日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2004年年会講演予稿集
選択された号の論文の616件中201~250を表示しています
  • 中平 敦, 玉井 将人, 久保 敬, 西村 文秀, 左 容昊
    セッションID: 1J10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    噴霧熱分解法により種々のCa/P比のリン酸カルシウム粉末を合成した.その得られたリン酸カルシウムのキャラクタリゼーションを行い,生体活性も調べた.
  • 太田 光彦, 田近 正彦, 中平 敦
    セッションID: 1J11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ポリアクリルニトリルとDMFの相分離を利用して,多孔性の水酸アパタイトやリン酸カルシウムを作製した.得られた多孔体の組織学的評価と,生体応用を目指して,生体活性などを評価した.
  • 井奥 洪二, 川内 義一郎, 佐々木 修治, 藤森 宏高, 後藤 誠史
    セッションID: 1J27
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ハイドロキシアパタイト(HA)の高機能化を目的とし、特定の結晶面を多く露出する新規な生体活性材料の創製を試みた。α型リン酸三カルシウム(α-TCP)を出発原料とし、顆粒状あるいはシート状の形態を付与して100℃_から_250℃の水熱条件下において水和硬化反応させた。得られた生成物は、化学量論組成よりもカルシウムの不足したCa欠損HAであった。この化学組成は、現行のHA材料よりも骨中のHAの化学組成に近い。顆粒状あるいはシート状の形態はそのまま保たれており、六角柱状の単結晶状HAの粒子から構築されていることが確認され、a面を特異的に露出していると考えられる。結晶面を制御したHA材料は、培養骨のスキャホールド、骨充填材料、吸着分離材料、DDS等として期待できる。
  • 相澤 守, 治田 貴美, 岡田 勲
    セッションID: 1J28
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    最も一般的なアパタイトセメントはリン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウムとを所定の溶液とともに混練することによりアパタイト化して硬化する。本研究では、生体関連物質で極めて安全性の高いイノシトールリン酸のキレート作用を利用して、アパタイト単一成分で硬化する新規なアパタイトセメントを開発した。アパタイト粒子をイノシトールリン酸溶液に分散させ、その表面にイノシトールリン酸を単分子均一吸着させた。この表面修飾を施したアパタイト粒子を水ともに混練して硬化させた。硬化時間は固液比に依存するが、約10分であった。そのセメントの圧縮強度は約3MPaであったが、生体擬似体液に浸漬するとその強度は増加した。また、骨芽細胞を用いてその生体適合性を調べたところ、細胞毒性は見られなかった。
  • 濱上 寿一, 阿藤 由希, 金村 聖志
    セッションID: 1J29
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    我々は高規則配列したマクロ孔を有するアパタイト多孔質膜を作製するために電気泳動法を適応し、そのプロセスについての検討を行っている。具体的には、単分散ポリスチレン(PS)球状粒子表面に水酸アパタイト(HAp)微粒子が付着した複合粒子を電気泳動によりチタン基板上に規則配列させた膜を形成し、その後、熱処理を加えることで、PSを熱分解除去し高規則配列したマクロ孔を有するアパタイト多孔質膜を作製した。走査型電子顕微鏡による観察から、試料の表面と断面に高度に制御されたマクロ孔をもつ多孔質膜が得られていることが確認された。さらに、擬似体液を用いたin vitro評価の結果から、得られた多孔質膜は優れた生体親和性を有することが分かった。
  • 西村 文秀, 中平 敦
    セッションID: 1J30
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    電気泳動法を用いて簡便に一方向性の貫通孔を持つ多孔性セラミックスを作製した.微細組織と電気泳動時の作製パラメーターの相関を明らかにし,生体活性を評価した.
