廃棄物学会研究発表会講演論文集
第17回廃棄物学会研究発表会
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A11 ライフサイクル思考に基づく評価と応用
  • 藤井 実, 橋本 征二, 南齋 規介, 村上 進亮, 大迫 政浩, 森口 祐一
    セッションID: A11-5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    マテリアルリサイクルには、元の製品に戻るクローズドループリサイクル、別の製品になるカスケードリサイクルが存在し、更に同じ原料をケミカルやサーマルリサイクルに回せるものもあり、その評価がやや複雑になっている。本発表では、どのようなリサイクルが資源消費の抑制や環境負荷の削減にとって効果的であるかについて、整理し考察する。
  • 今永 博, 古川 義彦, 篠原 弘志, 平井 良知
    セッションID: A11-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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     現在、国をあげて循環型社会の実現に向けた各種環境施策が実施されている。静脈産業側では環境をビジネスと捉え、産業として自立するための技術開発や社会システムの整備等、いわゆる「環境の産業化」が進められているのに対し、動脈産業側では環境経営や環境に配慮したモノづくりなど、従来の事業活動を環境の視点から改善する、いわゆる「産業の環境化」が進められている。 北九州市においては、「北九州エコプレミアム産業創造事業」を、主に動脈産業側を支援する環境施策として位置づけ、北九州市内の環境配慮型製品や技術、エコサービスを対象に選定・PRを実施している。この施策の取り組みの現状と今後の方向性を報告する。
  • 鶴田 直, 松本 亨
    セッションID: A11-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    近年、建設分野においても、建設リサイクル法、グリーン購入法等の循環型社会形成を目指した施策が展開されている。これらの動向を受け、地方において「リサイクル資材認定制度」が検討されており、北九州市においても2002年12月から導入されている。しかし、一般的にリサイクル資材は価格が従来の新材より高く、環境に対して良いというイメージはあるものの、どの程度の効果があるかが把握されていないため、環境的に非常に優れている資材でも率先的に使用されにくいケースが考えられる。そこで本研究では、公共工事に使用する資材の環境への効果をライフサイクル全体で把握し、それを自治体の建設リサイクル資材認定制度に反映させるために、簡易LCA手法の開発と、さらに機能、価格の側面を考慮した総合評価手法を検討した。さらにその手法の適用性を検証するために、北九州市においてすでに認定されているリサイクル資材を対象に、本手法を用いて評価を行った。
A12 リスク管理・評価
  • 山本 攻, 田中 勝, 石坂 薫
    セッションID: A12-1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    廃棄物マネジメントの政策レベルで戦略的環境アセスメントを実施する場合、評価対象が具体的でないため、事業アセスメントで用いられているシミュレーションなどの手法が使えない。本研究では、評価対象が具体的でない場合に、環境影響を記述しそれを評価する手法を検討した。評価対象を構成する要素間や要素と環境間の関係を示す因果関係図を作成して、評価対象の環境への影響を評価し、その結果をシナリオ毎に記述して、利害関係者などに理解容易な形で提供する手法を考案した。影響評価の方法は、現状を第0案とし、それからの環境変化をしめす相対的な影響評価である。そして、海面埋立処分場に関する政策を対象に事例研究を行い、手法の具体的な方法を示した。
  • 小笠原 智彦, 大熊 啓之, 古川 忠正, 白子 定治
    セッションID: A12-2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    冷却塔循環水の水質維持管理に使用する化学的水処理剤は、取り扱いの危険性や、循環水の蒸散とともに飛散されることから、環境汚染や人体被害が懸念される。我々は、水を電気分解して得られる環境負荷が少なく、人体安全性が高いアルカリイオン水を用いた循環水維持管理システムを考案し、その性能をフィールド試験で検証した。その結果、ホシステムは、スケール発生の防止、レジオネラ属菌等の殺菌に有用である知見を得た。
  • 坂内 修, 遠藤 和人, 山田 正人, 井上 雄三, 八戸 昭一, 小野 雄策
    セッションID: A12-3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    最終処分場は廃棄物処理法における構造基準および廃棄物最終処分場性能指針により構造上の安全性が管理されているが、立地に対する規制は行われていないため国内における最終処分場の立地環境は多岐にわたる。立地特性と処分場構造特性の関連について既存の処分場の実態を比較するような統計的な解析はあまり行われていない。本研究では、一般廃棄物最終処分場について立地環境の安全性と処分場構造の安全性をスコアリングし、最終処分場の類型化を試みた。地震や洪水などのハザードマップや地盤環境の地理情報から立地環境の安全性を評価するスコアを算出した。これら立地環境特性と最終処分場技術システム特性を用いてスコアリングとランキングを行うことにより、最終処分場の安全性の相対的な評価手法を構築した。本手法を用いることにより多様な処分場構造と立地特性を持つ最終処分場について相対的な安全性の度合いを示すことが可能となった。
  • 花田 茂久, 松藤 敏彦, 東條 安匡
    セッションID: P2-A12-4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    埋立地から人体曝露までの多種多様な経路を可能な限り含み,かつモデル構造が単純で理解しやすい埋立地由来の健康リスク評価モデルを作成した。作成したモデルを用いて仮想の一般廃棄物埋立地の建設により生じる健康リスクを算出した。その結果,埋立地を建設することにより増加するリスクは,埋立地建設前の健康リスク(バックグラウンドリスク)と比較して非常に小さいことが示された。また埋立地特性,気象条件,地域・土壌特性,水利用特性・食生活に関わるパラメータについて感度解析を行い,どのような因子が健康リスクに大きな影響を及ぼすのかを調べたところ,埋立地特性に属するパラメータが健康リスクに大きな影響を及ぼすことが示された。
