社に対し, 社会生活能力調査票及びRuschらのサバイバルスキル等の中から抽出した38項目の社会生活能力に基づき, 知的障害者雇用における問題点についておよび自閉症者に対する意識調査を行った。
まず, 知的障害者が事業所で働く際にどのような側面が問題となるかについて, 知的障害者の雇用経験の有無により相違があるかどうかを検証したところ, 雇用経験のない事業所は, 雇用経験のある事業所に比べて知的障害者の能力を低く捉えていることがわかった。
また, 自閉症についての調査では, 障害名の認識は高いが, 自閉症者を雇用した経験のある事業所は極めて少なく, 事業所が雇用上問題と考える社会生活能力項目には自閉症特有の問題行動が含まれていることが認められた。さらに, 自由記述における調査では自閉症者に対し, 「治る」, 「治す」という意識を持った事業所もあり, 事業所では自閉症は未だに誤解された障害であることことがわかった。

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障害の重度化が進むなか, 職業リハビリテーションの専門職や福祉サービスを実践するソーシャルワーカーは重度障害者のリハビリテーショシに対応するために, 相互の教育的背景を超越した共通の役割を認識し, 効果的な連携を取らねばならない。しかしながら, これら専門職の教育にはそれぞれ独特のものがあり, その接点が見えにくい現状にある。また, 我が国には職業リハビリテーションを専攻として持っ大学あるいは大学院教育プログラムが存在しておらず, 社会福祉系大学におけるカリキュラムと比較することが困難となる。そこで, 本研究はアメリカにおけるリハビリテーション教育とソーシャルワーク教育プログラムを量的に把握し, カリキュラム方針及び内容を比較することにより, カリキュラム上の共通性及び独自性を明らかにし, この分野の大学・大学院教育におけるカリキュラム開発についてを得ることを目的とした。

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