下水道先進地域が取組む合流式下水道改善事業は,合流式下水道システムで要の雨水吐室に流水分派精度での課題があり,その対応方策も低い改善効果や煩雑な維持管理への指摘があった.流水分派機能は,越流堰とオリフィスの水理現象を有機的に組合せ,従来技術は1回の分派で流量を直接制御するが,本研究は複数回の分派で水位変動を抑制する流量の間接制御を提案した.
本研究は,流水分派における従来の直接制御と新規の間接制御の技術理論の検証で,分派現象の数値解析と水理模型実験のデータを精査して管理実務の視点で妥当性を判定した.この研究成果は,過剰な遮集誤差に着目した数値解析や水理模型実験で,従来技術の誤差45%台を本研究技術が3%以下にし得る改善効果を確認し,合流式下水道で当面の課題を解決できることを示した.
抄録全体を表示