  • 中村 貞義, 大寺 泰輔
    セッションID: A12-5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    既設最終処分場においては、法規制の変遷に伴う遮水構造レベルの違いや埋立廃棄物の質の変遷に伴う浸出水水質の違いもあり、さまざまなトラブルが生じているのが現状である。既設最終処分場の環境保全性向上に関する対策手法として、トラブル情報(トラブル事例や改善事例)をベースとして、既設最終処分場で発生するトラブルの予兆に着目した予防診断手法を組み込んだ最終処分場予兆診断システムの構築に向けた提案を行ったので、その概要について報告するとともに、予測のケーススタディとして、カルシウムスケールによる埋立地内の排水設備の目詰まりや閉塞に伴うトラブルの予兆について検討した。本システムの実現に向けては、情報の質・量の問題や情報公開制度の確立等の課題もあり行政を巻き込んだ対応が必要不可欠である。情報をいかに収集できるかが重要であり、情報の吸い上げを行うためにヒアリング等による事業者への能動的な働きかけが必要となる。
  • 永田 勝也, 小野田 弘士, 村岡 元司, 永井 祐二, 切川 卓也, 兼子 洋幸, 胡 浩
    セッションID: P1-A12-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    近年、循環型社会構築に向けて重要な役割を担う廃棄物処理関連施設において、事故やトラブルの発生が頻繁に報告されている。そのため、廃棄物処理施設における安全・安心への関心が高まり、廃棄物の安全かつ適正な処理が求められている。本研究では廃棄物処理関連施設における事故やトラブルの未然防止、拡散防止、安全体制の構築などを体系的に実施し、施設設計や操業時の安全性および周辺住民への安心感醸成などを実現することを目指し、事故・トラブル事例/安全向上策データベースの構築とこれをベースとした安全設計解析手法の開発、施設運営等における操業管理システムの構築とバーチャルリアリティなどの新技術を駆使した効果的・効率的な施設運転者の教育に資する人材育成プログラムの開発、施設周辺住民等の「安心」を確保するためのわかりやすい情報共有・情報伝達の方法論の開発等に関して検討した。
  • 永田 勝也, 小野田 弘士, 永井 祐二, 村岡 元司, 切川 卓也, 兼子 洋幸, 胡 浩
    セッションID: A12-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    近年、地球環境問題や安全・安心に対する関心が高まり、廃棄物の安全かつ適正な処理が求められている。しかし、一般廃棄物処理施設における事故多発が多方面から報告されており、既存の廃棄物処理システムは社会的な信頼を得るには至っていない。こうした背景から、廃棄物処理施設に内在するリスクを洗い出し、施設の設計段階で簡便に活用可能な安全設計解析手法の開発を行った。本手法は、利便性に配慮した事故・トラブル事例データベースを構築し、これと連携することによって被害額とその発生率からリスクを定量化する手法である。また、安全向上策と連携して評価を行うことで、経済性も考慮した安全設計の検討を行える手法を提案した。
  • 福田 弘之, 松枝 毅
    セッションID: P2-A12-8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    医療廃棄物トレーサビリティ実現のため、中間処理会社としての実証実験をここ数年継続しているが、これと平行して動脈(病院内)でも製薬会社から病院までの個品管理/トレーサビリティの実証実験も開始されまじめた。将来、動脈(病院内)と静脈(廃棄物処理)がひとつになり、医薬品/機器のトレーサビリティが実現される。実現にあたり今の状況で考慮すべき事について、発表する。
  • 高原 成明, 高尾 美絵子, 福田 弘之, 佐竹 治仁, 松枝 毅, 石井 美也紀
    セッションID: P1-A12-9
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    現行の紙マニフェスト/電子マニフェストでは、伝票管理に留まっており、伝票内容と廃棄物そのものの流れが一致しないことが生じる。本システムでは、GPS・RFIDタグ・モバイル通信の先端技術を活用し、廃棄物そのものを追跡管理(トレーサビリティ)し、マニフェストと廃棄物の流れを一致させる。昨年度の第16回廃棄物学会研究発表会では、平成16年度の実証実験について発表を行った。本年度は、今年1月より大正製薬株式会社にて正式導入・実運用されている内容について報告する。本システムは、13.56MHz帯の RFID(ICタグ)を容器に貼り付け、回収_から_運搬_から_荷降し_から_中間処理までを個体追跡管理するシステムである。容器の情報は、都度ASPデータセンターへ位置情報と共に送信され、その後JW-NET(電子マニフェスト)へ自動的に送信される。
  • 福田 弘之, 佐竹 治仁, 松枝 毅, 高原 成明, 石井 美也紀
    セッションID: P2-A12-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    感染性産業廃棄物における、総合的なトレーサビリティシステムを開発中である。実際の廃棄物に、2.45GHzのICタグを貼り付け、2種類のアンテナでICタグを読取る実証実験を実施した。円偏波アンテナを2枚使用し、ICタグに対して角度が付くようにアンテナを配置してICタグを読取ったところ、安定した読取りが実現できた。また、従来から懸念されている電解質による読取り障害については、廃棄物容器とICタグの間にパットを挿入することによって解決できることが判明した。実証実験の結果から、ICタグの利用は、感染性産業廃棄物のトレーサビリティシステムの構築に極めて有効な手段といえる。
B1 汚泥等の処理・資源化
