温熱療法として広く使用されている超音波と極超短波の特性や危険性について,疑似生体組織として豚肉片組織を用いて検証を行った。対象の2.5 cmの深さに骨片または金属片を挿入し,超音波・極超短波を照射後,表面温度と深さ1 cmの部位の深部温度を測定した。骨片挿入時,超音波照射後の表面温度は出力1.0 W/cm
2で,深部温度は出力2.0 W/cm
2でより高い値となった。極超短波照射後は表面・深部温度ともに出力120 Wで80 Wよりも高く,また40分後まで超音波照射後よりも表面・深部温度が高くなり,1 cmの深さまでの温熱効果は即時性・持続性が超音波より極超短波で優れていた。金属片挿入時,超音波照射直後の表面・深部温度は骨片挿入時と比較してやや低い値であったが,30分後以降は骨片挿入時とほぼ同様の値となった。極超短波照射後も,骨片挿入時よりも表面・深部温度が低値となり,金属片の存在により温度変化に影響を受けることが確認された。
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