  • 張 垠, 横川 善之, 永田 夫久江, 亀山 哲也
    セッションID: 1J31
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    メカノケミカル法で粒径を制御したアパタイト粉体を用いてスラリーを調製し、鋳型を用いてアパタイト多孔体を作製した。アパタイト粉体の粒径とスラリーの特性、得られたアパタイト多孔体の機械的特性を調べた。アパタイト粉体をTEM、遠心沈降式粒度測定装置、BET測定装置で調べ、スラリー中のアパタイト固形分の割合、スラリーの粘性を回転式粘度計で測定し、アパタイト多孔体の曲げ強度等を万能試験機で調べ、その関係を明らかにした。
  • 貞岡 和男, 川下 将一, 小久保 正, 齊藤 高志, 高野 幹夫, 平岡 眞寛
    セッションID: 1J32
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    直径約20_から_30 μmの強磁性微小球を血管を介して腫瘍部近傍に送り込み、その部位を交流磁場の下に置くと、同微小球が磁気ヒステリシス損により発熱するので、体内深部の癌を局部的に加温し治療し得る。当研究室では先に、水溶液からの析出により、強磁性γ-Fe2O3微小球が得られることを明らかにした。しかし、同微小球の密度は大きいので、患部に送り込まれた際、背側に溜まる恐れがある。本研究では、ウレアーゼを用いた酵素反応により、中空の強磁性微小球を作製することを試みた。その結果、中空の構造を有する直径約500 μmのγ-Fe2O3微小球を得ることに成功した。同微小球は飽和磁化43 emu・g-1、保磁力150 Oeの強磁性を示した。磁気ヒステリシス曲線から同微小球の300 Oe、100 kHzにおける発熱量は、27 W・g-1 であると推測された。
  • 板谷 清司, 阿部 真理, 幸田 清一郎, 梅田 智広, 平野 昌弘, 竹内 啓泰
    セッションID: 1J33
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    β-リン酸三カルシウム(β-TCP)は、生体吸収性材料として使用されている。我々はβ-TCP粒子をさらに中空球状とすることで今までにない特性が付与でき、幅広い用途での応用が可能になると考えている。そこで、噴霧熱分解法によるβ-TCP中空球状粒子の調製を試みた。焼成条件(焼成温度、昇温速度、保持時間)が及ぼす形態への影響及びその物性について調べた結果、焼成条件を制御することで、得られる粒子は中空球状のみならず、その他にも噴霧熱分解の過程で気孔同士の合体により気孔径が増大し一部穴のあいた粒子の調製も可能であることが分かった。そこで、薬剤徐放特性の付与及びより早期での吸収性材料の開発へと生かすために、一部穴のあいた中球空球状粒子となる焼成条件900℃、10℃/min、10min保持を最適焼成条件として決定した。
  • 佐々木 恵, 藤本 達也, 春日 敏宏, 野上 正行
    セッションID: 1J34
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    本研究室では、生体親和性に優れ、機械的性質にも優れるリン酸カルシウム結晶化ガラスをこれまでに開発している。この結晶化ガラスの新しい形態として、骨充填剤への応用が期待される。本研究では、ガラス粉末と水酸化カルシウムを混合、焼結することで、β-TCPを主成分とする結晶相とガラス相の複合材料を作製した。この複合材料の溶解挙動等を調べた。
  • 佐々木 健人, 中村 聡, 大原 愛, 小林 雅博, 山下 仁大
    セッションID: 1J35
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    生体材料であるアパタイトやバイオグラスはポーリング処理によってその表面に大きな電荷を誘起させられることが確認されている。本報告では繊維成形が可能であるCPSAガラスにNaを添加し、ポーリングが可能な生体ガラス繊維を作製することを報告する。ポーリングについては擬似体液・コロイド溶液などを用いた浸漬試験と、試料が蓄積した電荷量をTSDC測定によって確認する。
  • 河合 将晴, 川下 将一, 小久保 正, 中村 孝志
    セッションID: 1J36
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    これまでに、シランカップリング処理後、カルシウムシリケート溶液(CS)処理したエチレン_-_ビニルアルコール共重合体(EVOH)が、ヒトの体液とほぼ等しい無機イオン濃度を有する擬似体液中でその表面に均一にアパタイトを形成することが明らかにされた。本研究では、シランカップリング処理することなく、直接CS処理することにより、各種高分子基板にアパタイト形成能を付与できるか否かを調べた。EVOH及びポリエチレンテレフタラート(PET)にはアパタイト形成能を付与できたが、ポリエチレン(PE)には付与できなかった。グロー放電処理後CS処理すれば、EVOH及びPETだけでなくPEにもアパタイト形成能を付与できた。EVOH表面に形成されたアパタイト層と基板との接着強度は、前処理条件に関わらず、約1.6MPaであり、破断はアパタイト層と基板の間で生じた。
  • 佐藤 公泰, 熊谷 友里, 渡利 広司, 田中 順三
    セッションID: 1J37
