回復期リハビリテーション病棟では転倒事故のリスクが高く,その防止は重要課題である。転倒事故を予防するため,当院リハビリ病棟入院中に転倒した患者の特性を明らかにすべく調査・研究を行った。当院入院患者367名を対象として転倒群・非転倒群に分類し,先行研究において有意に転倒・転落に関係しているとされる項目とその詳細に関して調査を実施した。転倒群は平均年齢が高い,転倒歴がある患者が有意に多い(
p<0.05),ADL要介助の患者が有意に多い(
p<0.05),認知機能が低下している患者が有意に多い(
p<0.05)という結果となった。転倒した患者は筋力低下,ADL要介助といった運動要因,認知機能低下といった高次要因が相互に関連して転倒していると考えられた。
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