高速炉発電システムとして有望な超臨界CO2タービンサイクル開発において最重要課題の一つであるターボ圧縮機の性能及び健全性を明らかにするために、超臨界CO2を作動流体とする小型遠心圧縮機の開発研究を行っている。これまでに圧縮機試験体及び試験ループの製作を完了した。この圧縮機試験体の設計・構造・予測性能につき報告する。入口温度は35℃、入口圧力は6.8MPa、圧力比1.1倍(出口圧力7.48MPa)、流量5kg/s、回転数3,600rpmである。インペラーは片持ち、外径は110mmで、駆動用電動機と共にケーシングに納めたキャンド形式である。軸受けはガス軸受け、回転子には永久電磁石を使用した。インペラーの諸元は、圧力係数、比速度、流量係数がそれぞれ妥当な値となるように決定した。設計点での予測効率は65%である。ここから、流体損失及び衝撃損失を差し引いて予測性能曲線図を作成した。
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