松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
1 巻, 1 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 星野 潮, 堤 貴司, 大東 恭子, 河野 通盛, 吉村 禎二, 山田 稔, 佐藤 方則, 小林 淳子, 山本 寛子, 石飛 誠一, 原田 ...
    1997 年 1 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/14
    ジャーナル オープンアクセス
    C型慢性肝疾患患者のHCV感染経路について,患者からの聞き取り調査を行った.対照との比較で,HCVの感染経路として輸血が最も多く,次いで静脈注射,手術歴,家族歴が関与しているものと考えられた.特に非輸血例の感染経路としてHCVに汚染された注射器具による静脈注射が重要であり,C型慢性肝疾患患者多発地区形成に関与している可能性が示唆された
  • 太田 哲郎, 浅沼 俊彦, 小林 茂雄, 太田 庸子, 石川 成範, 泉 司郎
    1997 年 1 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/12
    ジャーナル オープンアクセス
    右冠動脈の左室灌流域の大きさが右冠動脈血流の規定因子として重要であり,冠血流動態を考える際には右冠動脈の左室灌流域の大きさを考慮して右冠動脈血流速波形を評価する必要があることを明らかにした
  • 石原 修二, 鳥谷 悟, 堀 郁子, 謝花 正信
    1997 年 1 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    高速スピンエコー法によるMR胆管造影法において,通常使用する約2倍濃度のクエン酸鉄アンモニウム溶液を併用するとTIが130msec付近で画像の改善がみられ,本法は非侵襲的で有用な検査法と考えられた
  • 青木 秀暢, 佐々木 亮, 小早 徳正
    1997 年 1 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    年齢,性別,死亡率などについて報告した.同期間の入院全死亡数424例に対する頭部外傷の割合を比較した.頭部外傷死は25年間で120例で,5年ごとに漸減傾向を示した
  • 恩田 修治, 金山 直子, 馬庭 藤浩, 山本 恵理, 永島 貞夫
    1997 年 1 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    1)歩行不可群の受傷前の状態は,より高齢で,痴呆と脳血管障害を合併している例が多く,歩行能力は受傷前から低いので,ゴール設定の決定因子として重要と思われた. 2)受傷機転は殆どが転倒であり,些細なことで転倒するので再転倒の危険性は高い. 3)高齢者の本症に対しては受傷前の心身の状態を評価し転倒防止の対策を積極的に理学療法プログラムに取り入れる必要性を感じた
  • 原 祥子, 福田 里子, 宇野 福美, 岸 嘉代子, 福島 久栄, 河上 登紀子, 加藤 洋子
    1997 年 1 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    1)腰背部痛の緩和に対してエアマットとマンシェットの使用は有効であった. 2)患者の好みに合わせたエアマットの圧調整とマンシェットの数や大きさの選択を考慮することが大切である. 3)心臓カテーテル検査中からの腰背部痛予防と緩和への対策が必要である
  • 嘉本 道子
    1997 年 1 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/17
    ジャーナル オープンアクセス
    薬剤師による患者への服薬指導は現在、全国の多 くの病院で実施されている。しかし、癌患者への服薬指導は癌告知がまだ一般化していないという状況から対応が遅れていたが、癌患者への服薬指導の報告も年々増 加し、当院でも泌尿器科の癌告知患者への服薬指導を開始 した。患者自身の病気や薬への理解を深め、満足してもらえる服薬指導にしていきたいと考え、アンケート調査を行い 検討した。その結果、患者の多 くは満足 している ものの、薬の副作用 や相互作用等に対 しての不 安、またそ れらの情報を得る機会の不足を訴えていることが わかった。この事から、患者を中心とした医師、看護婦とのきめこまかい情報交換や「薬の相談窓口」を含めた積極的な服薬指導を進めて行 く必要があると考えられた。
  • 金岡 保, 松井 泰樹, 野津 長
