Second Language
Online ISSN : 2187-0047
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11 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
特別寄稿
  • ルミアナ スラバコバ
    2012 年 11 巻 p. 5-23
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    In this article, I will present partial results of three experiments that deal with the second language (L2) acquisition of the same phenomenon: Clitic Left Dislocation (CLLD) in Spanish and Bulgarian by native English speakers. This is the phenomenon where an object that is previously mentioned in the discourse (a Topic) moves to the beginning of the sentence, and is doubled by a clitic agreeing with it in person, number, and gender. Because the acceptability of this word order depends on the previous discourse, this linguistic construction is evaluated at the interface of syntax and discourse. The Interface Hypothesis (Sorace & Serratrice, 2009; Sorace, 2011) argues that acquisition of such constructions present possibly insurmountable problems even in very advanced L2 speakers. I will discuss findings from Valenzuela (2005, 2006), Ivanov (2009), and Slabakova, Kempchinsky & Rothman (in revision), which demonstrate successful acquisition of Bulgarian and Spanish topicalization constructions. I will show that all these findings argue against a strong version of the Interface Hypothesis, and I will discuss why acquisition of this type is interesting to study.

研究論文
  • 柏木 明子, 中山 峰治
    2012 年 11 巻 p. 27-45
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    第一言語の文処理の研究においてはワーキングメモリが読解に様々な影響を及ぼすことが報告されている。本稿では、第二言語話者の日本語関係節処理に個人のワーキングメモリ許容量が影響するのかを論ずる。第二言語話者の主語、目的語関係節処理をDependency Locality Theory(依存関係の局所性の理論)とStructural Distance Hypothesis(構造距離仮説)に基づいて比較するとDLTを支持するという結果が得られた。第二言語話者をリーディング・スパン・テストで計ったワーキングメモリ許容量に基づいて二つのグループに分けると関係節文理解度ではグループ間の差異が主語関係節文にしか見られなかったが、読み時間では統計的に異なる結果が文中の異なる場所に見られた。従って、第二言語関係節処理においても個人のワーキングメモリが影響することが分かった。

  • 中村 智栄
    2012 年 11 巻 p. 47-58
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    本研究は日本人英語学習者の英語音声文理解におけるプロソディー情報の影響を実験的手法により明らかにすることを目的とする.実験では,音声文のプロソディー情報と統語構造を故意に対立させた「統語-プロソディーミスマッチ文」を用い,音声を聞いた学習者が主語の選択において文の統語構造上正しい回答をするか,プロソディー情報に基づいた回答をするかを検証した.さらに,同様の文にローパスフィルタ処理をした音声文を用い,音韻情報が減退しプロソディー情報が強調された音声文においてこの結果がどのように変わるかを分析した.結果として,日本人英語学習者の音声文理解においてプロソディー情報が重要な役割を果たしていることが示されると同時に,学習到達度が高い被験者ほど音声文理解においてプロソディー情報だけではなく語彙情報を用いた統語構造判断を行っている可能性が示された.

  • 横田 秀樹, アンドリュー ラドフォード
    2012 年 11 巻 p. 59-94
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

    英語のWh移動は,普遍的制約(例:Attract Smallest Condition, Chain Uniformity Condition)とパラメータ化された制約(例:P-Stranding Condition, Left Branch Condition)によって,目標要素(Goal)へのアクセスが制限されている。本研究では,日本人英語学習者(JLE)によって関連する制約がどのように習得されるのかを調べるために行った実験の結果を報告する。結果として,Goalへのアクセスを制限する普遍的制約は,習得初期段階にあたるJLEの中間言語文法においても機能しているが,一方で,パラメータ化された制約に関してはL1からL2への転移が初期の段階で現れる。これは,Full Transfer Full Accessモデル(Schwarz and Sprouse, 1994, 1996)を支持するものである。さらに,パラメータ化された制約の中には,JLEが再設定できるもの(例:P-Stranding Condition)もあるが,再設定できないもの(例:Left Branch Condition)もある。JLEは,学習可能な(すなわち,インプットからの肯定証拠のみに基づいて学習されうる)パラメータ化された制約は再設定できるが,学習不可能な(すなわち,肯定証拠だけでは学習できない)パラメータ化された制約は原則として再設定できないことを議論する。

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