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    生体内においてハイドロキシアパタイト(HAp)などの無機結晶が形成される際には、カルボキシル基などの有機官能基と無機物の界面相互作用が重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、生体高分子に含まれる官能基の立体構造や無機結晶との相互作用が解明されていないため、その分子論的機構は詳細が明らかにされていない。本研究においては、カルボキシル基の配列が明らかなアラキジン酸ラングミュア膜を生体膜モデルとして用い、カルボキシル基の誘導によりHApの核形成・結晶成長が起こる過程を、外部反射赤外分光その場測定により調べた。
  • 川原 実, 宇都野 太, 井上 博之, 安井 至
    セッションID: 1K06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    Feの酸化還元反応はガラスの物性に大きく影響し、大変重要なプロセスである。組成、構造、温度と、酸化還元状態の相関をシミュレートできる計算手法が望まれていた。本研究室ではガラス中の酸化還元反応に広く適用できる計算手法の開発を目指しており、近年開発されたfluc-q分子動力学法を用いて研究を進めている。今回は、Feのケースを報告する。ガラスの塩基度が増加すると、Feは熱力学的な予測とは逆に、酸化側へ平衡移動することが知られている。ソーダシリケイトのNa2O含有量により塩基度を変化させ、ガラス中のFeの酸化還元状態がどのように変化するか、組成と構造との関連から考察する。
  • 若杉 隆, 中尾 真理子, 田中 勝久, 大田 陸夫
    セッションID: 1K07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ガラス融液から金属イオンを除去する可能性を検討するために、ホウ酸塩ガラス融液と不混和を示す硫酸塩および塩化物を用いて、二液相間のFeの分配平衡を測定した。二元系のアルカリホウ酸塩とその硫酸塩または塩化物を1473Kで溶融平衡させた。硫酸塩中にはFeはほとんど溶解せず、分配比(硫酸塩または塩化物中のFe濃度/ガラス中のFe濃度)は0.1以下であった。一方、塩化物の場合は最大で6程度の分配比が得られたが、ホウ酸塩融液中のアルカリ酸化物濃度が高くなると分配比は低下した。
  • 金澤 一樹, 若杉 隆, 田中 勝久, 大田 陸夫
    セッションID: 1K08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ガラス融液の清澄プロセスを検討するために硫酸ナトリウムの分解圧の測定を試みた。硫酸ナトリウムを含有するソーダライムガラス、ナトリウムシリケートガラスを対象に、1350℃で溶解しながら減圧を行った。減圧とともに泡が発生するが、泡が発生し始める圧力が硫酸ナトリウムの分解によるSO2およびO2ガス分圧の和に等しいとして、分解圧を求めた。分解圧の硫酸ナトリウム濃度依存性を調べ、硫酸ナトリウムの清澄作用について検討した。
  • 内田 俊輔, 山本 直一, 花田 禎一
    セッションID: 1K09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    近年、立方晶ZrW2O8が負の熱膨張を示すことが報告されて以来、負あるいは低熱膨張を有する材料の研究がさかんに行われ、Al2(WO4)3やY2(WO4)3もその一つである。しかし、特異な熱膨張挙動を示すこれらの結晶組成や二成分系、三成分系のガラス化についてはほとんど報告されていない。そこで、本研究ではY2O3-ZrO2-WO3-Al2O3系に着目し、溶融急冷法によりガラス化範囲を決定し、得られたガラスの熱膨張測定を行った。
  • 三嶋 尚史
    セッションID: 1K10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    擬二成分Li2O・2SiO2-Na2O・2SiO2系に核生成剤として白金を添加したガラスの結晶化挙動が調べられた。25-200ppmPt添加すると0.6Li2O-0.4Li2Oの組成範囲において、熱処理したガラス内部に針状結晶粒子が析出することがわかった。この針状粒子はXRD測定によりLi2O・SiO2と同定された。核生成剤フリーでは、そのような内部結晶は見られなかった。白金添加が結晶化を促進し、針状結晶の析出はPtが結晶核あるいは結晶サイトとして作用しているためと考えられる。50ppmPt添加ガラスでは、Li2O含有量が大きいほどLi2O・SiO2の核生成速度は大きく、結晶成長速度も増大することが示された。Li2O・SiO2の結晶成長速度より活性化エネルギーが算出されれた。
  • 黒瀬 晋也, 吉田 智, 松岡 純
    セッションID: 1K11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    同位体を置換させたガラスの研究は組成依存性による研究とは異なり、元素置換による原子半径や電気陰性度の変化が無く、質量のみ変化させた効果が得られるため、比熱や粘性からガラス転移の支配要因を探るのに有用である。我々はこれまでに、B2O3ガラスの比熱から見かけの活性化エネルギーを求め、その値が同位体混合比により異なることを見出した。そこで本研究ではB2O3と2成分系ガラスで粘性の同位体効果を調べた。その結果、同位体混合B2O3ガラスの見かけの活性化エネルギーは純粋な同位体ガラスより高かった。また、Vogel-Fulcher-Tammann式を用いた特性温度T0にも同位体効果が存在した。さらに、2成分系データについても報告する。