  • 長田 純夫, 古賀 弘毅, 御船 隆裕, 花嶋 正孝
    セッションID: B1-1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    めっき工業界において発生するスラッジは現在ほとんど埋立処理されている。しかし、スラッジ組成を分析すると金属酸化物が大量に含まれており,分別すれば直ちに金属資源として再利用できることが判明した。そこで、九州地区内のめっき企業と金属製錬所が協力して資源リサイクルできる金属種としてまず亜鉛を取り上げ、めっき工場の廃液から発生する亜鉛めっきスラッジを亜鉛製錬所へ山元還元する方法およびその実現性を検証した。
  • 白子 定治, 谷口 昌平, 宮崎 則幸
    セッションID: B1-2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    キレート基付加高分子を用いて溶融飛灰からの重金属を回収する際,溶融飛灰溶出液濃度を変化することにより,重金属の種類により回収効率が変化することが判明した。この知見を用いることにより目標重金属の選択が可能になり、採算の採れる事業化推進に役立つと考え,報告する。
  • 岩崎 尚平, 大木 宜章, 高橋 岩仁, 関根 宏, 三橋 正宏
    セッションID: B1-3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    本研究は既往のlab実験で得た知見から、厳しい環境下にある実際の下水臭気発生現場において電解汚泥の脱臭性能を検討すべく、実証試験を行った。その結果、高濃度の複合臭気においても電解汚泥は吸着作用といえる瞬間的な脱臭性能を発揮した。しかし、臭気分解を行う菌体が馴致される前に養分過多のため脱臭限界を向かえた。したがって、実験初期に低濃度の臭気で充分菌体の馴致を行えば、長期間の脱臭は可能といえる。
  • 鈴木 崇
    セッションID: P1-B1-4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    常圧流通系装置を用い下水汚泥から得られた炭材の用途拡大を視野に入れ、これらのVOCs吸着材への応用を検討した。賦活下水汚泥炭を用いた場合条件によっては無機酸化物系吸着剤に近い吸着性能を示す可能性が示唆された。
  • 今井 剛, 荒金 光弘, 村上 定瞭
    セッションID: B1-5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    年々、増加している下水汚泥の発生量を抑制する技術が求められている。本研究グループは,汚泥の減量化ならびに資源回収が可能な処理プロセス、すなわち亜臨界状態にした水の中で汚泥を可溶化させ、これにより汚泥から溶出したリンおよび有機物をMAP法あるいはUASB法を用いてリンならびにメタン回収するプロセスの開発を行ってきた。本研究では、汚泥に存在するリンもしくは有機物がどの程度資源化できたかを検討するため、以下の連続運転実験を行った。山口県宇部市内の下水処理施設で発生する余剰汚泥を同施設に設置しているパイロットスケール亜臨界水処理装置に投入した。これにより得られた可溶化汚泥をUASB法およびMAP法を経る2つのプロセスで資源回収を行った。亜臨界水処理および資源回収工程の連続運転によって、汚泥に含まれているリンの30_%_程度が資源化できた。さらに、汚泥に含まれている有機物の32_%_程度がメタンとして回収できた。
  • 後藤 吉史, 土手 裕, 関戸 知雄
    セッションID: P2-B1-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    本研究の目的は、固化物の溶出試験を行ない、窒素について固化物の溶出液の挙動を考察すること、重金属について土壌環境基準を満足する最適な固化条件を明らかにすることである。固化物は、素掘池汚泥と同量の石炭灰、そして添加割合を変化させたセメントと水ガラスを混合することによって作成した。実験の結果、窒素溶出液は原液の汚泥を希釈して固化させた方が、希釈倍率以上の低い濃度が得られ、窒素溶出濃度を抑えられることが分かった。また、セレン及び全クロムの土壌環境基準を同時に満足させるには、汚泥に対して同量の石炭灰、そしてセメント添加量40%以上で水ガラス/セメント比を0.1以下(0の場合は固化しないため除く)にして固化すれば良いことが分かった。
  • 大江 華, 鈴木 晴彦, 井関 正博, 安田 昌司
    セッションID: P1-B1-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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     我々は排水中に含まれるリンを除去・回収する技術として、排水に鉄電解処理を施し、排水中のリンをリン酸鉄として析出させる方法について研究を行ってきた。しかし鉄電解汚泥に含まれるリン酸鉄は自然界のいたるところに存在するにもかかわらず、難溶解性であるためその使用用途は限られている。そこで、鉄電解汚泥の肥料としての可能性を検討するために、数種類の鉄電解汚泥の組成を調べ、肥料効果について比較・検討した。 その結果,食品排水の鉄電解汚泥はリン含有率が少なくリンを効率よく回収できず、発芽率にも影響することから肥料としての再利用には適してないことが確認された。また畜産排水の鉄電解汚泥にはリン以外の元素が多種含まれていたためコマツナの生育が促進されたと考えられ、リン肥料としての再資源化の可能性があることが分かった。
  • 宮本 彰彦, 中林 昭, 鈴木 晴彦, 澄田 康光, 大江 華, 井関 正博, 安田 昌司
    セッションID: P2-B1-8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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     りんは下水処理の過程で、活性汚泥中の微生物に摂取されることで除去される。しかし、水処理施設で発生する余剰汚泥等は汚泥処理施設において嫌気雰囲気下にさらされ、汚泥からりんが再溶出するため、高濃度のりんを含んだ脱水分離液が水処理施設に返流される。このことが、水処理施設におけるりんの負荷を押し上げ、放流水中のりん濃度を上昇させる一因となっている。 そこで、水処理施設に対するりんの負荷を低減するため、脱水分離液中に溶解している高濃度のりんを鉄電解法によって簡便に回収することを検討した。その結果、電流制御のみでりん除去率を制御できることを確認した。また、鉄電解法を用いてりん除去処理した場合は中和処理が不要となり、発生する汚泥は圧密性が高く分離し易いことから、りんの回収に適していることがわかった。さらに、鉄電解汚泥はりん肥料原料としての効果を示し、貴重なりん資源として再利用の可能性も確認できた。
