核拡散の問題とともに、高速炉導入の時期によってはプルトニウムが余剰に蓄積する場合がありうる。これらの問題を解決するため、本研究では、「余剰プルトニウムを燃焼しつつ、低濃度
233U 燃料を生成する炉心」と「生成された低濃度
233U 燃料を使用する炉心」を組合せた核燃料サイクルの概念を構築することを目的とした。このサイクルは、「プルトニウム等の核燃料物質を単体でできる限り抽出ないし移動しない」ことにより核拡散抵抗性を備えた、トリウムを利用する高速炉導入の代替オプションである。既存の軽水炉8基とトリウムを用いる炉心4基、
233U燃料を用いる炉心1基を組み合わせることで、余剰プルトニウムを蓄積することなくサイクルを継続できることが分かった。
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