従来から重質油の有効的な採収法として,油層内燃焼法(火攻法)が注目されてきたが,現場実験を行うためには多額の費用,設備がかかるため,その前段階の予備的研究として数値モデルによる計算実験の重要性が増してきている。しかし,火攻法にけるメカニズムを厳密にモデル化するためには,その燃焼過程が極めて複雑であるために厳密には三次元三相流多成分モデルを必要とするかもしれない。しかしながら,これまでの数値モデルとしては,メカニズムの単純化を行い,近似的に取り扱う簡便なモデルが開発され研究が進展している。
本研究では,流体流動,伝導および対流による熱移動,気化および液化をモデリングし,現実問題に沿ったシミュレーションがある程度まで可能な数値モデルの開発にあたった。すなわち,COATSの蒸気圧入モデルに使われた理論を基にし,燃焼現象に関連ある4つの化学反応を取り扱うことができるような一次元三相流七成分系モデルを試作した。本論文ではまずモデルの説明がなされる。その後いくつかの計算研究が行われ,その結果若干の知見が得られている。
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