PLANT MORPHOLOGY
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13 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • Takahito Suzuki, Shin-Ichi Iwaguchi, Teijiro Kamihara
    2001 年 13 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Summary: The azole class of compounds kills fungal cells through an inhibition of ergosterol biosynthesis resulting in malfunction and breakdown of cell membranes. Subinhibitory levels of these compounds were found bringing about a transition from yeast form to pseudohyphal one in Candida tropicalis, as well as ethanol reported previously. The other classes of inhibitors for ergosterol biosynthesis, terbinafine and amorolfin, also caused the transition. These findings implicated the function of ergosterol for filamentous growth. Although depolarized cell growth was observed to precede filamentation during the process of ethanol-induced pseudohyphal formation in this organism, no distinct depolarization was found to occur during the process induced by these antifungal compounds.
  • Shingo Takagi, Teruyuki Hayashi, Jung-Hwa Ryu, Yasuo Nakanishi
    2001 年 13 巻 1 号 p. 11-20
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Summary: In mesophyll cells of Vallisneria gigantea, an aquatic angiosperm, the intact adhesion of plasma membrane to cell wall at the end walls is indispensable to maintain the stationary arrangement of actin microfilaments.Possible involvements of intracellular actin-binding proteins, transmembrane proteins, and cell wall proteins, in an analogous way to the components located at animal focal contact, in the organization of actin cytoskeleton are discussed.
  • 紅 朋浩
    2001 年 13 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨: γ チューブリンは、微小管形成中心(microtubule organizing center; MTOC)のタンパクとして、微小管ネットワークの構築に関わる重要なチューブリンである。γチューブリンは他の様々なタンパクと共に複合体として存在しており、動物細胞ではγ チュー要旨: 中国からわが国へのイチョウ伝来の論議では、その時期については、これまで飛鳥時代(7世紀)から室町時代(16世紀)までの900年にもわたる時間スケールにまたがり、かつその具体的根拠や出典が示されない場合が多かった。一方、もたらされたものが、木、種子いずれであったかも曖昧のままにされてきた。本稿では、中国および日本に残る文献資料を中心に、最近韓国で発見された遺物資料、ならびに筆者の観察を加えて、この二つの問題点について考察した。イチョウが中国の町に登場したのは10-11世紀であり、11世紀には市街地でも植栽され始め、12世紀には薬用効果が確かめられた。現在知られる、イチョウに関連するわが国の最も古い文字資料は、1370年頃成立の『異制庭訓往来』である。しかし、最近1323年頃(元代前期)中国から博多へ向かう途中、韓国沿岸で沈没した船から引き上げられた遺物の中からギンナンが発見された。これは、ギンナンが輸入果実としてわが国に持ち込まれた可能性を強く示唆している。輸入が始まった時期を示す資料は発見されていないが、宋代末期の日宋交易にまで遡る可能性はある。輸入されたギンナンは室町時代中期(1500年代)までには国内に広まり、その中から木に育つものが出てきたと考えられる。したがって、伝来の時期は13世紀から14世紀にかけての100-150年くらいの間であろうと推定される。今後、さらなる資料の発掘によって、より限定した時期の特定が可能になると期待できる。リン・リング複合体の解析が進んでいる。私達が糸状菌Aspergillus nidulansのγ チューブリン複合体について解析したところ、複合体にはリング複合体だけではなく、様々な形のものが存在することが示唆された。現在のところ、おそらく真核細胞全般においても様々なγ チューブリン複合体が存在するのではないかと考えられる。一方、γチューブリン自身にも多様性が見られる。その典型的な例が出芽酵母Saccharomyces cerevfslaeのγチューブリンである。近縁の数種の酵母についてそのγチューブリン遺伝子を調べたところ、γチューブリンの特徴を維持しながらも多様な変貌を遂げた姿が明らかになった。酵母固有の配列も見られ、それらはチューブリン分子のマイナス端側表面に集中していた。酵母固有の配列はγチューブリンが核内に局在することにも関わりがあるように思われた。本総説では、γ チューブリンやその関連タンパクの多様な側面を示すとともに、そのような多様性の裏にあると考えられる、γ チューブリンの成熟過程や細胞内局在を制御する仕組みについて考察する。
  • 堀輝 三
    2001 年 13 巻 1 号 p. 31-40
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨: 中国からわが国へのイチョウ伝来の論議では、その時期については、これまで飛鳥時代(7世紀)から室町時代(16世紀)までの900年にもわたる時間スケールにまたがり、かつその具体的根拠や出典が示されない場合が多かった。一方、もたらされたものが、木、種子いずれであったかも曖昧のままにされてきた。本稿では、中国および日本に残る文献資料を中心に、最近韓国で発見された遺物資料、ならびに筆者の観察を加えて、この二つの問題点について考察した。イチョウが中国の町に登場したのは10-11世紀であり、11世紀には市街地でも植栽され始め、12世紀には薬用効果が確かめられた。現在知られる、イチョウに関連するわが国の最も古い文字資料は、1370年頃成立の『異制庭訓往来』である。しかし、最近1323年頃(元代前期)中国から博多へ向かう途中、韓国沿岸で沈没した船から引き上げられた遺物の中からギンナンが発見された。これは、ギンナンが輸入果実としてわが国に持ち込まれた可能性を強く示唆している。輸入が始まった時期を示す資料は発見されていないが、宋代末期の日宋交易にまで遡る可能性はある。輸入されたギンナンは室町時代中期(1500年代)までには国内に広まり、その中から木に育つものが出てきたと考えられる。したがって、伝来の時期は13世紀から14世紀にかけての100-150年くらいの間であろうと推定される。今後、さらなる資料の発掘によって、より限定した時期の特定が可能になると期待できる。