  • 小澤 正邦
    セッションID: P1-B1-9
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    水産加工業から排出される有用な無機物資源をセラミックス原料に再資源化する技術を検討する。食品加工?セラミックスの双方において新規な物質循環が可能になるよう、重金属除去に有効な廃棄物資源化をめざし、本研究では、セラミックスプロセス技術を有効に利用した水産加工排出物の取り込みとそれらの新規材料化の可能性について研究した。水産加工業からの廃棄物から抽出した無機成分について、付加価値の高い環境浄化セラミック材料への転換技術の検討を試みた。
  • 片岡 直明, 菖蒲 昌平, 宮 晶子, 米山 豊, 渡辺 昭
    セッションID: B1-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    水素・メタン二段発酵によるハ゛イオカ゛ス化特性について、食堂残飯+シュレッタ゛ー紙を原料として室内連続実験を行った。(1)汚泥返送法によるHRT2.3-3.2日、55℃の可溶化・水素発酵運転では、pH5-6、バイオガス発生率0.14-0.20L/gVS、水素ガス含有率1.7-42%の発酵性能であり、槽内有機酸濃度は9,400-13,300mg/Lであった。(2)可溶化・水素発酵液のメタン発酵処理では、HRT6.9-9.6日、55℃の条件でバイオガス発生率0.72-0.88L/gVS、メタンガス含有率62-66%の発酵性能であった。(3)水素・メタン二段発酵全体としては、バイオガス発生率177m3/t-原料、メタンガス転換率66-68%(CODCr基準)が得られた。
  • 林 直人, 小池 智, 葛西 栄輝
    セッションID: B1-11
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    現在,汚泥は産業廃棄物排出量全体の約半分を占め,下水汚泥が最も多い。この排出量低減のため,発生汚泥に対し,微生物細胞壁を破壊し生分解性を高めるための前処理を施し,下水処理システム中の曝気槽に戻すことによって,汚泥を生分解する試みがなされている。この操作を繰り返すことにより,システム外に排出される汚泥を大幅に減量化し,またバイオガスやリンといった資源の増進回収も可能となる。 本研究では高効率かつ低コストの前処理プロセスとして,超音波照射と光触媒反応を併用するソノフォトキャタリシス分解法を提案した。回分式装置を用いた基礎実験の結果,(1)超音波周波数は低い方が良い,(2)段階的ソノフォトキャタリシスが有効である,(3)光触媒濃度には最適値があり,今回の実験条件では0.05g/Lであった,(4)機械的撹拌と紫外線照射の併用により,汚泥ろ液中への有機物溶解が促進される,といった知見が得られた。
  • 小野 貴弘, 古市 徹, 谷川  昇, 石井 一英
    セッションID: B1-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    家畜ふん尿は日本全国の産業廃棄物総排出量の約2割を占めているが、必ずしも適切な管理は行われておらず環境汚染が懸念されている。そのため、家畜排せつ物法が施行され、状況の改善が図られている。そして、よりよい家畜ふん尿管理の方法として自動撹拌式堆肥化施設とバイオガス(BG)化施設が導入されはじめている。これらの利点として畜産由来の臭気および温室効果ガス(GHG)排出量の低減が挙げられるが、定量的に明らかにされていない。そこで、本研究では、効果を明らかにするため、家畜ふん尿と堆肥等の臭気を測定すると同時に、既存文献の調査等のデータを基にした温室効果ガス排出量の推定を行った。その結果、各施設ともに臭気指数でふん尿の臭気を10程度低減できることがわかった。また、ふん尿を管理施設で保管している場合と比較して、堆肥化処理、バイオガス化処理では温室効果ガスをそれぞれ35%、84%低減できることが示唆された。
  • 福田 弘之, 大岡 幸裕, 本郷 和広
    セッションID: P2-B1-13
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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     固形廃棄物であるターペンスラッジを焼却処理する際には、常に発火のリスクがある。これはターペンの持つ引火性に由来するものであり、これまでは密閉容器に移し替え、炉に供給することによって引火を回避してきた。しかしこの方法では費用が掛かり、多量に処理する点で問題があるため、新たな処理方法の検討を行った。 今回の実験では、油への熱の伝わりを抑えることによって上記のリスクを低減させることを目的とした。その結果、水と界面活性剤を添加・混合することによって、達成できることが確認できた。これは、界面活性剤の持つ乳化・ゲル化の作用により、ターペンスラッジの引火点が上昇し、着火性も減少したためと考えられる。
  • 劉 尊厳, 味埜 俊, 佐藤 弘泰, 小貫 元治
    セッションID: B1-14
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    中国の都市化による環境影響の中でも重要な問題の一つとして、下水処理場から出てきた下水汚泥の処理、処分の状況について、この調査は2005年12月に北京市で現地資料収集及び下水処理担当者へのインタビューを行った。農業大国の中国現状から見れば、北京市のように16の下水処理場から出てきた汚泥を三つの汚泥再生センターに収集し、コンポストした後、有機肥料か土壌の改良材としての農地還元利用は最も優先すべきである。広大な国土を持ち、エネルギー消費大国の中国にとって今まで廃棄物としての取り扱いから、エネルギーの回収及び資源物質の循環利用するようなシステムへ変換する必要がある。現段階で経済と都市の発展状況を配慮し、地域の特徴を合わせて、各都市では多種多様な処理技術と処理プロセスを導入しつつある。
