土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
73 巻, 1 号
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和文論文
  • 小田 收平, 小田 耕平, 荒尾 慎司
    2017 年73 巻1 号 p. 1-11
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー
     合流式下水道は,都市域での点源や非点源汚濁の環境改善に寄与するが,従来の分水施設の下水量制御精度は低く確実な汚水や雨水管理が困難なため,この下水量制御の機能改善が大きな課題であった.
     本研究では,高精度で下水量制御を可能とした既往研究成果を受け,関係基準書等が示す従来の水工学理論や実績を通した知見の延長上でこの分水施設改善理論の実用化を目指す.事業事例の分水施設計画条件を下に水理設計でこの改善理論を具現化し,構造設計で実用化を図る基本技術の方向性を示した.
     確実な下水量管理は,合流改善事業でストック活用での目的達成や,新下水道ビジョン施策に効果的に対応できる根幹の技術であり,今後は試験施工等でこの改善技術の実証確認や管理調整の研究が望まれる.
  • 河合 智成, 一柳 勝宏, 子安 拓夫, 雪田 和人, 後藤 泰之
    2017 年73 巻1 号 p. 12-21
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/20
    ジャーナル フリー
     水力発電はダムによる治水調整機能を有する設備として重要な役割を果たしている.他方,電力需要に対して,出力を調整することにより需給のバランスを保ち,系統周波数の変動を抑制し,電力の安定供給として重要な役割も担っている.本論文ではダムの放流制御や給電運用面において降雨後における流量の逓減状況を予め把握することの重要性から,降雨後の流量定常値および逓減時定数の両推定値を用いることにより,予測の簡素化と精度向上を図った.具体的に,中部日本地域における矢作川上流域を対象として流量ピーク時点で観測される情報を用いて流量定常値および逓減時定数を推定し,得られた両推定値を用いて流量逓減予測を試みた.基底流量を定常流量値として用いる場合に比べて,流量の総量誤差で25.0%が18.6%までに予測精度が改善できた.
  • 一言 正之, 桜庭 雅明
    2017 年73 巻1 号 p. 22-33
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/03/20
    ジャーナル フリー
     深層ニューラルネットワークと流出モデルを組み合わせたハイブリッド洪水予測手法を開発した.ハイブリッドモデルの構造は階層型の深層学習(ディープラーニング)を適用したニューラルネットワークを基本とし,入力層に分布型流出解析モデルの計算結果を加えることで両モデルを融合させた.具体的には,入力層は上流の水位,水位変化および流域の水分貯留量の推定値とし,出力層は予測地点の水位変化とした.学習時の入出力データには実測データを用い,予測時には実測水位・雨量データと分布型モデルの予測流量とを組み合わせた入力層データを用いた.
     ハイブリッド手法の結果は,元のニューラルネットワークおよび分布型モデルを上回る精度となり,特にニューラルネットワークで誤差の大きかった期間最大洪水で精度向上が見られた.
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