  • 井上 順之, 松岡 純, 吉田 智
    セッションID: 1K12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ガラス中の遷移金属イオンの吸光スペクトルはガラス構造を強く反映している。この点から融液での吸光特性を調べることは学問的に興味深く、また、ガラス溶融製造プロセスでの熱伝達の解析、酸化還元状態の制御に必要とされる基礎的な情報を与えるため、工業的にも重要視されている。
     本研究では、室温から1200℃までの温度範囲で測定出来る可視紫外分光光度計を作製し、Cu2+含有ナトリウムホウ酸塩ガラスの吸光スペクトルを固体から融液状態まで測定した。その結果、温度の上昇に伴って吸収帯の幅が広がり、ピーク位置は低波数側にシフトする傾向が見られた。
  • 松田 厚範, 山見 奈々, 武藤 浩行, 逆井 基次
    セッションID: 1K13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ゾルゲル法により作製したシリカ系無機_-_有機ハイブリッド厚膜の硬度を圧子圧入試験により評価した。圧入深さに対して膜厚を十分厚くすることで、膜の真の硬度を求めることができた。ハイブリッドゲル膜の硬度は、熱処理時間が長くなるほど、また無機成分が多くなるほど増大することがわかった。膜硬度の増大は、Si-O-Si架橋構造の発達を反映している。
  • 谷口 健英, 伊藤 節郎
    セッションID: 1K14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ガラスは脆性材料の1つで変形や破壊のメカニズムの解明は脆性克服のために重要である。これまで窓ガラス組成の多成分系ガラスについて変形と破壊のメカニズムをMD計算で調べてきた。この計算からネットワークの量とNaの量のバランスが変形と破壊に関係することがわかってきている。またSiO2とNa2Oの組成比を変えることによってノーマルガラスやアノーマラスガラスの変形挙動の違いを明らかにすることが期待される。本研究ではNa2O-SiO2ガラスの変形と破壊挙動についてMD計算を行いその結果を報告する。
  • 中井 隆史, 吉田 智, 松岡 純
    セッションID: 1K15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ガラスに存在する亀裂は、応力下で緩やかに伸長する。この挙動は低速亀裂伸長と呼ばれ、ガラスの長期耐久性や信頼性を評価するために重要である。本研究では不活性雰囲気下で実験を行い、環境中の水分ではなくミクロな構造に依存する内因性の低速亀裂伸長挙動を評価した。その結果、メタリン酸塩ガラス内のアルミナ含有量が増加すると破壊靱性は高くなり、さらに疲労特性と関係する亀裂伸長曲線の傾きは小さくなった。これは、メタリン酸塩ガラス中に強固なO-Al-O結合が導入されることにより、平均結合強度が増大し、かつ疲労亀裂伸長経路が形成されたためであると考えられる。
  • 細野 秀雄, 松石 聡, 林 克郎, 宮川 仁, 神谷 利夫, 平野 正浩
    セッションID: 1K27
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    電子がアニオンとして働くイオン結晶は「エレクトライド」と称され、1983年に初めて合成された。特異な光・電子特性が期待されているが、最大の欠点は低温かつ不活性雰囲気 下のみでしか安定でないことであった。今回、室温・大気中で安定なエレクトライドの合成に成功した。本講演では合成法と特性について述べる。
  • 細野 秀雄, 金 聖雄, 酒井 崇, 宮川 仁, 神谷 利夫, 平野 正浩
    セッションID: 1K28
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    C60やカーボンナノチューブの研究は大量合成法が開発されて、大きく進展した。よってエキゾチック物質を材料として応用を進めるには、大量合成法の確立が不可欠である。本研究では、室温・空気中で安定なエレクトライド C12A7:e-を、メルトやガラスを経由することで容易にかつ大量に合成する方法について述べる。
  • 兼平 真悟, 桐原 聡秀, 宮本 欽生, 迫田 和彰, 武田 三男
    セッションID: 1K29
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ダイヤモンド型フォトニック結晶は、結晶周期と同程度の波長を有する電磁波を、方向によらずブラッグ反射により完全反射することができる。電磁波の禁制帯はフォトニックバンドギャップと呼ばれる。フォトニック結晶を用いて数10GHz以上の高周波領域の電磁波を制御するには、結晶周期が小さく、さらにセラミックス単体からなるフォトニック結晶が望ましい。本研究では、高精度に樹脂モデルを作製できる光造形法と焼結法を用いて、高誘電率であるTiO2/SiO2セラミックス単体からなる、ミリメートルサイズのダイヤモンド型フォトニック結晶の作製を試みた。