B2 生ごみの処理・資源化(1)
  • 福井 久智, 上野 嘉之, 北島 洋二, 宮野 寛, 後藤 雅史
    セッションID: B2-1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    筆者らは,平成13年度から17年度にかけてNEDO水素・メタン二段醗酵プロジェクトを実施しており,本論では,本プロジェクトの最終成果の報告を行う。模 擬有機性廃棄物を用いたラボスケール水素・メタン二段醗酵を実施した結果,プロセス全体でのHRT3日でT-CODcr分解率80%以上を達成し,メタン一段醗酵と比較して,3分の1の処理時間となる結果が得られた。 この結果をもとに,水素・メタン二段醗酵実証プラントを建設し,厨芥およびシュレッダー紙ごみ処理を実施した結果,水素醗酵HRT1.1日,メタン醗酵HRT6.8日運転でT-CODcr分解率75%以上が達成され,セルロースを多く含む有機性廃棄物に対して,高負荷・高速処理が可能となることが確認された。またこの時,水素醗酵槽における水素収率は2.02 mol/mol-Hexoseとなり,実有機性廃棄物を用いた実証運転において,高い水素収率を達成した。
  • 長尾 宣夫, 長 慎一郎, 松山 達, 戸田 龍樹
    セッションID: B2-2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    コンポスト化プロセスに代表される好気固相反応槽を利用した生ゴミ処理では、おが屑や籾殻などの充填材が利用されている。しかしながらこれら生物由来の充填材では長期の処理によって、充填材が摩耗し、その機能を果たさなくなることが懸念される。そこで本研究では、好気固相反応槽における充填材として、ペットボトルを粉砕したペットフレークとおが屑を利用して、ドックフードの分解実験を行い比較した。ペットフレークは、おが屑と比較して、ほぼ同等の分解速度を維持した。さらに、おが屑は実験期間の200日の間に摩耗した。一方、ペットフレークには大きな摩耗は見られず、充填材として機能を失わなかった。
  • 松田 智, 荒井 邦博, 室 義一郎
    セッションID: B2-3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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    従来の無通気性容器を用いて通気・撹拌する生ゴミ処理機と全く異なる、新しいタイプの生ゴミ処理装置を開発した。そのための基礎研究として、反応容器の素材・菌床資材とその堆積深さ等に関する検証実験データを蓄積した。それを基に処理機のプロトタイプとなる試作機を製作し、数ヶ月にわたる長期処理実験を行った。その結果、通算の生ゴミ減量率は90%以上で臭気の発生も少ないという良好な処理成績を得た。
  • 今井 嘉美, 船造 俊孝
    セッションID: B2-4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    生ごみあるいは食品廃棄物はコンポストやメタン発酵による処理が行われているが、いまだ埋立てや焼却される割合が多く、有効な処理法の開発が求められている。生ごみ中には炭水化物が最も多い。我々は水蒸気爆砕法による食品廃棄物の資源化をめざし、醤油搾りかす、グレープフルーツ果皮、バレイショについてその有効性を検討してきたが、爆砕操作のみでは単糖、低重合度オリゴ糖の収率は低かった。本研究では、生ごみの主成分の一つである炭水化物試料としてでんぷん質である米飯、バレイショ、とうもろこしを用い、水蒸気爆砕操作および熱水加水分解反応を用いた資源化法の有効性を調べることを目的とした。具体的には、これらでんぷん試料の水蒸気爆砕処理によりでんぷん試料を粉砕、一部可溶化、さらに熱水糖化により、単糖、オリゴ糖に変換させ、この爆砕条件および加水分解条件が可溶化率や糖収率に及ぼす影響について調べた。
  • 金子 栄廣, 青木 隆, 佐野 慶一郎, 西巻 通代
    セッションID: B2-5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
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     ポリフェノール含有物質の添加によるコンポスト材料からのアンモニア臭気の発生抑制の効果について実験的に検討した。コンポスト材料にブドウ種子抽出物,ブドウかす,茶殻,コーヒーかすなどの混合して堆肥化を行うとアンモニアの発生が抑制されること,ならびに,アンモニアが発生している材料にこれらの物質を添加すると即効的なアンモニア発生抑制効果がえられることがわかった。
  • 長田 隆, 前田 高輝, 森岡 理紀, 細川 弘史
    セッションID: P1-B2-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
     家畜排泄物処理過程で発生する悪臭や温室効果ガス等の二次的な環境負荷が問題となり、これら環境負荷ガスの定量的な把握と効果的削減が急務となっている。本報告では、搾乳牛ふんの堆肥化から発生する温室効果ガスの発生抑制への初期堆積物の水分調整効果を検討するため、アンモニア、メタンと亜酸化窒素の発生について実規模に近い堆積規模で確認した。堆肥化試験は、2005年7月より当研究センター内堆肥化施設で開始し、堆肥からの当該ガス発生が明確でなくなるまでの約14 週間行われた。本試験の結果から算定した発生係数は、N2Oの堆積物中窒素当たり発生率は高水分区で4.5%、水分調整区では 2.6%へ低減した。CH4の堆積物中有機物当たり発生は高水分区で25.9g/kgVS、水分調整区では 5.7g/kg VSへ低減した。NH3の堆積物中窒素当たり発生率は高水分区で7.3%であったが、水分調整区では17.1%へ増加した。
  • 橋本 朋子, 阿部 宏, 山田 和夫, 多々良 和佳, 池田 実, 飯塚 弘, 中崎 清彦
