根の研究
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25 巻 , 3 号
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総説
  • 塩野 克宏
    25 巻 (2016) 3 号 p. 47-62
    公開日: 2016/09/26
    ジャーナル フリー
    過湿状態の土壌は低酸素になるだけでなく,還元化による有毒物質が増加するため,ほとんどの植物の生育が阻害される.イネやヨシなどの湿生植物は,根に酸素を通気する細胞間隙である通気組織を発達させて過湿土壌に適応している.酸素は拡散によって通気組織内を移動するため,根の基部において,酸素は根端方向に向かうだけでなく,放射方向にも拡散し,放射状酸素放出 (radial oxygen loss, ROL) として酸素が根から失われる.湿生植物の多くは根の基部に放射状酸素放出を抑制する「ROLバリア」を形成し,根端までの酸素の長距離輸送を可能にしている.根端に届けられた酸素は細胞の呼吸に利用されるだけでなく,根から放出され,還元化した土壌を酸化する.これによって,有毒物質を無毒化し,根端を保護する.根の基部では,ROLバリアの主要成分であるスベリンが外皮に蓄積し,酸素の流出を妨げるだけでなく,有毒物質の根への流入も防ぐと考えられている.ROLバリアの形成にはWRKY,AP2,NAC,MYB型転写因子が制御するスベリン生合成遺伝子が関わると予想されている.しかし,これまでROLバリアを形成できない変異体は得られていない.さらに,どのような環境要因がROLバリア形成の引き金になるのかも不明である.今後,湿生植物の過湿土壌への適応を理解するために,ROLバリア形成に関わる遺伝子,植物ホルモンやシグナル伝達系の特定が求められている.
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原著論文
  • 村上 敏文, 由比 真美子, 天羽 弘一
    25 巻 (2016) 3 号 p. 63-72
    公開日: 2016/09/26
    ジャーナル フリー
    ソバは我が国においては主に麺として食されるポピュラーな作物であるが,2014年度の平均収量は520 kg ha-1と低い.低収の要因のひとつに倒伏があり,この改善が重要な育種課題となっている.これを受けて農研機構東北農業研究センターは耐倒伏性に優れる品種の育成を行い,2011年に「にじゆたか」を品種登録した.しかし,耐倒伏性と根の形質の関係については十分に調べられていない.そこで,標準品種の「階上早生」を対照に3カ所の圃場で,播種密度を変えて栽培し,根形質を中心に生育ステージを追って調査を行った.その結果「にじゆたか」は「階上早生」に比べて,主根から出た一次側根の数が多く,側根の硬い部分の張り出し長が長く,開帳角度がより水平方向に向き,全長が長くなっており,これらが地上部を支え,倒れにくくしていると考えられた.また,両品種とも播種密度が低いほど,これらの形質が耐倒伏の方向に強化された.この情報は今後の品種育成や栽培技術開発に役立つと思われる.
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