    1997 年 1 巻 1 号 p. 31-33
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    比較的稀な乳腺紡錘細胞癌 1例を経験 した 。症例は 69 歳の女性で、左乳房腫瘤を訴え受診 した。超音波検査では充実性腫瘍とその内部に嚢胞性変化を認め 、悪性腫瘍が疑われた。穿刺吸引細胞診では、異型細胞を多数認め悪性と診断された。手術にて紡錘細胞癌と確定診断された。紡錘細胞癌を診断するには、超音波検査所見の嚢胞性変化に加え、穿刺吸引細胞診の癌腫様及び肉腫様の 2 成分の存在が重要な根拠となりう る。
  • 金山 博友, 河野 菊弘, 吉岡 宏, 井上 淳, 田崎 睦夫, 築沢 正倫
    1997 年 1 巻 1 号 p. 35-37
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    食道原発悪性黒色腫の1例を報告する。症例は49オの男性で半年前からの嚥下困難を主訴として来院した。食道透視で上部食道を中心に複数の結節性隆起性病変を認め 、最大腫瘍径は5.8cmであった。内視鏡でも黒色調で表面が比較的平滑な隆起性病変が計5個観察された。遠隔転移は認めなかった。右開胸開腹下に胸部食道切除術が行われ、術後DAV療法を2クール施行した。しかし、術後7カ月で肝転移再発をきたし、 急速な増悪によって術後 9.5 カ月で亡 くなった。自験例は進行例であったが、本疾患の悪性度の高さを認識させる症例であった。
  • 堀 郁子, 石原 修二, 鳥谷 悟, 謝花 正信, 平野 信夫, 佐々木 亮, 藤原 敏浩, 長谷川 賢作, 安達 博信
    1997 年 1 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    悪性繊維性組織球症は、悪性軟部腫瘍中最も頻度の高い腫瘍である。原発部位として頭頚部は比較的稀であり、予後も他部位に比較し不良である。今回我々は眼窩側壁原発例と上顎洞原発例の2 例を経験 した。両者とも組織学的に通常型であっ たが、眼窩原発例は花むしろ配列が優位で、上顎原発例は多型性が目立った。眼窩原発例はCT·MRI でも病巣の境界は明瞭で内部も均ーであった。上顎原発例は、MRI T 2 強調像で特徴的な低信号を呈した。2 症例とも同じ通常型でも画像所見は異なっていたが 、いずれの症例も MRI は、範囲診断に有用であり、手術で確認された範囲と 一致していた。両者とも dismasking flap method による手術が施行され、現在まで再発を詔めていない。
  • 田中 洋子
    1997 年 1 巻 1 号 p. 45-47
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/14
    ジャーナル オープンアクセス
    運動失調を主症状とする発症27年を経過した長期在宅障害者を訪問し、作業療法士の立場より見た問題点に対し、作業療法を行い、長期在宅障害者に対する作業療法の役割について検討した。症例は、52オの男性。脊髄小脳変性症。SCD重症度分類で、下肢機能障害は I ~II 度、上肢機能障害は I ~Ⅲ度で、1種2級の障害を認定されている 。問題点は、①上肢の運動失調において右手が強いが、利き手の右上肢を使用 。②書字など困難な動作は行っ ていない。それに対する苦痛や不便さが感じられない。③社会的活動はなく、日々の生活に適応障害は見られないが、将来の自分の人生設計をどのように考えているのかの3点であった。問題点に対し種々の作業を実施し、上肢機能、作業能力面での障害の程度を主観的、客観的に理解把握するよう指導、同時に将来の生活設計を話し合った 。その結果、上肢動作において正確・速度面でやや改善が認められたが、生活場面ではやはり右上肢主の使用となった 。上肢機能、能力面での改善について患者自身それを認めるも、進行性疾患であることの障害受容が伺えた。種々の作業に取り組み、作品完成に至ったことで、好奇心や自信が得られ、人との関わりの楽しさを覚え、今後の生活について自ら積極的に考えるようになった。緩徐進行性慢性疾患に対して、特に社会性を豊かにすることが作業療法の役割と考えられた。
  • 河野 通盛, 堤 貴司, 大東 恭子, 星野 潮, 吉村 禎二, 山田 稔, 堀 郁子, 謝花 正信, 佐藤 方則
    1997 年 1 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/14
    ジャーナル オープンアクセス
