根の研究
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11 巻, 2 号
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  • 関谷 信人, 矢野 勝也
    2002 年 11 巻 2 号 p. 35-42
    発行日: 2002/06/26
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    自然界に存在する水の分子はほとんどがH2Oであるが, 極わずかにD2OやDHOも含んでいる. D2O・DHO・H2Oは反応速度や拡散速度が異なる結果, 自然界の水に含まれる水素の安定同位体自然存在比 (δD値: 試料中D/Hと標準試料中D/Hのズレを千分率で表す) が場所や状態によって大きく変動する. これを同位体効果という. 一部の塩生植物を除いて, 土壌-根-導管 (蒸発散や代謝の影響を受けない部位) の過程に同位体効果は発生しないため, 導管に含まれる水のδD値はその植物が吸収している水資源のδD値を反映する. したがって, 導管水δD値を計測すれば, その植物がどの水資源にどの程度依存しているのかを推定することが可能であり, 過去10年ほどの間に, 従来の手法では明確にすることのできなかった事実が徐々に明らかになってきた. 本稿では, それらの報告を紹介するとともに, 今後の研究の可能性についても触れる.
  • 辻 博之, 山本 泰由, 松尾 和之, 臼木 一英
    2002 年 11 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 2002/06/26
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    ラッカセイ, トウモロコシ, ダイズを不耕起および慣行耕起した畑に栽培し, その根量・分布と根系を構成する根の構造を調査し, 不耕起栽培における根系発達について検討した. 本試験は1992, 1993, 1994年に農業研究センター (茨城県つくば市) の淡色黒ぼく土畑で実施した. 耕起法が作物の根系分布に及ぼす影響は深さ20cm程度までの層で顕著に認められ, それより深層の根量には大きな違いが認められなかった. ダイズでは他の作物に比べて耕起方法の影響が顕著で, 不耕起区では慣行耕起区に比べて深さ0~10cmの根長密度が増加し, 10~20cmでは減少したため, 根の深さ指数は有意に小さくなった. 不耕起区のダイズ不定根は, その伸長角度が鉛直軸に対して大きくなり, 側根が多数発生したため, 土壌表層10cmにおける根量増加が顕著であったと考えられた. 一方, ラッカセイでは不定根発達が貧弱であったことが, また, トウモロコシでは根伸長角度が鉛直軸に対して小さく, 深さ10cmより下方まで根が到達したことが, 不耕起栽培に伴う根の深さ指数低下を小さくした要因であると考えられた. これらから, 黒ぼく土畑における不耕起栽培が土壌表層の根量増加に及ぼす影響はひげ根型根系の作物では小さく, 主根型根系の中でも不定根の発達が旺盛なダイズで大きいものと判断された.
  • 荒木 英樹
    2002 年 11 巻 2 号 p. 51-56
    発行日: 2002/06/26
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    作物に土壌の水を上手く活用させるため, 様々な視点から根系の水吸収機能が評価されている. 小論では, 動的に変化する根系の吸水領域について考えた. 根系の水吸収には, 根を取り巻く土壌の環境要因が強く影響することが知られる. また植物学的な視点からみれば, 根は発育段階によって生理や構造が異なる. 根系レベルの水吸収を考えるためには, これらの情報を総合的に整理する必要がある.
  • 第2回スイカ
    中野 明正, 渡邉 慎一
    2002 年 11 巻 2 号 p. 57-60
    発行日: 2002/06/26
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 11 巻 2 号 p. 62-98
    発行日: 2002/06/26
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
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