  • 宮本 欽生, 森 豊貴, 桐原 聡秀, 武田 三男, 本田 勝也, 迫田 和彰
    セッションID: 1K30
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    我々は誘電体を自己相似的に配列させた機能材料を新たに作製し、フォトニック・フラクタルと名付けた。これまでに、光造形法を用いてチタニア系粒子を分散したエポキシ樹脂により、メンジャースポンジ構造を有するミリメーター・オーダーのフォトニック・フラクタルを作製した。構造に見合った波長においてマイクロ波の反射および透過率が急激に減衰する現象を観測し、電磁エネルギーが構造体内部に強く局在するフラクトン・モードを見い出している。本研究では、フォトニック・フラクタル構造を複数個つなぎ合わせることでポリフラクタル構造を作製し、産業応用への道筋を開こうと考えた。
  • 桐原 聡秀, 宮本 欽生, 武田 三男, 本田 勝也, 迫田 和彰
    セッションID: 1K31
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    CAD/CAMの光造形法とセラミック焼結により、メンジャースポンジ型フラクタル構造を有する誘電体三次元構造を作製した。電磁波の透過および反射特性を評価したところ、特定周波数で両者がともに減衰を示す特殊な電磁波モードの形成が観察された。三次元構造の設計および作製法や、フラクタル構造特有の電磁波モード形成について述べる。
  • 孟 志葱, 司 金海, 邱 建栄, 平尾 一之
    セッションID: 1K32
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    本研究は、フェムト秒レーザーの多光束干渉を用いたフォトニック結晶成形とその応用を目標としている。三次元フォトニック結晶においては、三次元周期的屈折率分布をもうけることにより、ある特定の波長域の光が全ての方向に伝搬が禁止され、さらには存在さえ許されないバンドギャップが形成される。この光学特性を生かして無閾値の単一波長レーザーや低損失集積光導波路などの光デバイスが考案されており、極微小の光回路の構成が可能となり、近年大変注目を集める材料である。しかし、フォトニック結晶、特に完全三次元フォトニック結晶の作製にはマイクロ・ナノオーダーでの極微細三次元マイクロ造形技術が要求され、実現は現状において極めて困難である。私達はフォトポリマーを用いて、フェムト秒レーザーの照射より、多光子吸収を起こさせ、多光束レーザー光の干渉によって三次元フォトニック結晶を高精度に瞬時的に作製する方法について研究を行っている。
  • 轟 眞市, 井上 悟
    セッションID: 1K33
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    大出力光源の普及に伴い、過大な光入力による光部品の損傷が問題となっており、過剰光の入力に反応して回線を切断する光ヒューズが求められている。我々は、入力光以外のエネルギーを必要とせずに光ヒューズとして動作する新しい部品構造を、シリカガラス製光ファイバ回線内に構築することに成功した。2 本の光ファイバをTeO2ガラスで融着し、その周囲を炭素を含有した塗料でコートした。挿入損失は2dB前後であった。1.54μmのCW光を一方の光ファイバから入射し、その出力を増していったところ、光ファイバで挟まれた空間から閃光が放出され、ガラスの接合部が消失し、挿入損失が平均12dB増大した。光ファイバ間の光学的結合の切断は、ガラスの熱変形の他に結晶析出の寄与が考えられる。
  • 水野 真太郎, 本間 剛, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
    セッションID: 1K34
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    現在、光波を制御する光ICは数100mのサイズであるが、通信情報量の爆発的な増加により次世代デバイスとしてナノサイズの光制御デバイスが要求されている。本研究では、近接場を用いた新規の伝搬方式による超小型光回路の実現を目指している。テルライト系ガラスは大きな屈折率および非線形光学特性によって、次世代の光制御ガラスとして注目されており、これまでに、紫外レーザー光照射による1次元/2次元規則化ナノ構造形成が報告されている。本研究において、ガラス表面へのレーザー照射によるナノ構造の作製と、照射条件によるモルフォロジー変化、すなわちレーザーによるナノ構造制御について調査を行った。
  • 高橋 賢, 荒井 雄介, 矢野 哲司, 柴田 修一
    セッションID: 1K35
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    有機・無機ハイブリッド材料を用いることにより、光共振用微小球や光学薄膜など優れた光機能素子の作製が可能である。これまで光共振用微小球への光の導入は、微小球をレーザー光で直接照射することにより行われてきた。本研究では光導波路を作製し、導波路を通じて微小球のレーザー光励起を実現することを目的とする。フォトリソグラフィーを適用して、有機・無機ハイブリッド材料からなる光導波路の作製を行い、作製条件の最適化、光損失の低減化について検討した。光導波路を用いて色素含有光共振用微小球にレーザー光を導入し、微小球からのレーザー発振を確認した。
