人工ダイヤモンドを用いた14MeV中性子エネルギースペクトロメータの実用化に向けて、結晶合成及び各種評価を行っている。今回、産業技術総合研究所で合成された1cm
2大のCVD単結晶の電荷輸送特性について報告する。この結晶は高品質大型基板用途を目的としてメタン濃度10%で合成されたものである。結晶は偏光顕微鏡で確認可能な歪みがあるものの、高品質の証であるカソードルミネッセンス測定では強い自由励起子発光が確認されている。
241Amα線源を用いた結晶のα線応答測定の結果、電荷収集率は最大60%であった。また、UVパルスレーザーを用いた飛行時間法によって飽和ドリフト速度を測定した結果、7.72x10
5V/mの電界強度において、5x10
6cm/secのドリフト速度を記録し、これまで北大で測定した自立膜では最速のドリフト速度を持つことがわかった。
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