Synthesiology English edition
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1 巻, 1 号
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発刊の趣旨
発刊に寄せて
研究論文
  • -実用化を指向する蛋白質研究-
    西宮 佳志, 三重 安弘, 平野 悠, 近藤 英昌, 三浦 愛, 津田 栄
    2008 年 1 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/04/10
    ジャーナル フリー
    不凍蛋白質は北極や南極に生息する動植物に固有の生体物質と考えられてきた。我々は日本国内で捕獲される多くの食用魚類が不凍蛋白質を有することを発見し、それらの筋肉から実用化に必要な量の不凍蛋白質を精製する技術を開発した。筋肉から精製された不凍蛋白質は複数の異性体の混合物であり、遺伝子工学や化学合成から得られる単一の異性体よりも優れた機能を発揮した。現在、不凍蛋白質を用いた様々な実用化技術が検討されている。
  • -聴覚特性と生活環境音の計測に基づく製品設計手法の提供-
    倉片 憲治, 佐川 賢
    2008 年 1 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/04/10
    ジャーナル フリー
    近年の少子高齢化に伴い、消費生活製品等の設計において、高齢者を含むより多くの人々のためのデザイン(アクセシブルデザイン)が求められるようになってきた。筆者らは、高齢者の聴覚および視覚機能に関わる日本工業規格(JIS)の作成をとおして、アクセシブルデザイン技術の開発とその普及に努めてきた。本論文では、報知音の音量設定方法に関するJIS S 0014 を例にとり、アクセシブルデザイン技術の標準化に至るまでの研究過程を本格研究の観点から論じる。
  • -ガラスインプリント法によるサブ波長周期構造の実現-
    西井 準治
    2008 年 1 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/04/10
    ジャーナル フリー
    光の波長以下の周期構造からなる「サブ波長光学素子」において、製造コスト等の実用化を阻害してきた要因を、日本が得意とするガラスモールド法と、新たな成型プロセスとして知られるインプリント法との融合によって解決することを試みた。材料メーカー、家電メーカー、大学、産総研が役割分担を明確にして垂直的に連携することにより、波長板機能、反射防止機能などをガラス表面に形成することに成功した。
  • -質調整生存年数を用いたトルエンの詳細リスク評価-
    岸本 充生
    2008 年 1 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/04/10
    ジャーナル フリー
    化学物質のヒト健康に対するリスク評価に関して、社会のニーズを、1)基準値や規制値の導出、2)リスクの懸念のないものを選り分けるスクリーニング評価、3)異なる種類の化学物質同士のリスクの比較や排出削減対策の費用対効果の評価、の3つに区別したうえで、1)と2)に応える形で設計された現行のリスク評価手法はそのままの形では、新たなニーズである3)を満たすことができないこと示し、トルエンを例に、3)を満たすための新しいリスク評価手法を提案した。質調整生存年数を健康リスクの指標とすることで、異なる種類の化学物質同士、さらには事故や疾病等の他のリスクとも比較することが可能となる。
  • -あなただけの製品をだれにでも提供できるビジネス創成を目指して-
    持丸 正明, 河内 まき子
    2008 年 1 巻 1 号 p. 38-46
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/04/10
    ジャーナル フリー
    あなただけに適合する製品を、だれにでも提供できるようなユニバーサルデザインビジネスの創成をグランドチャレンジとして、メガネフレームを具体例に、効率的にサイズ分類された製品の中から、ユーザ個人の顔のサイズに適合し、かつ、個人の感性に適合するフレームを選び出すシステムの研究について述べる。顔形状計測、サイズ適合、感性適合の要素技術は、すべて頭顔部相同モデルデータベースを基盤として統合した。このシステムが実店舗で運用されれば、それによりデータベースが拡充し、その統計データが製品設計・販売に再利用されるという持続的な循環が産み出される。
  • -国家標準にトレーサブルな新しい標準体系の設計と導入-
    石井 順太郎
    2008 年 1 巻 1 号 p. 47-60
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/04/10
    ジャーナル フリー
    1990年代後半赤外線を用いた耳式体温計が開発され、国内において急速に普及するとともに、表示される温度の信頼性が一般消費者から問われるようになった。産総研ではこの新型体温計の校正・試験の基準となる国家計量標準を新たに開発するとともに、我が国の産業界・消費者のニーズに適合する標準供給体系を設計・整備し、その技術的検証を行って表示温度の信頼性を向上させた。また、ドイツ、イギリスとの間で国家計量標準の比較を行い、それらの同等性を実験的に検証して信頼性を国際的に確保した。
論説
編集委員会より
編集後記
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