Second Language
Online ISSN : 2187-0047
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1 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • ウィリアム オグレディー
    2002 年1 巻 p. 3-19
    発行日: 2002/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 夫 明美
    2002 年1 巻 p. 20-44
    発行日: 2002/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 第二言語のライティングにおけるモダリティ使用が, 明示的な教示によりどのような影響を受けるかを実験的なアプローチを用いて調べることである.明示的な教示により, 法動詞, 法副詞, (モダリティの要素を含む) 動詞等, hedgesの使用が, 促進されるという実験報告がある (Wishnoff, 1999).本稿は, 「モダリティ表現のhedgesとしての機能に加え, aggravationとしての機能も明示的な教示によって習得されるか」, という点も実験の目的に加えて, これまでの先行研究に新たな視点を加えようと試みる.実験の参加者は大学でESLのライティングコースを取っている留学生で, ある学期中の2週間の期間をつかって実験を行った.実験グループとコントロールグループのライティングを実験後に比較すると, 実験グループのモダリティ使用がコントロールグループを上回っており, その差は有意差であった.しかし, 教示の影響がどの程度の期間持続するか, またどのような教示法がより有効かという点はこれからの研究に委ねられる.
  • 大下 浩之
    2002 年1 巻 p. 45-61
    発行日: 2002/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    英語自動詞の基本文型である主語+動詞の語順は, 時として学習者によって非文法的と見なされ, その使用が避けられることが知られている (Hirakawa, 1995;Kellerman, 1978;Yip, 1995).Kellerman (1979) はこの現象を自他両方の用法を持つ動詞に限られるものと見なしてMcCawley (1978) の会話の含意理論に基づく語用論的な説明を提案した.しかしながら, 彼の説明は理論的問題点を含むのみならず, この現象の全体像を捉えきっているとも言い難い.なぜなら, 自動詞用法しか持たない動詞の中にもこの現象の影響を受けるものがあるからである.また, 一見その類似性が疑われるにも関らず, この現象を今まで広く研究されてきた「回避」と同様なものと見なすことも難しい (Kamimoto, etal, 1992;Kleinmann1977;Schachter, 1974;Seliger, 1989).本稿では, 問題の現象が第二言語として英語の自動詞を習得する際の根本的な問題点と関っていること, それ故, 非対格動詞の受動化などとの関連において研究されるべきものであること, を論じる (Balcom, 1997;Hirakawa1995;Oshita, 2000b;Yip1995;Zobl, 1989).
  • 白畑 知彦
    2002 年1 巻 p. 62-96
    発行日: 2002/05/01
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 日本語の束縛形式である「自分」の持つ特性, 主語指向性と長距離束縛性の関連を, 第2言語として日本語を習得する英語母語話者の子どもを対象に調査したものである.「自分」における主語指向性と長距離束縛性の問題は, 学習可能性の問題とも深く関わってくる.英語の照応形 (himselfなど) は, 主語指向性はなく, 長距離束縛性もない.したがって, 英語を母語とする日本語学習者は, 母語からの干渉を考えれば, 肯定証拠のみで習得可能な「自分」の長距離束縛性は習得が容易で, 否定証拠を必要とする「自分」の主語指向性は習得が困難という予想が立てられる.12名の被験者を縦断的に調査した結果, 主語指向性が必ずしも長距離束縛性よりも習得困難ではないことが判明した.このような習得過程の1つの説明は, 英語の照応形と日本語の「自分」は共通部分よりも相違部分の方が遥かに多いため, 母語の照応体系に照らして「自分」を習得したのではなく, 母語の幼児と同様の過程で習得した可能性が考えられる.
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