  • 末次 竜也, 大谷 剛司, 垂水 孝至, 栄西 俊彦, 角野 広平
    セッションID: 1K36
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
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    ソーダライムガラスやほう珪酸塩ガラスを用いてカッパーステイン法によりCu-Alkaliイオン交換を行った。イオン交換ガラスは無色で、ガラス中にはCu+イオンが選択的に導入されていることが示された。プリズムカップリング法によりイオン交換領域で光の導波が確認された。ガラス表面からの散乱光強度の変化を導波方向で測定することにより光伝搬損失を見積もった。また、イオン交換条件と伝搬損失の関係を検討した。
  • 上妻 啓人, 崎田 真一, 難波 徳郎, 三浦 嘉也
    セッションID: 1K37
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    光通信システムにおいて光の通る道を導波路といいまた損失の低い導波路は光集積回路実現の必須のデバイスである。本研究では重金属酸化物ガラスにEr3+をドープしたガラスをベースガラスとしてチャンネル型導波路を作製した。実際にはベースガラスをAg+イオンを含む溶融塩に浸しガラス中のNa+イオンをAg+イオンで置換して導波路を作製した。ガラス中のイオンが置換されて屈折率に勾配ができるのでグレーデッド型の導波路の作製が可能である。ベースガラスには高屈折率な重金属酸化物ガラスを選択し、Er3+をドープしているのでアンプやレーザーとしての利用も期待できる。本研究ではイオン交換にAgNO3, NaNO3, KNO3の3成分からなる溶融塩を使用し、効率よくイオンを交換した。屈折率および導波損失を測定し導波路作製に適したイオン交換温度と時間を考察した。
  • 後藤 篤史, 小野田 美紀, 森田 祐子, 木下 博章
    セッションID: 1K38
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    ゾルゲル法を用いて径方向に屈折率分布を持った微小レンズの作製に成功した。その組成はSiO2-TiO2-BaO-K2O系からなり、径方向にBaOの組成を変化させることで屈折率の分布を付与している。これまで本手法では、レンズ径が3mm, 4mmの屈折率分布型レンズを作製してきたが、本検討では1.7mmの微小な屈折率分布型レンズの作製に成功した。本レンズは外周と中心の屈折率差が0.047であり、その光学特性は解像度で200lp/mm(line pairs per 1mm)以上を有し、撮像光学系に適用可能レベルであった。
  • 藤野 茂, 小宮 知久
    セッションID: 1K39
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    酸化物、フッ化物ガラスの屈折率波長分散特性は新規光デバイスを開発するために重要な性質である。近年、紫外から遠赤外波長域までのレーザー光源の発振波長の多種多様化が進むにつれ、ガラスの広範囲波長における屈折率が重要となってきた。しかしながら広範囲波長における屈折率波長分散特性を実測した報告例は数少ない。本研究では酸化物、フッ化物ガラスの屈折率を0.1941 mmから4.203mmまでの波長域において最小偏角法により、高精度に測定し、得られた屈折率波長分散性をもとに材料分散ゼロ波長を決定し、その組成依存性を明らかにした。
  • 森 一広, 川合 將義, 八柳 晃, 大石 晃嗣, 神山 崇, 石垣 徹, 伊藤 恵司, 福永 俊晴
    セッションID: 1L06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    コンクリートはあらゆる建造物に利用されている優れた機能性材料である。しかしながら、セメント硬化体は複数の成分に加えて、「結晶相」と「非晶質相」が混在する極めて複雑な組成であるため、その微細構造は十分に理解されているとは言えない。本研究の目的はセメント圧縮強度に寄与していると考えられているC-S-Hゲルの構造を調べることである。今回、我々はその前段階としてセメントの主成分である珪酸三カルシウムの水和反応実験を行い、粉末中性子回折パターンの時間変化とそれぞれの回折パターンに対してリートベルト解析を行った。その結果、水和反応開始から約6時間後に水酸化カルシウムが急速に出現することを観測した。
  • 浅賀 喜与志, 柳澤 知弥
    セッションID: 1L07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    特殊な界面活性剤を使用して水セメント比が1-4と大きなセメントペーストを作成した。材齢1-91日の硬化体の水和物の形態をSEMで観察し、細孔構造をp水銀圧入法で測定した。粒度の異なる高炉スラグ、シリカフューム、石灰石微粉末を添加したセメントペーストについても同様な観察、測定を行なって比較検討し、添加材が水和物の形態や細孔構造に及ぼす影響を考察した。水比が大きいので長期材齢のペースト中でもC-S-Hの形態をよく観察でき、材齢や添加材によるC-S-Hの形態の変化を検討することが容易になることがわかり、それに伴う細孔構造の変化を考察した。
