スマートフォンを用いたトンネル構内簡易粉じん濃度測定法を, インドの開削現場での明環境下で適用したところいくつかの問題点が生じた。本論文では, 近年トンネル切羽作業監視用として急速に普及しつつあるネットワークカメラを用いて, 従来のスマートフォンによる写真撮影では問題となった背景の影響を動画の時間差分処理により除去するとともに,二値化処理,モルフォロジー処理および領域分割などの画像処理により,高精度な粉じん粒子抽出を実現した. そして,粉じん濃度の特徴量として画面内における粉じん散乱光部分の面積と個数を新たに採用することで, 従来法より安定した粉じん濃度測定法を確立した. 室内実験の結果, 提案手法は従来法と比べて粉じんの抽出性能だけでなく、十分な精度も合わせて有していることを確認した.
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