教師学研究
Online ISSN : 2424-1598
Print ISSN : 1349-7391
23 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 有井 優太
    2020 年 23 巻 2 号 p. 31-41
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/16
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,学校の置かれた文脈や組織構造に即して校内授業研究における教師の関係性を検討し,その中で中心的な役割を果たしているリーダーを特定するために公立小学校1 校を対象とした事例研究を行った。具体的には以下2つの研究を行った。まず,研究Ⅰでは,校内授業研究に関する相談を誰にするのかを尋ねる質問紙調査を行った。そして,社会ネットワーク分析の手法を用い,ⅰつながりの多さ,ⅱつながりの強さという観点からネットワーク内で中心的役割を果たしているリーダーを特定した。次に,研究Ⅱでは,研究Ⅰで中心的役割を果たしていると特定されたリーダーを対象としたインタビュー調査を行い,相手による相談内容の相違を検討した。 研究Ⅰ,Ⅱの結果から,学校外から教科の専門知を学校内に循環させている役割を果たしているリーダーとして外部団体に所属する教師と教科部会のリーダーが特定された。また,校内授業研究として教師集団が協働して研鑽することを支える役割を果たしているリーダーとして研究部の教師と在校年数の長い教師が特定された。
  • 鈴木 康美
    2020 年 23 巻 2 号 p. 43-53
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/16
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:指導的立場にある看護師が行う看護実践のリフレクションの支援の実際と、その支援を受けた看護師と支援者との相互の変化を、Senge の学習する組織の観点で検討する。研究協力者・方法:研究協力が得られたA 大学2 病院のリフレクションを複数回以上支援した指導的立場にある看護師8 名、インタビューガイドを基に半構造化面接を行い、逐語録M-GTA を用いて質的帰納的に分析した。分析結果:【安心して看護を語る場】、【共に看護を探求する】の2 コアカテゴリー、8 カテゴリー、30 概念が抽出された。リフレクションの支援者は、【安心して看護を語る場】を目指して、《ポジティブフィードバックの理解と活用》、看護師の《精神的負荷を軽減》を重視した関わりが行われた。結論:看護実践のリフレクションの支援として、看護師一人一人がより深いリフレクションでの気づき、学びが得られる支援と共に、学習する組織につながる組織を俯瞰した視点が求められている。
  • 村上 正昭
    2020 年 23 巻 2 号 p. 55-62
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/16
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,学校管理職へのキャリア形成における諸要因の影響関係を,副校長に対するインタビュー調査に基づいて検証することである。それにより,教員組織における学校管理職へのキャリア形成を取り巻く課題解決に向けて,有効な糸口を導く。研究にあたって,まず,学校管理職を中心とした教員のキャリア形成に関する研究の動向,キャリア形成における諸要因の影響に関する先行研究を概観した。次に,学校管理職へのキャリア形成に係る諸要因の影響関係は明らかにされていないという課題を見いだした。そこで,副校長へのインタビュー調査を行い,その結果に対して修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析を行った。そして,副校長は,学校管理職へのキャリア形成の過程で自分だけの一皮むける経験を通して,コミットメントを認識するとともに,キャリア・アンカーを獲得しているという結論を導くことができた。
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