    セッションID: P2-B2-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    堆肥化プロセスおいて、初期段階での原料温度履歴はその堆肥の発酵プロセスを左右する重要な因子であり、その影響を把握することは堆肥化プロセスを効率的に制御する上で重要である。本研究では、堆肥原料を発酵前に高温で一定時間加熱処理することにより、堆肥化中の微生物叢が影響を受け、その結果として発酵プロセスが大きく変化することを明らかにした。特に加熱前処理によってアンモニア発生量が低減するという興味深い結果が得られた。これは原料中に含まれていたアンモニア抑制効果を有する何らかの菌群が、加熱によって活性化したためであると考えられる。
  • 仲間 菜穂, 金子 栄廣
    セッションID: B2-8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    コンポスト分解時における酸素供給とpHの関係を調べた。実験方法は一定量のコンポスト材料を投入した培養容器を複数用意して、容器を開放または密閉、異なる温度設定で、培養環境を変化させてそれぞれ培養した。そして、それら試料のpHと、密閉培養容器内の酸素濃度の経時変化を測定し、考察した。結果として、充分な酸素供給が得られる状態でコンポスト培養を行うとpHは上昇するのに対し、酸素供給を制限した状態でコンポスト培養を行うとpHは低下した。特に容器内の酸素が分解によってほとんど消費されると急速にpHの低下が見られた。また、培養温度が高くなるにつれ、これらpHと酸素濃度の動向は早くなるが、開放容器の培養時は温度に関わらずpH上昇後の安定値はほぼ同じ値を示すのに対し、密閉容器の培養時は温度が高いほどpH低下後の安定値は低い値となることがわかった。
  • 竹澤 克政, 岩渕 和則, 野呂瀬 幸政
    セッションID: P1-B2-9
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    食品廃棄物を対象とした中温コンポスト化による有機物分解を促進する方法を確立するため、これまで十分な知見が得られていなかった材料含水率と反応温度について検討した。大学学生食堂から採取した食品廃棄物は均一化するためミキサーで粉砕、攪拌され、また分解特性をできる限り正確に把握するため副資材を混合せず、常温で風乾させることによって含水率を調整し、中温コンポスト化を行った。コンポスト化反応速度は含水率については有機物分解率、反応温度については有機物分解率および積算酸素消費量によって評価した。この結果、中温コンポスト化において最も有機物分解が促進される含水率は40%w.b.であること、最も有機物分解が促進される反応温度は35_から_40℃の範囲であることがわかった。
B3 生ごみの処理・資源化(2)
  • 浅岡 幸基, 古市 徹, 石井 一英, 谷川 昇
    セッションID: B3-1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    家畜ふん尿や生ごみ等の廃棄物系バイオマスの利用促進が大きな関心を集めている。その1つの手段である堆肥利用システムを構築するためには、堆肥の供給と需要のバランスをとることが重要である。しかし、供給に関するデータは多数存在するが、需要に関するデータは少ない。本研究の目的は、札幌市における家畜ふん尿や生ごみといった廃棄物系バイオマスの堆肥利用促進策を検討した.まず、札幌市の全農家にアンケート調査を行い,堆肥の需要量を推計、阻害・促進の要因を探った。その結果、堆肥利用促進のためには、(1)堆肥の品質確保のためのストックヤードの設置や堆肥分析サービスの提供、(2)堆肥散布の手間を解消するための重機の共同利用や委託業者の斡旋の提供、そして(3)堆肥利用に対する不安を解消するための情報交換や実証試験の実施が必要なことが分かった.
  • 中崎 清彦, 權 成桓, 酒井 孝幸, 圓井 健敏, 広井 収
    セッションID: B3-2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    実用規模のコンポスト化施設において有機物の分解過程を把握するためには、従来から灰分割合の変化を測定し、その値から有機物の分解を推定する方法が用いられてきた。しかしながら、この方法では有機物のうち分解され易いものと、コンポスト化の過程でほとんど分解しない極めて分解しにくいものの両方を合わせた有機物全体を基準とした分解を計算していることになる。コンポスト化施設においては分解され易い有機物(易分解性有機物)の分解を如何に効率良く進められるかが求められるので、本研究では実用規模生ごみコンポスト化処理施設で採取したコンポストサンプルの有機物分解率を微生物の呼吸活性から測定し、易分解性有機物の分解過程を明らかにすることを試みた。また、炭酸ガスの累積発生量を精度よく推算することのできる簡単な数式モデルを構築し、微生物の呼吸活性から有機物の分解率を容易に求める方法を考案することができた。
  • 樋口 隆哉, 浮田 正夫, 今井 剛, 関根 雅彦
    セッションID: P2-B3-3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    コンポストの発酵過程でどの程度リグニン分解酵素が存在しているかを把握し、酵素活性が腐熟度とどのように関係しているかを明らかにすることを目的として、リグニン分解酵素、腐植物質(フミン酸、フルボ酸)、溶存鉄の分析を行った。その結果、リグニン分解酵素の活性はコンポスト発酵過程が進むにつれて上昇することが示された。酵素活性の値はコンポストの種類や製造工程で大きく異なっているが、木質系コンポストでは比較的高い値を示す傾向が見られた。また、リグニン分解酵素によって分解されたリグニンはフルボ酸やフミン酸などの腐植物質となり、発酵が進むにつれてコンポスト中に蓄積されることが分かった。これら腐植物質は土に団粒構造を形成させることからリグニン分解酵素を多く含むコンポストは良いコンポストであると考えられた。したがって、リグニン分解酵素による腐熟度評価は木質系原料を含むコンポストについては有効であると考えられる。
  • 渡邉 啓子, 長尾 宣夫, 戸田 龍樹, 黒沢 則夫
    セッションID: P1-B3-4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
