低圧でセルローズ粉末をモールド成形して800℃ に炭化させた材料に, プロピレンを700℃ で浸透, CVD処理 (Chemical Vapor Deposition) して作った複合体を1000~2400℃ 間の種々の温度で熱処理した。浸透速度はその度の開いた多孔度に支配された。曲げ強さ, 弾性率, クヌープ硬度, 電気比抵抗は, 試料の見掛密度
dと, Y=
a・
dbという関係にあった。熱膨脹係数 (CTE), 耐摩耗性, 耐酸化性は浸透時間と共に増加し, 表面積は浸透初期に急に減少した。熱処理温度は, 試料の特性を大きく変化させたが, 処理温度上昇と共に単純増加又は減少することはなかった。比較のために, 最密のものとしてのglassy carbon製品を測定した結果, CTEや酸化速度は, この複合体の方が低く, 曲げ強さや比抵抗は相似, 弾性率, 耐摩耗性, 硬度はglassy carbonの方が大きかった。
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