  • 今市 涼子
    2001 年 13 巻 1 号 p. 41-50
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:一葉性はイワタバコ科のモノフィレア属とストレプトカルプス属にみられる。これら一葉植物では大きく成長した1枚の子葉だけで体が構成され、一生を通じて茎も普通葉も作られず、花序は子葉の葉身基部から生じる。一葉植物は、その形態の特異さから、これまで様々な分野、特に進化形態学の研究者の注目を集めてきた。本稿では最近の比較形態形成研究ならびに分子系統解析の情報から、イワタバコ科における一葉性の進化について議論する。
  • - Brefeldin Aがゴルジ体系に及ぼす影響-
    野口 哲子
    2001 年 13 巻 1 号 p. 51-60
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:ゴルジ体から小胞体系(ER系)への逆行輸送が植物細胞でも存在する証拠を得る目的で、ER系とゴルジ体が近接している藻類細胞二種(単細胞緑藻Scenedesmus acutusとBotryococcus braunii) を用い、brefeldin A(BFA)がゴルジ体とER系の微細構造に及ぼす影響およびBFA処理によってゴルジ体標識酵素のチアミンピロフォスファターゼがER系に移行するか否かを細胞周期のいろいろな時期について調べた。その結果、BFAによって誘導されるゴルジ体からER系への逆行輸送は哺乳類の細胞だけに特有な現象ではなく、植物細胞にも共通の現象であることが示唆された。この逆行輸送は、二種の藻類ともに、間期の細胞では誘導されたが、分裂期の細胞では誘導されなかった。更に、この逆行輸送にはアクチンフィラメント系が関与し、微小管系が関与している哺乳類の細胞とは異なる機構であることが判った。
  • 柴田 洋
    2001 年 13 巻 1 号 p. 61-68
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要旨:高等植物のゲノムは大量の反復配列によって構成されている。これらの反復配列は、個々のゲノムが進化する過程でどのような役割を果たしてきたのか、スイバ(Rumex acetosa)の反復配列の解析から考察してみた。スイバは異質染色質化したY染色体をもち、常染色体とY染色体に多型がみられる。スイバの常染色体に見られる多型は余剰異質染色質分節の付加によってもたらされており、その大きさは余剰異質染色質分節を構成する反復配列のコピー数の増減によって変化していた。Y染色体は性染色体の分化後に、2種類の異なる反復配列が染色体全体に蓄積することによって特殊化してきたことが明らかになった。Y染色体の形態にみられる多型は、反復配列の増減を伴わない染色体の構造変化によってもたらされていた。
  • Yoshiki Nishimura
    2001 年 13 巻 1 号 p. 69-76
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Summary: The non-Mendelian inheritance of organelle genes is a phenomenon that is common to almost all sexual eukaryotes. In the isogamous alga Chlamydomonas reinhardtii, chloroplast(cp)genes are transmitted from the mating type plus(mt+)parent. In this study, the preferential disappearance of fluorescent cp nucleoids of the mating type minus(mt-)parent in living young zygotes was observed. To study the change in cpDNA molecules during this process, the cpDNA of mt+ and mt origin was labeled separately with bacterial aadA gene sequences. Then, a single zygote with or without cp nucleoids was obtained using the optical tweezers, and investigated by nested PCR. This demonstrated the active digestion of mt cpDNA during the preferential disappearance of mt cp nucleoids. To identify factors that cause the active digestion, nuclease activities in C. reinhardtii cells were surveyed. Consequently, a Ca2+-dependent nuclease(NUC-C)that is detected only in mt+ gametes was identified. Further analysis of NUC-C activity in chloroplasts of young zygotes detected NUC-C activity in mt chloroplasts60-90min after mating, which precisely corresponds to the timing of preferential digestion. These results indicate that the maternal nuclease NUC-C is the driving force for the maternal inheritance of cpDNA, which is achieved by the preferential digestion of mt cpDNA in young zygotes.
  • Gyung-Tae Kim
    2001 年 13 巻 1 号 p. 77-83
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Summary: The growth of leaves is dependent on the extent of the expansion of leaf cells and on cell proliferation. The rates of the division and enlargement of leaf cells at each stage contribute to the final shape of the leaf, and play important roles throughout leaf development. However, the processes controlling these basic aspects of leaf development remain unresolved. Recently, we identified and characterized several genes that regulate leaf expansion. This brief review article focuses on our current study of the genetic mechanisms of leaf expansion in Arabidopsis.
  • 2001 年 13 巻 1 号 p. 85-92
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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