  • 井元 晴丈, 坂井 悦郎, 大門 正機
    セッションID: 1L08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    高炉セメントの水和反応解析を行った。その結果、高炉セメント全体の反応率は、材齢91日においてもOPCよりも小さいが、圧縮強度は高炉セメントの場合の方が高い値を示した。水和反応解析に基づく相組成モデルを適用することで強度と相組成変化について考察を行った。相組成モデルに基づき、ゲル空隙比を計算し強度との相関について検討したところ、水酸化カルシウム量をセメント鉱物とみなして計算をおこなうことで、高炉セメントとOPCの場合で、仮想強度S0の値が同程度となった。
  • 小泉 公志郎, 露木 尚光
    セッションID: 1L09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    ポルトランドセメントや高炉水砕スラグ微粉末等の水硬性材料が塩害の被害を受けた場合,アルミネート相において安定なフリーデル氏塩が生成することにより塩化物イオンが固定化される事が知られているが,シリケート相における塩化物イオンの影響についてはほとんど検討されていない。本報告では,塩化物イオンがシリケート相に与える影響について,ケイ酸陰イオン骨格構造の変化をトリメチルシリル化法を用いることによって調査した結果を報告する。28日間アルカリ下で水和を進行させた高炉水砕スラグに対して塩化物イオンの溶液を作用させたところ,ケイ酸陰イオンの短鎖長化が確認された。
  • 山田 一夫, 森 大介, 細川 佳史, 山本 正義
    セッションID: 1L10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    塩害環境下における鉄筋コンクリート(RC)構造物の耐久性の定量的評価は、性能照査設計や供用後の維持管理計画のために重要となってきている。そのため、塩水浸せき試験や実構造物からのコアなどの塩化物イオン(Cl-)の濃度プロファイルから、コンクリートのCl-の見掛けの拡散係数(Da)を求め、RC構造物の寿命を推定する試みが広く行われている。Daの推定には、精度よく濃度プロファイルを測定する必要があることから、EPMAの面分析(カラーマッピング)よりCl-濃度プロファイルを作成する方法の検討を行った。EPMAを用いた方法により、骨材部分を画像処理により容易に取り除くことが出来、セメントペースト部分のCl-濃度プロファイルを高分解能で作成することが可能となった。
  • 宮本 壮, 大宅 淳一, 坂井 悦郎, 大門 正機, 高橋 茂
    セッションID: 1L11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    セメントには資源の有効利用の観点から、各種の副生成物や廃棄物を原材料としている。これらの中に微量成分としてCr,Mo,Se等の有害金属が含まれ、土壌環境基準がある。これらの溶出挙動の把握は環境保全の立場から重要であるが、セメント水和物による固定化が期待できる。本研究ではセレン酸に注目し、カルシウム化合物による、その固定化に関する実験を行った。C3A+((1-x)CaSO4+xCaSeO4)・nH2O(x=0_から_1.0)の配合比で水粉体比0.6で混合し、7_から_91日間水和させその生成物について検討を加えた。その結果、セレン酸イオンはカルシウムアルミネート水和物に固定化されていることが明らかになった。
  • 新 大軌, 坂井 悦郎, 本多 進, 伊藤 昭則, 大門 正機
    セッションID: 1L12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    二酸化炭素生成量削減対策とした低環境負荷型のセメントとして、高炉セメントが注目されており、混和材としての高炉スラグの役割は重要になっていくものと考えられる。一方、ナフタレンスルホン酸系高縮合物(β_-_NS)やポリカルボン酸系分散剤のような高分子系分散剤が高流動、高強度コンクリートの施工に実用されているが、このような高性能AE減水剤を添加した高炉セメントについての吸着・分散作用を明らかにした例は少ない。本研究では、高性能AE減水剤の高炉セメントへの吸着・分散作用、および高炉セメントの初期水和への影響を明らかにし、流動性の制御方法を確立することを目的に検討を行う。
  • 野崎 隆人, 新 大軌, 坂井 悦郎, 大門 正機
    セッションID: 1L13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    環境への配慮が高まっている昨今、セメント産業もより多くの原料をリサイクルによって賄っていく必要がある。廃棄物由来の原料成分はC3Aが多く含まれてしまい初期水和は激しく、流動性の保持のために分散剤の添加が不可欠となる。また流動性の制御に際して、高炉徐冷スラグを添加するとC3A相に作用するという研究報告がある。本研究では既存のセメント材料の中でもっともC3A成分を多く含有するエコセメントを用い、高炉徐冷スラグ微粉末を混和した際の各種分散剤の吸着量と流動性の関係について検討を加えた。
  • 坂井 悦郎, Bayanjargal Ochirhuyag, 大門 正機