     現存する生ごみ処理装置の一つに、好気固相反応槽(堆肥化処理装置)がある。装置の充填材として、従来はおが屑を使用していた。しかしながら、長期運転すると磨耗して微粉末化してしまう。そこで、代替充填材として、ペットボトルをフレーク状に破砕した廃材を用いたところ、おが屑使用時と同程度の分解速度で生ごみを処理でき、充分機能することがわかった。本研究では、両充填材を用いた装置内容物からそれぞれメタゲノムを抽出し、16S rDNAクローン解析法により微生物相の推定と比較を行うことにより、微生物学的観点から、ペットボトル廃材を用いた生ごみ処理機の評価を行った。クローン解析法の結果、おがくず充填材では絶対好気性菌のBacillales目細菌が圧倒的に優占していた一方、ペットボトル廃材ではBacillales目は約半分に減少し、通性?絶対嫌気性菌のLactobacillales目細菌が38 %を占めていた。ペットボトル廃材をおが屑の代わりに充填材として用いる場合の装置の運転条件等については、さらに検討を行って最適化を図ってゆく必要があると考えている。
  • 平 由以子, 近藤 加代子
    セッションID: B3-5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    家庭で手軽にできる生ごみのコンポストとしてダンボールコンポストが注目を集め、普及の進みにくい都市部においてもこの数年普及の拡大をみせている。ごみの減量、初心者でも失敗が少ない、庭がなくてもできる、臭いが少ない、水分調整が簡単などの特徴がその要因である。現在、基材として利用しているピートモスは保水性、排水性にすぐれ、生ごみの投入期間も3ヶ月と性能が高いが、有資源であるという問題を抱えている。ピートモスの代用基材としてダンボールコンポストを利用した地産地消型堆肥化を実現するために、有機性廃棄物の中から基材候補をあげ、モニターを実施。市民の堆肥化行動の継続性を高めるため使いやすさ、取り組みやすさに重点をおいて改良、問題点を抽出しながら条件を変え3年間にわたりモニターを実施。
  • 中崎 清彦, 加藤 聡一郎, 佐々木 雅彦
    セッションID: P2-B3-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    生ごみ処理法として、コンポスト化の方法が注目を集めている。しかしながら、生ごみ中には脂肪分が多く含まれており、それ自体が微生物分解されるまでに長時間を必要とするだけでなく、脂肪が他の有機物の表面を覆うことで、好気条件の維持を難しくし、微生物が有機物に接触する機会を奪って、良好なコンポスト化を困難にしている。そのため、コンポスト装置中に脂肪が大量に投入されると有機物分解速度が著しく低下し、装置としての性能を損ねてしまうトラブルも多く報告されている。 本研究では、脂肪を添加したコンポスト化において、脂肪の分解過程を把握することを試みた。その結果、脂肪分の投入量によりその分解率が大きく異なるだけでなく、分解開始は他の有機物の分解開始よりも遅れ、そして分解された脂肪の一部は一旦分解中間体もしくは菌体に取り込まれることでコンポスト中に残存していることが明らかになっ
  • 落合 知, 金子 栄廣, 田中 靖浩
    セッションID: B3-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    生ゴミを衛生的にコンポスト化する方法の一つとして、生分解性プラスチック(以降BPとする)製ゴミ袋を使用がある。しかし、コンポスト中でのBPの分解についてはよくわかっていない。そこで、BPを早期分解させるために、BPを繰り返し分解することで、分解が早くなるのではないかという仮説を立てた。また、同時にBP分解に伴う微生物群集構造の変化にも注目した。実験はBPを2週間周期で投入し、分解率の変化をみた。微生物群集構造解析ではBP分解前のコンポストとBP分解後のコンポストの微生物相の違いをRFLP法を用いて解析した。結果として、BP分解を繰り返すことにより、しだいに分解速度が上がることがわかった。微生物群集構造解析では、本研究で使用したBPを特別に分解する微生物は確認できなかった。
  • 中崎 清彦, 柳澤 満則, 小林 弘二, 杉山 浩隆
    セッションID: B3-8
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、安価で新規なセルラーゼとして、現在廃棄処分されているホタテガイウロの搾汁液に含まれるセルラーゼ(ホタテガイ由来セルラーゼ)を用いて、同時糖化発酵(SSF)により製紙工場で発生する製紙汚泥からのL-乳酸生成を検討した。SSFにおいては、セルラーゼと乳酸菌の活性を同時に高く維持することが望ましいため、ホタテガイ由来セルラーゼの活性について至適pHと至適温度を調べ、SSFに適していることを明らかにした。また、ホタテガイ由来セルラーゼには、エンドグルカナーゼと少量のβグルコシダーゼが含まれており、主にセロビオースとセロトリオースを生成する。SSFで使用する乳酸菌は、セロビオースとセロトリオースを利用してL-乳酸を生成できることを調べた。これらの結果に基づき、実際にホタテガイ由来セルラーゼを用いてSSFをおこなって、製紙汚泥からL-乳酸を生成できることを確かめた。
B4 メタン発酵(1)
  • 井手 健太郎, 高木 修一, 染谷 孝, 高山 大樹, 井上 興一
    セッションID: P1-B4-1
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,実用プラントを用い食品廃棄物を原料としたメタン発酵法の確立をはかった.メタン発酵は古く行われている技術だが,発酵槽内の微生物の動態に関する知見は少ない.そこで,理化学性のみならずメタン生成菌数や乳酸菌数などの微生物性を経時的に測定し,メタン発酵条件の最適化を検討した.その結果,酸発酵槽における乳酸菌数と総有機酸濃度には,正の相関があり乳酸菌数が有機酸生成を律速していることが明らかとなった.また,バイオガス発生速度に対してメタン生成菌数はほぼ一定で,これらには相関関係が認められなかった.これに対し,総有機酸濃度とバイオガス発生速度には高い正の相関がみられた.これらのことから,この実用プラントにおいてメタン発酵の律速段階が有機酸生成であることが明らかとなった.また,メタン生成菌数が安定していることから,現在のメタン発酵槽のHRT(29日間)をより短くできる余地があると考えられる.
