この系列における以前の報告で示し得たように,ポーラログラフ第一波に関する定電位下に遂行された1電子的電解還元は,含窒素複素環式化合物の第四アンモニウム塩からみちびかれる2量体の製法にきわ立った手段である.この観点から3位に-CONH,-CN,-COOHが置換されたピリジニウム塩の2量化反応が主として水溶液中で行なわれた.そして実際に取り出された2量体の他の有機化合物(クロルアニル等)への電子移行反応が,NADHに関するモデル反応の一つとして遂行された。 生成した2量体の構造は1および3位の置換基には無関係にピリジン環の6位で結ばれていることがNMRによって確かめられた.かつ定量的に成功した二,三の電子移行反応―それはUVスペクトルによって確かめられたから,電解的に生成した2量体の活性モデルとしての能力は,今迄に知られた1,4-ジヒドロピリジン誘導体よりも大であろうという仮定がみちびかれた.
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