本研究は,病棟勤務女性看護師の職業性ストレスの低減に資する新たな知見の発見を目的に,無記名自記式質問紙郵送調査を実施,職業性ストレスと「組織に対する認識」の関連を解析した(回収率29.9%有効回答率71.9%解析対象者215人).
解析の結果,①「組織に対する認識」の違いにより全体が4群に分類され,②この4群間で職業性ストレス簡易調査票の仕事のストレス要因,ストレス反応,修飾要因の各下位尺度得点の平均値に有意差があり(p<0.05),③重回帰分析の結果,各群で下位尺度間の関連を示す回帰式(R2>0.3)が異なっていた.就労者が自らの組織を合理的な組織管理がなされていると認識しているか否か,伝統,習慣,方針を強制されると認識しているか否か,この組み合わせによる就労者の「組織に対する認識」の違いにより同じ仕事のストレス要因から異なった心身のストレス反応が導かれ,「組織に対する認識」の把握の職業性ストレス低減に対する有用性が実証された.
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