    セッションID: 1L14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    硫酸イオンの影響が著しいとされるポリカルボン酸系分散剤については、吸着阻害や分子の収縮の影響が大きいことが報告されている。しかし、初期の水和は反応への影響を含めた検討は十分ではない。ここでは、初期に著しく水和反応をし、比表面積が変化するCa3Al2O6-二水セッコウ-K2SO4系の水和と各種分散剤の吸着挙動を明らかにするため、水和にともなう比表面積の変化を測定し、それらと吸着量との関係を整理し、硫酸ナトリウム添加の影響について検討した。その結果、ポリカリボン酸系分散剤では、硫酸ナトリウムの添加は、注水直後の初期水和を抑制するが、比表面積当たりの吸着量は減少させることを明らかにした。
  • 中野 耕嗣, 藤森 宏高, 井奥 洪二, 後藤 誠史, 光藤 浩之
    セッションID: 1L15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    水砕スラグは、セメント混和材料として、水和反応性を求めて改良されてきた。最近、スラグ砂としての利用が増え、その場合、反応性を押さえることが要求されるようになってきた。固結防止法の一つとして、炭酸化による表面処理が考えられ、スラグ炭酸化の研究の一環として、スラグ懸濁液に炭酸ガスを吹き込み、pH変化の挙動を観察し、スラグ粒子表面の変化を検討した。
  • 奥平 理香, 大場 陽子, 坂井 悦郎, 大門 正機
    セッションID: 1L27
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年、環境問題に関連して、セメント産業においても排出CO2の削減が切望されている。このような要望を実現する手段のひとつとして、セメントの炭酸化反応を利用しコンクリート構造物にCO2を固定化させる方法が挙げられる。とくに、低熱ポルトランドセメントにエチレン酢酸ビニル共重合体を添加した系(一般にポリマーセメントと呼ばれている)では強度特性の向上をともなう著しいCO2の吸収が確認されているが、その反応機構については解明されていない。本研究ではこのポリマーセメントの炭酸化の反応機構や強度発現性を調査し、また今後このような反応を利用した材料開発を行うための基礎的なデータを得ることを目的とした。
  • 明戸 剛, 林 浩志, 羽原 俊祐
    セッションID: 1L28
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年、地球温暖化など、地球環境に対する関心の高まりを背景に、省エネルギー化に関する取り組みが広く展開されている。その一つとして建築物の断熱化が挙げられる。一般的に断熱材の断熱性能と比重の間には相関があり、比重が小さいと断熱性能に優れる傾向にある。その様な観点から現在、断熱材料としては有機系断熱材が多く用いられている。しかし、有機系断熱材は強度、耐火性能が十分ではなく、発泡断熱材の場合にはフロン規制の問題が生じるため、無機系の断熱材料に対する期待は高い。そこで本研究では、強度、耐火性、施工性に優れるセメント組成物に着目し、断熱材料としての利用について検討した。
  • 斎藤 豪, 坂井 悦郎, 大門 正機, 三田 卓
    セッションID: 1L29
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    住宅分野では、屋根材や外壁材に水熱反応した繊維補強セメント系材料が使用されている。繊維補強セメントは長期のひび割れ抵抗性と力学的特性から、水熱反応により結晶性のケイ酸カルシウム水和物を生成させることと繊維との複合が必要不可欠である。現在は、環境負荷の観点から有機繊維が使用され、それに伴い水熱反応の温度が、ケイ酸カルシウム水和物生成の観点から好ましい180℃から170℃程度以下に低下している。ここでは、180℃以下のセメント系材料の水熱反応機構について検討を加えるとともに、反応機構解析に基づく、より低温でのケイ酸カルシウム水和物の合成方法について提案する。併せて今後の循環型システムを提案するための基礎的研究として、ケイ酸カルシウム水和物の吸着特性についても検討を行う。
  • 三国 彰, 魏 存弟, 中邑 義則, 小松 隆一, 池田 攻
    セッションID: 1L30
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/03/23
    会議録・要旨集 フリー
    反応性シリカを強アルカリで処理し硬化させた無機ポリマーをジオポリマーと呼んでいる。著者らは強アルカリを使用しない安全で安価なプロセスとして水ガラスを用い、粉体固化技術に取り組んでいる。水ガラスにいくぶん溶解度を持つフィラー(活性フィラーと称す)を混合すると珪酸錯体のポリマー化が急速に進行し高強度な固化体が得られる。他の金属イオンが溶液中に存在する場合、水ガラス中のモノマーは金属イオンを取り込んでポリマー化すると考えられる。従来、活性フィラーの溶出挙動とモノリスの固化機構および強度特性との関係は明らかにされていない。そこで本研究は活性フィラーのひとつであるメタカオリンの溶出特性を把握するためカオリンを各温度で焼成し、その諸物性と溶出特性について検討した。
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