  • 木科 大介, 大木 宜章, 高橋 岩仁, 関根 宏, 吉田 晃洋
    セッションID: B4-2
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は「発生した廃棄物は発生現場で処理する」ことを基本理念に、小規模コミュニティー(公共施設、家庭等)における生ごみからの効率的エネルギー回収を目指した。なお本報告では、酸生成槽およびメタン生成槽から構成される二段階メタン発酵システムに、仮想生ごみとしてキャベツを投入試料として用いた。本試料は単位体積あたりの含有有機物量が少なくガス化には過酷であるが、この条件下でシステムの長期間稼動状況と同時に効率的発酵条件を求める事とした。ここでは主として各槽内における有機酸に着目し、この挙動について検討を行った。結果として、長期間における有機酸濃度の挙動について確認でき、また、試料投入間の有機酸濃度の経時変化から各槽内の有機物分解過程について確認できた。
  • 多田羅 昌浩, 牧内 崇志, 上野 嘉之, 後藤 雅史, 宮野 寛, 早出 広司
    セッションID: B4-3
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
     低級脂肪酸,中でもプロピオン酸は熱力学的に嫌気分解しづらく,リアクタに蓄積し,メタン発酵を阻害する場合が多々ある。本研究では,酢酸あるいは酢酸とプロピオン酸を主な炭素源とする人工培地を作製し,炭素繊維製担体を充填した高温固定床式メタン発酵リアクタを用いて処理特性について検討を行った結果を報告する。 実験結果から,高温固定床式高温メタン発酵において,酢酸の分解におけるHRTは1時間以上,プロピオン酸の分解におけるHRTは10時間以上必要であると考えられる。また,この系におけるプロピオン酸の最大分解速度は13.7g/L-reactor/dayであることが分かった。本実験では,既知のプロピオン酸酸化細菌の増殖速度よりもかなり短いHRTでの運転においても,プロピオン酸が安定して分解されることが確認できた。本試験結果は増殖速度の遅い微生物が担体に付着することで短いHRTによる運転が可能であることを示唆している。
  • 宮野 寛, 多田羅 昌浩, 後藤 雅史
    セッションID: B4-4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
     近年、有機性廃棄物の処理技術としてメタン発酵法が注目されているが、生ごみのような有機性固形廃棄物を処理する場合は、1もくしは2倍程度の希釈水を加えるため排水処理費用が増大するといった課題がある。 そこで、本研究では、有機性固形廃棄物の無希釈メタン発酵を行う技術を開発することを目的とし、異なる4タイプのリアクタ(ポンプアップ式、固形物滞留タイプ1槽式、固形物滞留タイプ2槽式、完全撹拌混合式)を用いて実験を行い、各リアクタの無希釈メタン発酵への適用性を検討した。 処理特性、アンモニア除去特性、装置の操作性の観点から適用性を検討したところ、ポンプアップ式リアクタが無希釈メタン発酵に最も適用可能であり、次点が固形物滞留タイプ2槽式リアクタであるといった結果を得た。また、無希釈メタン発酵を行うことにより、液状残渣の削減が計れるとともに、前処理段階で投入原料を微粉砕する必要性がないことを確認できた。
  • 西崎 吉彦, 奥野 芳男, 小泉 佳子, 八巻 昌宏
    セッションID: B4-5
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    この研究では食品廃棄物を二相循環式・無希釈メタン発酵処理システムで処理するというものである。二相循環式・無希釈メタン発酵処理システムとは、高温可溶化槽・中温メタン発酵槽の二相を組み合わせ、メタン発酵した液を返送して生ごみと混合することで希釈のための水を加えることなく無希釈でメタン発酵することができるシステムである。実生ごみを処理対象として規模1t/日の実証試験を行った。バイオガス発生量は生ごみ1tonあたり150Nm3以上でありまたメタン濃度として60%前後であった。また高いVS除去率が得られた。中温メタン発酵を選択していたのでアンモニアが運転期間中2500_から_5000mg/kgであったが、阻害なく運転することができ、希釈水を加える必要がなかった。
  • 後藤 雅史, 宮野 寛, 八村 幸一, 牧内 崇志, 多田羅 昌浩
    セッションID: B4-6
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/20
    会議録・要旨集 フリー
    有機性廃棄物からエネルギー資源を回収することが可能なバイオガス化施設は、すでに国内で生ごみを対象とする数ヶ所の実施設が稼動を始めている。しかし、廃棄物系バイオマスには、メタン発酵阻害因子が含まれる可能性があるため、単独処理に問題のあるものも多い。本研究では、バイオディーゼル製造残渣(廃グリセリン)、魚アラ、ならびに廃紙類について、生ごみとの混合バイオガス化処理の可能性ついて検討した。生ごみに対するこれらの廃棄物系バイオマスの許容混入率ならびに安定した連続運転に必要な条件を実験的に検証し、期待されるバイオガス回収量原単位を推定した。その結果、廃グリセンリン及び魚アラについては、それぞれ10%程度以下が許容混入率であった。また、生ごみと上記の廃棄物系バイオマスを混合処理した場合のLCCO2を評価したところ、混入率が適正範囲であれば混合処理システムの環境負荷が生ごみ単独処理に比して有利であった。
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