現代監査
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最新号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 公認会計士と税理士に相克はあるのか
    八田 進二
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 11-17
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
  • 会計専門職の制度的基盤(独立性を中心として)
    坂本 孝司
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 18-26
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
    公認会計士(米国)と税理士(日・独)は,その制度的基盤(英米法,大陸法)が異なり,専門性(監査,税務)にも相違がある。両専門職は,一卵性双生児ではなく,二卵性双生児として理解するべき関係にある。公認会計士は監査先に対する非証明業務の同時提供が禁止される。また,擁護者の立場で税務業務を行うため,税務書類の信頼性を証明する制度は存在しない。他方,税理士は,すべての業務において独立性の保持が求められ,仲裁者としての立場で業務を行 うため,税務監査業務が認められている。  両専門職は,会計専門職「全体」の社会的存在価値を高めるため,相互の専門性を正しく認め合う必要があり,今後拡大するであろう保証業務領域については,両専門職の積極的な協調・共同が求められる。研究者によるこの領域に関する理論構築も不可欠である。その先の将来において,両専門職の試験の相互乗り入れ等があり得るのかもしれない。
  • 小俣 光文
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 27-37
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
    本稿は,公認会計士試験と税理士試験がこのようなプロフェッションとしての特質を備えた人物を選抜できる制度となっているのかを,受験資格,試験科目,試験免除制度,登録要件の観点から考察し,どのような課題があるのかを明らかにすることを目的とするものである。  考察の結果,試験制度の観点から以下の課題があることが指摘できる。 ・ 両試験とも試験内容を今後の会計プロフェッションとして必要な知識を有しているかを測ることのできる試験内容に変革していく必要があるのではないか。 ・ 監査業務からの離職については,公共の利益の実現への貢献や,職業倫理の重要性といった教育を受けずに公認会計士になる者が多いことが一因ではないか。 ・ 会計士試験については,顕著な若年会計士が存在しうる試験制度となっており,公認会計士は十分な実務経験を有しているという社会の信認を損なうことにはならないのか。
  • 松本 祥尚
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 38-49
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
     1997年にアメリカにおいて提案された保証業務は,その後,国際会計士連盟(IFAC)で基準化が図られ,わが国にも2004年にその枠組みが導入された。保証業務の意義としては,当該業務に3当事者が存在することや証拠の入手と評価,ならびに当該確信に基づく結論の表明といったインプット面を強調して定義するIFACやわが国に対して,情報の質や内容の改善によって想定利用者の意思決定の改善を図るといった業務のアウトプットの局面に着目して定義するAICPAのものがある。本稿では,税法上,税理士等に認められた申告書に対する書面添付制度が,このような保証業務の枠組みで捉えられる可能性を明らかにしている。
  • 公認会計士の立場から
    濵田 善彦
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 50-61
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
     サステナビリティ情報に対する保証業務は,財務諸表監査と同様にリスクアプローチに基づく業務である。信頼に足る保証を提供するためには,独立性や品質管理体制,リスクアプローチに関するスキル,主題情報に対する知識が必要であるが,現状の法定監査人は主題情報に対する知識の習得が課題であり,日本公認会計士協会においても関連する取り組みを開始している。  実務的にも法定監査人がサステナビリティ情報に対する保証業務を提供することにより,双方の業務の有効性の向上,効率性の向上が期待でき,工数負担としても法定監査人が担う余地は十分にあると考える。  最後に,サステナビリティ情報は必ずしも過去の定量情報に限定されないことから,それらの保証可能性について検討し,制度保証となった場合の課題を提示することにより,今後も実務の醸成を期待する。
  • 蟹江 章
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 62-70
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
  • 兼田 克幸
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 71-82
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
