土木学会論文集F1(トンネル工学)
Online ISSN : 2185-6575
ISSN-L : 2185-6575
77 巻, 2 号
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特集号
  • 真下 英人, 井野 裕輝, 吉武 謙二, 鹿島 竜之介, 夏目 岳洋
    2021 年 77 巻 2 号 p. I_1-I_18
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/11
    ジャーナル フリー

     山岳工法により建設されるトンネルの覆工を構築する作業の施工性向上のために筆者らが開発を行ってきたプレキャスト覆工が有する耐荷力を明らかにすることを目的として,実大規模の載荷実験を行った.実験結果から,天端部に荷重が作用した場合,天端部と肩部に大きな曲げモーメントが発生し,最終的に天端部付近での曲げ圧縮破壊により,構造全体の破壊に至ることが確認された.また,プレキャスト覆工本体をファイバー要素,セグメント継手を回転ばねでモデル化した解析手法により,実験を対象にしたシミュレーションを行い,解析手法の適用性を確認した.さらに,本解析手法を用いて,種々の荷重条件下におけるプレキャスト覆工と従来覆工が有する耐荷力を算出し,比較を行った.

  • 岡本 健太, 黄 華濤, 大森 禎敏, 吉武 勇
    2021 年 77 巻 2 号 p. I_19-I_28
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/11
    ジャーナル フリー

     コンクリート構造物の表面品質は緻密性の評価法で表面透気試験等があるが,見栄えについては点検員による目視評価のため,評価結果は点検員の経験や知識技術などに依存することから,定性的な評価に留まっていた.本研究では,コンクリート表面品質の一評価対象となる表面気泡を定量評価するため,適切な検出方法について検討した.特に,ストロボにカラーフィルターを取り付けた撮影画像のRGB値に変化を与え,表面気泡の検出効果を調べた.表面気泡面積の異なる2つの供試体を用いた室内実験と建設中のトンネル工事現場での撮影実験で得た画像を用いて解析した結果,ある種のカラーフィルターを用いることで気泡検出率が向上するとともに,明度が一定の場合には色相と彩度を調整することで表面気泡の検出率を向上できる可能性があることがわかった.

  • 畑 浩二, 丹生屋 純夫, 青柳 和平, 宮良 信勝
    2021 年 77 巻 2 号 p. I_29-I_43
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/11
    ジャーナル フリー

     北海道幌延町に位置する幌延深地層研究センターにおいて,空洞周辺岩盤の水理・力学的挙動モデルを確立するため,深度350m以深の立坑を対象に掘削前から掘削完了後の維持管理期間にわたって光式のAEセンサ・間隙水圧センサ・温度センサを用いて長期計測を実施した.計測結果から,掘削時には壁面1.5m程度までの領域でAEは頻発し,間隙水圧は複数回の顕著な増減現象が生じた.さらに,2~4オーダーの透水係数増大も確認された.また,数値解析から,立坑掘削時の非排水・排水挙動が間隙水圧変化や破壊領域発生に寄与していることを示した.以上の結果を統合して掘削損傷領域を可視化した概念モデルを構築し,地層処分事業における施設設計の妥当性確認等に資する成果として取りまとめた.

  • 伊藤 喜広, 篠口 冴子, 岡 滋晃, Alireza AFSHANI , 金子 俊輔, 斉藤 仁, 赤木 寛一
    2021 年 77 巻 2 号 p. I_44-I_57
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/02/11
    ジャーナル フリー

     都心湾岸部の深度40m付近には,七号地層に代表されるN値が4~8の中位の粘性土地盤が分布している地域がある.この場合,トンネル標準示方書に則って安全側にセグメントの設計を行うと,土水一体かつ全土被り圧を採用する必要があるため,セグメントの厚さが不合理に厚くなることがある.一方,中位の粘性土地盤でセグメントに作用する土水圧を計測すると,地盤の自立性が高い場合は,セグメントには主に静水圧程度の水圧が作用し,鉛直有効土圧は全土被り圧以下であったとの事例が報告されている.本研究は,中位の粘性土地盤でのシールド工事現場における土水圧の計測事例を,2次元剛塑性モデルを用いて分析し,さらに仮想仕事率の原理に基づく剛塑性有限要素法と簡易手法による鉛直有効土圧の算定方法について検討したものである.

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