Synthesiology
Online ISSN : 1882-7365
Print ISSN : 1882-6229
ISSN-L : 1882-6229
2 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
研究論文
  • - 活動セグメント固有カスケード地震モデルによる活断層の活動確率予測 -
    吉岡 敏和
    2009 年 2 巻 3 号 p. 194-200
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    活断層の過去の活動から将来の地震発生を予測するため、活断層を固有の活動繰り返しを持つ活動セグメントという単位に区分し、それぞれの活動セグメントがあるときは単独で活動し、あるときは隣接する活動セグメントが連動するという「カスケード地震モデル」を採用した。これにより、野外での調査結果に矛盾することなく、統一的な基準により活断層の将来の活動確率を評価することが可能となった。その成果を「全国主要活断層活動確率地図」として公表した。
  • - IH技術に対する調理システムの開発と普及 -
    久保 友香, 馬場 靖憲
    2009 年 2 巻 3 号 p. 201-210
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究は、induction heating(IH)技術の家庭への普及に関する実証分析により、企業と独立した多様なリード・ユーザーが先端技術を家庭へ普及・導入に貢献するモデルを提案する。大企業がIHを開発しても、家庭が導入するときは、調理道具またレシピ等、付随する調理システムが必要になる。活躍するのは異なった2タイプのリード・ユーザーである。技術に通じ技術の機能性を追求する論理的リード・ユーザーは機能性の観点から調理システムを開発する。一方、技術内容には関心が薄い感性的リード・ユーザーは製品価値に対する社会トレンドの影響に対して卓越した直観力を持っており、調理システムを魅力的にすることによって製品の普及に貢献する。今後、例えばロボットなどのように普及に成功していない先端技術を家庭へ導入するためには、既存技術にはない新しい価値を提示する必要があり、そのためには、産業また大学・公的研究機関が組織から独立した多様なリード・ユーザーと柔軟に連携し、製品を魅力的にすることによって普及を推進する必要がある。
  • - 究極のグリーンIT機器の実現に向けて -
    湯浅 新治, 久保田 均, 福島 章雄, 薬師寺 啓, 長浜 太郎, 鈴木 義茂, 安藤 功兒
    2009 年 2 巻 3 号 p. 211-222
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    不揮発エレクトロニクスによる究極のグリーンIT機器の実現を目指して、スピントロニクスの本格研究を行った。不揮発エレクトロニクスの中核となる大容量・高速・高信頼性の不揮発性メモリを実現するために、酸化マグネシウム(MgO)を用いた高性能の磁気抵抗素子とその量産技術を開発した。この技術を用いた超高密度ハードディスク(HDD)磁気ヘッドはすでに製品化され、現在究極の不揮発性メモリ「スピンRAM」の研究開発が精力的に進められている。
  • - 計量トレーサビリティの確立と計測器の性能評価 -
    阿部 恒
    2009 年 2 巻 3 号 p. 223-236
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    産総研で確立した微量水分の国家標準をもとにして、ガス中の微量水分測定の信頼性が近年になって飛躍的に向上した。その結果、従来の微量水分測定法の問題点が明らかになった。本稿では、微量水分測定の信頼性向上を目標に産総研が策定したシナリオ、世界的にも独自の方法による我が国の微量水分国家標準の開発、国家標準を産業現場につなぐ計量トレーサビリティ体系の整備、そして国家標準との比較測定によって明らかとなってきた市販計測器の課題を述べる。微量水分測定の信頼性の飛躍的向上により、産業現場で使われる高純度ガスの適確な評価が可能になった。
  • - X線非破壊検査におけるイノベーションを目指し -
    鈴木 良一
    2009 年 2 巻 3 号 p. 237-243
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    電子加速器の小型化及び省エネルギー化、乾電池駆動超小型電子加速器という産総研の有する要素技術と、企業が開発したカーボンナノ構造体電子源の技術を統合することによって、単三乾電池1個で駆動し、100 keV以上の高エネルギー高出力X線を発生でき、高精細なX線透過像を得ることができる実用的な可搬型X線発生装置の開発に成功した。本稿では、これらの要素技術について述べるとともに、各要素技術がいかに成果に結びついたかについて考察する。
報告
  • - 横幹連合・統数研・産総研合同ワークショップ -
    小野 晃, 持丸 正明, 木村 英紀, 鈴木 久敏, 北川 源四郎, 樋口 知之
    2009 年 2 巻 3 号 p. 244-252
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/01
    ジャーナル フリー
    狭い技術分野に限定した研究開発だけでは、社会や学問の現代的要請に応えられないとの認識が強まっています。2009年1月19日(月)産総研臨海副都心センターにて、産総研シンセシオロジー編集委員会、特定非営利活動法人横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所(統数研)の3機関が合同で、「学問と技術の統合」に関するワークショップを開催しました。構成的研究方法論の理解や促進のために、また各機関の研究上の理念共有のために、本ワークショップにおける6名の講演概要を紹介します。
編集委員会
feedback
Top