    内部統制報告制度を巡っては,内部統制の評価面及び内部統制報告書の開示面で多くの課題があり,制度の形骸化が指摘されている。また,とりあえず「有効」と評価しておき,後日,会計不祥事等が発覚し内部統制の有効性が否定された場合には,訂正内部統制報告書を提出すればよいという安易な評価姿勢が見られる。この点は,特に深刻な課題である。  制度の実効性を高めていくためには,「経営者による内部統制の無効化リスク」に対応するため,取締役会及び監査役会などが制度に深く関与し,経営者に対して牽制機能が働くガバナンスの仕組みを構築することが必要である。  制度の形骸化が生じている要因の一つとして,内部統制報告書の重要な虚偽記載に対する制裁措置(エンフォースメント)が十分でない点を挙げることができる。有価証券報告書の虚偽記載罪と内部統制報告書の虚偽記載罪との併合罪の追求,内部統制報告書の虚偽記載に係る課徴金制度の導入,内部統制報告書に重要な虚偽記載があった場合の有価証券上場規程(ソフトロー)による市場規律の強化について,検討されることが求められる。
  • 岡野 泰樹
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 83-91
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー
     近年,非財務情報の開示・保証の重要性は世界的に高まっており,それらを支える内部統制の重要性も今後ますます高まることが予想される。2023年の内部統制基準等の改訂における,内部統制の目的に関する変更(財務報告の信頼性から報告の信頼性への変更)は,制度として新たに企業に非財務情報の報告に係る内部統制の構築を求めるものではない。しかし,非財務情報の重要性の高まりに鑑みると,企業は報告の信頼性に変更されたことの意義を積極的に捉え,自発的に非財務情報の報告に係る内部統制の構築に取り組んでいくことが求められる。そこでは,財務報告に係る内部統制への取り組みの経験を活かしつつ,自社との直接的な結びつきが薄い組織にも目を向けた組織構造の確立や,より広い範囲・時間軸をカバー可能なリスク評価とそれに応じた統制活動の設計,専門性を備えた人材の確保といった課題に対応していく必要がある。
  • 最高経営者と内部監査の関係の視点から
    蓮沼 利建
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 99-109
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/22
    ジャーナル フリー
    本稿は,最高経営者と内部監査の関係の視点から,内部監査の監査対象のあり方を通じて,モニタリング・モデルにおける内部監査の組織内の位置付けを明確にすることを研究目的とした。  内部監査の監査対象は,主に組織体全体のリスク管理プロセスであるが,最高経営者は内部統制の有効性の確立のためのコンサルティングを求めるので,内部統制の業務プロセスの有効性を評価する内部統制評価部門が,最高経営者直属になる。  一方,「内部統制の手続の無効化」が不正の大きな要因であり,最高経営者作成の経営方針・経営計画や組織体全体の適法性も内部監査の監査対象とすることが必要で,これらの評価(アシュアランス)により,内部監査は取締役会の監督機能に貢献することになると考える。  したがって,「最高経営者直属の内部統制評価部門」とは別に,「取締役会直属の内部監査部門」を,独立社外取締役の取締役会議長のもとに位置付けるべきである。
  • 藤原 英賢
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 103-113
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/22
    ジャーナル フリー
     サステナビリティ情報に対するニーズが高まる中,我が国では2023年3月期から有価証券報告書等でサステナビリティ情報の開示が始まった。様々な開示の枠組みが提案されている中,本稿では,サステナビリティ情報の保証業務実施者に求められる要件について検討した。サステナビリティ情報の開示枠組みにおける共通の課題は,情報の信頼性をどのように担保するのかにある。我が国でのサステナビリティ情報の保証の枠組みは,今後検討されることになっている。ここで は,IAASBが公表したISSA5000EDをもとに保証業務実施者に求められる独立性と品質管理の要件を検討した。  重厚で厳格な倫理や品質管理に関する基準は,保証業務実施者に求められる要件の厳しさを示すが,それを遵守しているかどうかに関する利用者の疑問に解答を出すものではない。こうした基準だけでは想定利用者の保証業務実施者への期待に応えられない。保証業務実施者が保証業務実施基準で求められる要件を満たしていることを保証する仕組みが必要である。独立性と品質管理への信頼を高めるために,外部からのレビューは重要である。
  • 中村 元彦
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 114-125
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/05/22
    ジャーナル フリー
     2023年4月に企業会計審議会から「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務 報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」が公表され, その中でダイレクト・レポーティング(以下,「DR」という)は中長期的な課題として採用は実 現しなかった。企業側のコスト,監査人のリソースを要因としているが,制度の観点からは導入 のベネフィットとコストの十分な検討が必要である。  本稿では,米国のDRの経緯を述べるとともに,日本にDRが採用されなかった理由及び現状 のインダイレクト・レポーティングへの批判を検討する。また,米国・日本の内部統制監査の両 方に関わっている大手監査法人(3法人)の公認会計士へのインタビューを実施し,適用範囲, 内部統制の評価(業務プロセスの評価・情報の信頼性)という観点から両者の相違を中心に整理 するとともに,DRの導入への今後の方向性について検討している。
  • 堀古 秀徳
    2024 年2024 巻No.34 号 p. 128-136
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/08/14
    ジャーナル フリー
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