石油技術協会誌
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60 巻, 3 号
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  • 姜 周明, 甘 勝逸
    1995 年 60 巻 3 号 p. 199-209
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/03/27
    ジャーナル フリー
    坑井掘削時に遭遇するキックは, その対応方法を誤ると暴噴といった大災害につながる重大なトラブルである。キックの研究や現場での作業の補助にシミュレータが広く使われている。坑井抑圧作業をシミュレートする手法としては, いろいろな手法が用いられているが, その精度は泥水と侵入地層流体の混合流のアニュラスでの挙動をいかに正確に解析できるかに依存している。初期のモデルでは, 坑内に侵入したガスを独立した1つの塊と仮定した steady state 解析が最も広く使われていた。しかし, これらのモデルは非常に簡略化されたモデルであったため計算時間は短いが実際の坑井抑圧時の結果とはあまり一致しなかった。Pseudosteady state 解析では, ガスと泥水の混合物を連続した一塊のスラグと考える点では改良がみられるが, 地層から坑内へのガスの侵入の過程については考慮されておらず, 十分な精度が得られなかった。一方, transient 解析は, 精度は高いが現場での使用に対しては計算時間が掛かりすぎて不適当である。本研究では, pseudosteady state 解析と transient解析を組み合わせることによってこれらの問題点の解決を図り, 現場でより正確なシミュレーションができるモデルの開発を目指した。つまり, 坑井が密閉され地層圧力と坑底圧がバランスするまでについては transient解析を, その後については pseudosteady state解析を行うというモデルを採用した。文献に発表されている transient 解析を用いた Nickens のモデルの結果との比較を行い, 今回開発したモデルを検証した。また, ドリラーズ法, および, ウエイトアンドウエイト法についての比較検討を本モデルの実証のために実施し, その例も示した。さらに, 各パラメータの抑圧作業への影響についてドリラー法を使用した解析も行った。その結果, アニュラスの圧力に対して, 地層圧と坑底圧の差, および, 地層の浸透率と掘進率の影響が大きいことが判明した。
  • 山口 伸次, 秋林 智, 林 叔民
    1995 年 60 巻 3 号 p. 210-217
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/03/27
    ジャーナル フリー
    コールベッドメタンガスとは, 石炭層を母岩かつ貯留岩として石炭層中の微細孔隙内に吸着するか, あるいは石炭中の一次孔隙や割れ目などに遊離ガスあるいは溶解ガスとして存在する非在来型天然ガスの一種である。コールベッドメタンガスは, 広く世界に分布するとともに, メタンを主成分とするため燃焼時に発生する二酸化炭素その他の量が他の化石燃料に比べて少なく, エネルギー資源の分散化および地球環境保護の両面からその開発が注目されつつある。
    筆者らは, 石炭層内のコールベッドメタンガス移動を模擬する三次元二相数値モデルを作成し, 単一坑井および複数坑井からのガス産出挙動特性を解析してきた (山口ら, 1992; 山口ら, 1993)。
    これらの研究を基に, 本論文では, 同数値モデルを用いて実際にあるコールベッドメタンガス田の生産井のガス生産量に関するヒストリーマッチングスタディーを行い, 同数値モデルがコールベッドメタンガス産出挙動予測モデルとして有効であることを明らかにするとともに, 同ガス田の諸貯留層パラメータ値を推定した。さらに, ヒストリーマッチングで得られた貯留層データの推定値を基に, ヒストリーマッチング最終時点の坑底圧を一定と仮定し, ヒストリーマッチング最終時点の状態を維持した場合, 坑井ダメージの除去を行った場合, 水圧破砕を行った場合の3ケースにつき, 同生産井からの10年間のガス産出挙動を予測し, 坑井刺激策がガス生産量増大に有効であるとの結論を得た。
  • 境野 衛
    1995 年 60 巻 3 号 p. 218-227
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/03/27
    ジャーナル フリー
    One of the most important subjects accomplished in our production operations is the achievement made in handling produced water upstream of crude processing. Consequently, we have managed to achieve a stable production.
    The El Bunduq oil field is situated on the offshore boundary between Abu Dhabi (United Arab Emirates) and the State of Qatar in the Arabian Gulf. The crude oil is produced offshore and transported to Das Island which is 26km away from the Bunduq field. In 1983, oil production was resumed by water flooding under our secondary recovery. Since 1988, the water cut has been increasing considerably, and in order to overcome this problem, we installed a production separator for carrying out dehydration on the offshore platform. In 1990, a disposal well was drilled to be used for injecting the produced water into an aqueous formation. In 1993, we started to re-use an old redundant 16″ Main Oil Line to re-transfer the produced water from Das Island to offshore facilities for handling offshore. During 1994, while endeavoring to solve the problems related to produced water, we carried out a retrofit in the production separator and optimization of injecting emulsion breaker.
    As a result of our efforts, 99% of produced water is now handled offshore without any problems enabling us to maintain a plateau of oil production for the last seven years.
    In this paper, the following referred topics are related to produced water;
    (1) Maximization of crude oil recovery at crude processing plant
    (2) Decrease of operating pressure due to low well flowing pressure
    (3) Prevention of hydrate formation
    (4) Reduction of scale precipitation
    (5) Corrosion protection for downstream facilities
    (6) Working ratio
  • 1995 年 60 巻 3 号 p. 228-242
    発行日: 1995年
    公開日: 2008/03/27
    ジャーナル フリー
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