根の研究
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32 巻, 2 号
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原著論文
  • 篠遠 善哉, 丸山 幸夫, 大谷 隆二, 松波 寿典
    2023 年 32 巻 2 号 p. 33-42
    発行日: 2023/06/20
    公開日: 2023/06/29
    ジャーナル 認証あり

    これまでの研究から,ロータリ耕と比較してプラウ耕 (チゼルプラウで粗耕起後にパワーハローで砕土する体系) における土壌深さ8 cm以深の土壌は硬く,肥料が土壌表層に集中し,トウモロコシの根系はプラウ耕による土壌硬度の影響でロータリ耕と比べて第7葉期以降に浅根化することが明らかとなった.そこで,黒ボク土の水田転換畑におけるプラウ耕がトウモロコシの種子根と節根に及ぼす影響を調べ,浅根化した要因を解析した.試験は,施肥区と無施肥区を設けてロータリまたはチゼルプラウ (プラウ) で耕起し,土壌表層 (土壌深さ0-10 cm) の根系を調査した.ロータリ耕に比べてプラウ耕では,第3葉期までと乳熟期の種子根の根長密度は低かったが,第6葉期以降の節根の根長密度は高く,節根の分枝根が第6葉期と雄穂形成期で多く,乳熟期の節根の1次根長も長かった.第6葉期以降に種子根の根長密度は減少するが,節根の根長密度は増大し,さらに耕起法の違いによりロータリ耕よりプラウ耕で増大することから,プラウ耕による浅根化の要因は耕起法の違いが節根の伸長と分枝に影響を及ぼしたためと結論された.

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