マーケティングにおけるサービス品質の測定尺度は、SERVQUALを中心に発展してきたが、さまざまな課題が残されたままである。また、多くの応用モデルが提案されているものの、実務で注目されているモデルや、しばしば指摘される非対称非線形性の課題に取り組まれた研究は少ない。そこで本研究では、差異得点を用いる原著のSERVQUAL モデルを測定モデルの観点から見つめ直し、非対称非線形性を考慮すべき理論的背景や、実績尺度を用いるモデルとの役割の違いについて議論する。さらに、プロスペクト理論に基づく非線形測定モデルを提案し、実証分析の結果やモデルの解釈から、消費者によって評価される知覚サービス品質のより良い理解を提供する。