Review of Polarography
Online ISSN : 1884-7692
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15 巻, 1-2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 舘 勇
    1968 年15 巻1-2 号 p. 1
    発行日: 1968年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • Indirect Polarographic Determination of Non-Electroactive Compounds
    Harry B. MARK
    1968 年15 巻1-2 号 p. 2-11
    発行日: 1968年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 萩原 一芳
    1968 年15 巻1-2 号 p. 12-20
    発行日: 1968年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     キレート置換反応を用いて酸化ジルコニウム中の微量のトリウムを定量するため,エチレンジアミン四酢酸の鉛キレートと微量トリウムとの置換反応について検討した.鉛とトリウムの置換反応はpH 2.9~3.7の範囲で定量的に進行することが認められた.pHが2.9より低いところでは鉛キレートの解離が大きくなり,トリウムと反応し難くなる.またpHが3.7より高くなるとトリウムが一部加水分解を起し,置換反応が起りにくくなるものと考えられる.また置換反応におよぼす温度の影響については,12~30℃の範囲でほとんど影響が認められず比較的低温においても反応が速やかに進行することが認められた。本置換反応はまたpH3.0のモノクロル酢酸緩衝溶液中において,鉛キレート溶液の添加後ただちに定量的に進行するものと考えられ,以後100時間経過後も鉛の置換量に変化は認められなかつた.本法により,1×10-6-7×10-6Mのトリウムを定量することができ,検量線は良好な直線性を示した.共存する硫酸根は妨害を与えないが,リン酸根は恐らくトリウムと錯体を生成するためと考えられるが大きな妨害を与えた.アルカリ土類,アルミニウム,マンガン(ll),カドミウム,銅酸バナジウム,ニッケル,コバルト,鉄(ll)などは妨害しないが,インジウム,鉄(lll),モリブデン,亜鉛,チタン,ゼノタイム鉱石より得た混合希土は本定量を妨害する.本法を酸化ジルコニウム中の微量のトリウムの定量に適用するため,TTAのベンゾール溶液による溶媒抽出を行なつて,ジルコニウムとトリウムの分離を試みた.6N硝酸酸性溶液中においてジルコニウムは上記有機溶媒層に抽出され,一方トリウムは定量的に水層に残ることを認めた.本法により,0.007%程度のトリウムを含む酸化ジルコニウムの分析を行ない,発光分光分析法の結果と一致する良好な結果が得られた.
  • 鈴木 諄亮
    1968 年15 巻1-2 号 p. 21-27
    発行日: 1968年
    公開日: 2011/10/21
    ジャーナル フリー
     溶液流動,静止固体電極における限界電流式は式(1)により示される.
    iτ=KnFACD2/3μ1/2ν-1/6d-1/2
    ここにvは流速(cm/sec),D2/2 μ1/2 ν-1/6 d-1/2は電解液の動粘性係数(cm2/sec),dは電極の大きさに関係する値(cm)である. 最近,松田は流体力学的考察から層流の流れに垂直においた円柱断面の一部を電極とする場合の限界電流式を理論的に導いたが,それによると式(1)の比例定数Kは0.959である. 本装置の場合,電極表面の液流動速度は,その構造上から厳密に測定する事は困難であるが,その速度は回転円板線速度に比例すると仮定して,松田の理論式を用いれば大略の値を求める事は可能である.これより求められる流速よりReynoldsnumberを求めると,電極近傍における液流動状態はほぼ層流である事が推定される. 本研究においては,電極近傍の流速と回転円板線速度との問に成立するとした比例定数を考慮した場合の式(1)の定数Kの値を実験的に求め,本電極における限界電流式を誘導した. 0.5M塩化カリウム溶液中のフェロシアンイオンの酸化過程における限界電流値を求め,式(1)に代入,その結果,K=0.612±0.005となり,本電極において得られる限界電流は式(2)にしたがうと推定された.
    iτ=0.61nFACD2/3μ1/2ν-1/6d-1/2
    (2)  また,これを0.5M塩化カリウム中のフェリシアンイオンの還元過程に適用し,その実験値と式(2)による計算値と比較した結果,ほぼ満足すべき一致(標準偏差,0.82%)を示した.
  • 明石 伸子, 熊沢 安正
    1968 年15 巻1-2 号 p. 28-34
    発行日: 1968年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
     一般に金属イオンの拡散係数は水溶液中では正の温度係数を持つている.従ってその金属イオンのポーラログラムの波高が,拡散律速電流であれば,その波高の温度係数も正であることが期待される.本実験で若千の金属イオンの矩形波ポーラログラフイーにおける波高の温度係数について検討したところ,KCl中のPb2+とTl+の温度係数が負であるという興味深い現象が見られたので報告する.波高の測定は図1のaで示した. Pb2+,Tl+の矩形波ポーラログラムの温度係数は負であったが,Cd2+のそれは正であった(図2) しかしPb2+の直流ポーラログラムの波高の温度係数は正であった(図3)ことから,Pb2+の矩形波ポーラログラフィーにおいては,拡散律速以外の電流が重要な因子となっていると考えられる。また種々の支持電解質申でのPb2+については,HClとKCl中では負の,HClO4とNaOHとKNO3中では正の温度係数を示した.このことからCl-そオンの存在がPb2+の波高の温度係数を負にする現象に関連していると考えられる.しかしCl-のの濃度はこの現象と直線的な関係は見られなかった.(表1) Pb2+の濃度の影響は表llに示されるが,低濃度では,温度係数は負であるが,高濃度では正である. また界面活性剤の効果は図5,図6に示されるように,ゼラチンやメチルレッドの添加によって温度係数は正となる. 以上の実験結果から多量のCl+が存在する中に,微量に含まれるPb2+は,水銀表面に吸着されるかもしれないと考えられるがPb2+はCl-と複雑な配位化合物を作るので,更に詳細な検討が必要である.詳細は後に報告する.
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