応用教育心理学研究
Online ISSN : 2436-6129
Print ISSN : 0910-8955
34 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 長屋 裕介
    2017 年34 巻1 号 p. 3-16
    発行日: 2017/11/30
    公開日: 2023/02/13
    ジャーナル フリー
    本調査では,海外で子育てを行う保護者に対する日本からの効果的な支援を構築する前段階の探索的な研究として,海外における子育ての現状と課題に加え,海外に存在するメンタルヘルス資源について捉えることを目的とする。海外に滞在もしくは滞在経験を持つ母親3 名にインタビュー調査を行い,質的データ分析法を用いて分析を行った。その結果,海外,日本人学校,母親コミュニティ,帰国,母親の5 つのテーマが得られた。海外にあるメンタルヘルスにおける内的・外的資源を整理,検討した上で,保護者が海外で生活する中で生じる,見通しの持てなさ,喪失の体験,脆弱で閉鎖的なコミュニティといった課題が見出された。海外において相談資源が限られている中で,日本からの支援に関しては,現地にある内的・外的資源を高めることを念頭に置くとともに,継続的な関わりや学校と保護者を繋げる支援の必要性が示唆された。
  • 木村 直子, 田村 隆宏, 谷村 宏子
    2017 年34 巻1 号 p. 17-26
    発行日: 2017/11/30
    公開日: 2023/02/13
    ジャーナル フリー
    本研究は,理論と実践より項目を精選した「保育実践力スタンダード(子どもとの関わり編)」を尺度化することを目的とする。尺度作成にあたっては,養成段階にあり実習を終えた学生を対象にアンケート調査を実施し,尺度の信頼性及び妥当性の検討を行った。主成分法,プロマックス回転による探索的因子分析を実施した結果,3 因子67 項目を抽出した。さらに尺度の妥当性や信頼性を確認するため,信頼性分析や基準関連妥当性の検討を行った。その結果,「保育実践力スタンダード(子どもとの関わり編)」は,「実践に必要なコミュニケーション力」「保育を計画する力」「保育を発展的に展開する力」の3つの構成概念からなる67 項目で測定することが有効であることが示された。
  • 中川 優子
    2017 年34 巻1 号 p. 27-40
    発行日: 2017/11/30
    公開日: 2023/02/13
    ジャーナル フリー
    体育大会・音楽会という中学校の行事に向けて行う練習過程において, 生徒間に見られるかかわり(①), 生徒が認知するクラスの様子(②), 生徒の他尊感情(③)の変化を検討した。①と②に関しては, 毎回の練習後に実施した「振り返り調査」における生徒の記述を分析した。①については「パフォーマンス改善」「内省・反省」「他者の受容・モデル化」, ②については「ポジティブ」「ネガティブ」というカテゴリが得られた。他者の受容・モデル化が内省・反省よりも多く記述された時はクラスの様子がポジティブであり, その逆の時はネガティブであった。また, 基本的には, 教師による「見守り」「振り返り内容のフィードバック」という支援が継続されていたが, クラスの雰囲気が大きくネガティブに偏った際に, 教師からの強い介入もあった。こうした過程に対応するように, 自記式質問紙調査で継時的に収集した他尊感情尺度得点(③)は上昇した。
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