大正十年三月十四日拂曉本会々頭理学博士飯島魁先生腦溢血症を以て千駄ヶ谷の邸に薨去せらる鳴呼悲しいかな
顧みれば明治四十五年五月初めて本会の設立せられしは実に先生の主唱に係る所にして爾来茲に十星霜を閲し会運漸次隆盛を致し其の基礎の漸く固からんとするに至りしは一に先生の周到懇篤なる指導の賜に外ならず而して今後本会が益々健全なる発達を遂け本邦烏学の確立を期するに於て尚先生の指導に俟つもの実に尠からず、而るに今や卒然として先生の計に接す, 吾人茫然として其の爲す所を知らざるなり
然れども静に惟へば本会のとるべき途は将に先生が本会を創立せられたる遺志と学に殉じたる意氣とを体し不断の努力を以て鳥学の発達に貢献するにあるべし. 吾人は誓って此の一事を以て先生の英霊を安んぜんことを期すべし
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