育種学研究
Online ISSN : 1348-1290
Print ISSN : 1344-7629
ISSN-L : 1344-7629
3 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 古賀 重成, 生井 兵治
    2001 年 3 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
    他殖性植物であるニンジンの採種においては, 花粉媒介昆虫の花傘への来訪が不可欠である.そこで, 本研究では自然受粉条件下のニンジンF1種子採種圃場内における花粉媒介昆虫による送粉距離を風向や風速との関連で追究し, 交雑品種種子の効果的な採種栽培方法について考察を加えた.材料は, 根色が橙色に対し遺伝的に優性である黄色系個体3株を中央にまとめて植えて花粉親とし, それを中心に東西南北を基本とした放射状の8方位の畝に, 0.5m間隔で橙色系個体を12株ずつ種子親として配置した.橙色系の種子親は1次側枝8花傘に整枝し, 受粉は自然の花粉媒介昆虫によるものとした.開花期間中は東風が最も多く, その平均風速は2.5m/secで, ニンジン花傘を訪れた訪花昆虫はヒラタアブ類が最も多かった.中央の黄色系の花粉親に近い各方位の種子親5株ずつ (花粉親から各2.5mの距離まで) について, 黄色系花粉親と開花が同調した2花傘, 計10花傘から花傘ごとに採種し, 結実種子の次代検定を行った.育成したニンジンを播種後74日目に抜き取り, その根色から中央の黄色系花粉親との自然交雑率を調査した.その結果, 中央に位置する黄色系花粉親から0.5mと隣接する橙色系種子親の示す交雑率は風向きと直角の南・北ではそれぞれ61.4%, 82.8%と高かったのに対し, 東・西ではそれぞれ36.9%, 4.8%と低く, 風下にあたる西が最も低かった.また, 中央から1.5m以上離れた橙色系種子親の交雑率は, いずれの方位でも5~6%と極めて低かった.以上の結果から, ヒラタアブを主な花粉媒介昆虫とする地域のニンジン採種圃場内における花粉流動は主に風向と直角方向の隣接株間で行われることが明らかとなった.よって, 雄性不稔などを利用したF1種子の採種圃場において採種量を増加させるためには, 花粉親と種子親の畝幅ばかりではなく, 採種地における花粉媒介昆虫の種類と, それらの風向・風速に対する飛翔行動などに配慮した上で畝の方向を決定する必要があり, ヒラタアブを主な花粉媒介昆虫とする採種地では, 畝を風向と平行に配置することを基本にすべきであると考えられた
  • 岡本 吉弘, 木下 厚, 佐竹 徹夫
    2001 年 3 巻 2 号 p. 87-94
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
    温度は植物個体や培養組織の生育を左右する重要な要因である.イネの葯は一般に25~28℃ の範囲内の恒温条件で培養されているが, 植物個体はしばしば昼夜恒温条件より昼夜変温条件でよい生育をする.本研究ではこのことに着目して, イネの葯培養効率に対する昼夜変温の効果を検討した.生理的に均質な葯を供試するため, ポットに密植栽培した主稈穂の特定穎花から1核中期~後期の花粉を含む葯を採取し, 1区当たり1000葯前後を培養した.水稲品種「キタアケ」を用いて液体培養で小胞子由来のカルスを誘導した結果, 昼夜変温区 (昼30℃/夜20℃) の葯当たりカルス形成率は昼夜恒温区 (昼25℃/夜25℃) のそれに比べて明らかに高かった.カルス形成率を向上させる昼夜変温の効果は, 「きらら397」, 「ゆきひかり」, 「彩」の3品種でも認められ, さらに液体培地だけでなく寒天培地でも認められた.脱分化期の昼夜変温はカルス形成率を高めただけでなく, 昼夜変温下で形成されたカルスはアルビノ個体の発生が少なかった.一方, 個体再分化期の昼夜変温は緑色個体再分化カルス率を増加させた.カルス誘導から個体再分化までの全期間を昼夜変温で培養することにより, 葯当たりカルス形成率, 緑色個体再分化力ルス率および葯当たり緑色植物再分化率は, 品種および年次を込みにした6回の実験の平均値で, それぞれ96%(昼夜恒温区の1.6倍), 42%(同1.4倍) および41%(同2.4倍) であった.昼30℃/夜20℃ の昼夜変温はイネの葯培養効率を高める手段として, 育種の現場でも基礎研究の場でも利用できる.
  • 菊池 尚志
    2001 年 3 巻 2 号 p. 95-101
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
  • 林木育種センターを中心として
    田島 正啓
    2001 年 3 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
  • 島田 尚典, 高田 吉丈, 境 哲文, 島田 信二
    2001 年 3 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 3 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 3 巻 2 号 p. 121-121,123
    発行日: 2001/06/01
    公開日: 2012/01/20
    ジャーナル フリー
feedback
Top