体育大会・音楽会という中学校の行事に向けて行う練習過程において, 生徒間に見られるかかわり(①), 生徒が認知するクラスの様子(②), 生徒の他尊感情(③)の変化を検討した。①と②に関しては, 毎回の練習後に実施した「振り返り調査」における生徒の記述を分析した。①については「パフォーマンス改善」「内省・反省」「他者の受容・モデル化」, ②については「ポジティブ」「ネガティブ」というカテゴリが得られた。他者の受容・モデル化が内省・反省よりも多く記述された時はクラスの様子がポジティブであり, その逆の時はネガティブであった。また, 基本的には, 教師による「見守り」「振り返り内容のフィードバック」という支援が継続されていたが, クラスの雰囲気が大きくネガティブに偏った際に, 教師からの強い介入もあった。こうした過程に対応するように, 自記式質問紙調査で継時的に収集した他尊感情尺度得点(③)は上昇した。
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