教授学習心理学研究
Online ISSN : 2424-1725
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4 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 4 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2008 年 4 巻 2 号 p. Toc1-
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
  • 舛田 弘子
    原稿種別: 本文
    2008 年 4 巻 2 号 p. 61-70
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    本研究は,説明的文章の読解に及ぼす「観点」の影響を調べたものである。調査1では,被験者は,説明的文章について,要約文と意見文を書くよう教示された。要約文によって読解内容が,意見文によって観点が測定された。主な結果として,要約のIUと連接関係から,文章の拾い読みを行っている可能性のある読者が,全体の半数程度であることがわかった。また,適切に読解を行った群の方が主旨をよりよく記述していたのに対し,不適切な読解を行った群では,道徳・教訓的などの不適切な観点を示す傾向があった。調査2では,被験者は,調査1と同じ文章について,著者の意図を回答するよう教示された。この課題によって,文章の理解を促進させることが意図された。結果として,適切な読解を行った群は6割未満であり,この課題に適切な読解を行わせる有意な効果はなかったことが示された。しかしその中で適切な読解を行った群は,不適切である群と比べて,観点数が少なく,観点の質では,より適切であることが示された。これらの結果から,「説明的な文章の読解の不適切さ」は,「形式的・事実確認的な読み」に失敗したために,読者が自分なりの不適切な「観点」,例えば「Moral Reading Schema:MRS」などを多用したことの結果として生じたと考えられる。
  • 佐藤 淳
    原稿種別: 本文
    2008 年 4 巻 2 号 p. 71-84
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    同値のルール(p≡q)の適用を促進する方法のひとつとして,ルールを支持しない命題の妥当性が低いことを,ルール命題と対比的に教示していくマトリックス法が提唱されている。しかし,これまでの研究により,「擬似例外」(実際にはルールの例外ではないが,学習者が誤って例外と捉えている現象または事例)が具体的に想起された場合は,マトリックス法の効果が減ぜられることも明らかになっている。本研究では,この問題点への対処法の効果が検討された。2つの実験を通して,これまでのマトリックスによるルールの解説に加え,そのマトリックスを利用して「擬似例外」の正事例化(「擬似例外」が,一見例外のように見えても実はルールの正事例となる理由を説明する手続き)を行うことが,ルール命題の適用範囲の拡大をいっそう促進することが示された。そして,この対処法を含むことで,「擬i似例外」を正事例と見直す傾向が強まる可能性が示唆され,また「擬似例外」がなお想起されている場合でもマトリックス法の有効性が減じられない可能性もあることが示唆された。
  • 有竹 真人, 蒔田 俊介
    原稿種別: 本文
    2008 年 4 巻 2 号 p. 85-92
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    チューリップは普通球根を植えることが多いため,チューリップにたねはできないと考える学習者が多い。麻柄(1990)はたねができるにもかかわらず球根を植える理由を説明することで,このような誤概念が修正されやすくなることを明らかにした。しかしその効果はチューリップに限定的であり,ヒヤシンスやジャガイモに関してはたねができないという判断が残った。本研究では麻柄(1990)の説明に加え,植物は種子で増える植物(種子植物)と,胞子で増える植物(胞子植物)の2種類からなるという分類枠組みを提示することの効果を検討した。その結果,チューリップに限定されず,ヒヤシンスやジャガイモ等にもたねができるという判断が大幅に増えた。「分類枠組み」と「チューリップではたねができるにもかかわらず球根を植える理由」の説明がそれぞれ学習者の思考プロセスをどう援助しているかを考察した。
  • 知久馬 義朗, 中馬 和彦
    原稿種別: 本文
    2008 年 4 巻 2 号 p. 93-113
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    流通経済史の基本的法則の学習テキストを開発した。構成にあたっては,言葉の操作,生活者の体験,科学者の体験の3要素の充足と有機的関連づけに配慮した。授業の結果,ほぼ全員が法則を問題解決に正しく適用できるようになったことが確かめられたが,自発的な仮説検証的活動の成立までは認められなかった。生活者の体験については,所期の期待通りに,日常生活の延長線上にある体験を全身的活動として行うことで,問題解決に必要な前提を造り出せることが確認された。言葉の操作については,法則の適用と使い分けに習熟する問題演習の必要性が示唆された。科学者の体験については,法則の正しさを直接支えるデータ群の処理に関わるだけでなく,全身的活動を通して子どもたちが雑多なデータ群を効率よく獲得できることが重要と考えられた。
  • 作間 慎一
    原稿種別: 本文
    2008 年 4 巻 2 号 p. 114-128
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    文学作品について学習者が当初にもったアスペクトが新しいアスペクトに転換することを学習目標に設定する意義と,その実現のための指導法について検討した実践研究である。詩『鹿』(村野四郎)に当初のアスペクトをもった小学6年生に対して,新しいアスペクトに関わる,詩句の意味と枠組みを提供した上で,未教示の詩句の新たな意味の発見を働きかける指導を2授業時間行った。授業において一部の詩句の新たな意味を発見できたことと,授業後の感想では,新しいアスペクトを得たと思われる記述が多数みられたこと,本詩や詩を学ぶおもしろさがあったとの記述が少なくなかったことなどの結果を得ることができた。今回,目標の達成と指導の適切さを検討するためのデータ収集の不十分さがあったが,文学作品の指導においてアスペクトの転換を目標にしたことの意義と,その指導法として,作品理解に関わる枠組みの提示と,それによる詩句の意味の発見を働きかける効果について一応明らかにすることができたと思われる。
  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 4 巻 2 号 p. Cover2-
    発行日: 2008年
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
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