    39歳男性大酒家に明らかな外傷歴無く発症し、急性腎不全を合併した十二指腸壁内血腫の1例を経験 した。診断上、腹部超音波検査やCTなどの画像所見が参考となったが、特にMRI検査による特徴的な十二指腸下行部より水平部に及ぶ まがたま様の形態所見と血腫内部の性状検討が、他疾患との鑑別に有用であり、不必要な手術を回避できたと考えられた。治療上、超音波誘導下に経皮的な血腫ドレナージ術を行い、十二指腸狭窄症状の早期改善を認めた 。本法は保存的治療により1週間以上十二指腸狭窄症状の改善が認められない場合、有効な治療手段と考えられた 。
  • 田中 三代子, 若槻 修二, 多久和 瑞枝, 藤原 岸子, 河上 彰子, 福屋 ミドリ
    1997 年 1 巻 1 号 p. 53-55
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/13
    ジャーナル オープンアクセス
    精神科疾患においては、時に患者に関わる事が困難な場合がある。この理由の一つに治療者の偏見や逆転移の問題がある。今回これを認識しつつも全く関われない患者を経験した。患者の何が関わりにくくさせているのか、看護者は何故関われなくなっているのか、それぞれの心の働きを分析し、その要因について検討した。患者は29オの男性で、アルコール依存症である。患者は、生育歴や家庭現境により、欲求不満の処理方法として、自己防衛(抑圧)という手段しかとれないという問題があった。看護者は、患者の防衛的態度により、看護者自身の精神的欲求が阻害される危機を無意識に感じ取り、防衛していたと判った。看護者としては、今後関わることの困難な患者に出会った場合、自分自身の心の働 きを自己分析し、見えた本音を素直に受け止める努力が必要と考えられる。
  • 野津 元秀, 村上 ルミ, 神田 美津子, 卜藏 充郎, 立石 英男, 佐藤 宗保, 牧尾 章, 堀 郁子, 安達 博信, 井藤 久雄
    1997 年 1 巻 1 号 p. 57-59
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/14
    ジャーナル オープンアクセス
    子宮体部に発生する adcnosarcoma は、比較的稀な腫瘍であり組織学的には、同一腫瘍内に上皮成分と非上皮成分とが混在する特徴を示す1) 2 ) 3 ) 。今回、我々は子宮内膜に発生した adenosarcoma を経験 したので細胞所見、組織所見を中心に報告する。症例は、53歳女性で不正性器出血を主訴に来院。術前の子宮内膜細胞診では上皮成分に悪性を示唆する異型性はみられず、増殖期子宮内膜様の形態を示していた。間質細胞は核小体著明な核異型細胞や多核異型細胞が散在性に出現し非上皮性悪性腫瘍を疑った。術前の子宮内膜組織診断は、採取された子宮内膜腺に異常はなく間質に紡錘形また類円形の好酸性細胞質を有す単核あるいは多核の腫癒細胞の増殖があり非上皮性悪性腫瘍と診断された。摘出臓器の組織診断は、術前組織診断と同様に子宮内膜腺周囲の間質に多型性に富む肉腫様細胞の増殖があり非上皮性悪性腫瘍と診断され免疫組織学的検討を加え、ミューラー管混合性腫瘍の亜型である腺肉腫と診断した。本疾患は、同一腫瘍内に多型性の強い肉腫様細胞と良性の子宮内膜腺細胞に類似する腺上皮細胞の混在を特徴とする腫瘍であるが診断困難な場合が多く、確定診断には、免疫組織学的検討を必要とする。比較的高齢者、閉経婦人で不正性器出血を主訴とし子宮内膜細胞診で多彩な細胞の出現を認めた場合本疾患も考慮に入れる必要がある。
  • 太田 庸子, 太田 哲郎, 石川 成範, 小林 茂雄, 泉 司郎
    1997 年 1 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 1997年
    公開日: 2020/02/14
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は57歳男性。労作時の胸部圧迫感を主訴に受診し狭心症を疑い入院精査を行った。冠動脈造影検査では右冠動脈が左バルサルバ洞より起始する冠動脈起始異常が認められた。運動負荷心筋シンチ グラフィーでは心電図のST低下を伴う後下壁の虚血所見を認めた。経食道マルチプレー ン心エコー図法では左バルサルバ洞から起始する右冠動脈 入口部のスリット状の形態が観察され、また右冠動脈が大動脈と肺動脈の間を走行するのが確認された。右冠動脈の起始異常は虚血の原因となることが報告されているが、本症例では経食道マルチプレーン心エコー図法によりその形態的特 徴を詳細に観察することができた。
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