Synthesiology English edition
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2 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
研究論文
  • - 微細なものを思いのままに -
    大場 光太郎
    2009 年2 巻4 号 p. 234-245
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    本論文では、マイクロ環境下での光学的なスケール効果の問題を“実時間”で解決する実時間全焦点顕微鏡の構成にあたり、システムを必要となる構成要素に分解し、その構成要素を製品として構築するためのいくつかの試みを紹介しながら、実時間全焦点顕微鏡のシステム構成方法について論じる。実時間全焦点顕微鏡の構成に際しては、マイクロ環境下での作業を前提とし、理論だけにとどまらず、製品化を見据えた実現を視野に入れながら構成した。
  • - ヨウ素安定化ヘリウムネオンレーザ共振器の機構設計 -
    石川 純
    2009 年2 巻4 号 p. 246-257
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    長さの国家標準として用いられるヨウ素安定化ヘリウムネオンレーザの発振波長は、レーザ共振器の機械的長さで決まる。従来、機械的安定度の高い共振器を実現するためには特殊な材料や素子を使ったり、周囲環境を厳重に管理したりすることは当然と考えられてきた。しかし、レーザの動作や共振器に要求される性能を詳しく調べた結果、レーザ共振器の機構に要求される機械的特性の多くは、市販の汎用部品で十分実現可能であることが明らかとなった。汎用部品を多用して大幅な価格低下を実現しつつ、発振波長の安定度や周囲環境の変動に対する耐性を大幅に向上させることが可能となり、国家標準器として十分な精度で、かつ保守や移送が容易なものを実現した。この設計にもとづくヨウ素安定化ヘリウムネオンレーザは、日本の長さの国家標準として長年用いられただけでなく、民間の校正事業者が持つ標準器として、また発展途上国の国家標準器としても用いられている。
  • - 音の標準の開発と新しい供給体制 -
    堀内 竜三
    2009 年2 巻4 号 p. 258-269
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    騒音計測をはじめ音響分野での計測結果に対する信頼性を確保するため、産総研は必要となる要素技術を開発し、我が国の計量法に基づいて標準マイクロホンを頂点としたトレーサビリティ体系を整備した。この体系のもとで、新たな音の標準の供給サービスを開始したことにより、我々の日常生活の安全・安心を支えるために社会が必要としている、不確かさの小さな騒音計測が可能となった。
  • - セルロースの構造特性を利用した酵素糖化前処理技術 -
    遠藤 貴士
    2009 年2 巻4 号 p. 270-281
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    現在、木質バイオマスを原料として、セルロース成分等を酵素加水分解して糖に変換した後、発酵してエタノールを製造する技術が注目されている。そのプロセスではセルロースの反応性を高める前処理が必要となる。粉砕処理は効果的な前処理技術の一つであるがコスト高が課題であった。近年我々は、経済的な粉砕前処理方法として湿式メカノケミカル処理技術を開発した。この技術ではセルロース成分をナノサイズの繊維にまでほぐしている。生成したナノ繊維は、セルロースの結晶性が保持され、さらにリグニンが残存していても、高い酵素反応性を示した。我々が開発した前処理技術は、木材やセルロースが持つナノ構造の特徴を活用した方法である。
インタビュー
  • 長井 寿, 小野 晃
    2009 年2 巻4 号 p. 282-287
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/31
    ジャーナル フリー
    日本工学アカデミーは工学に関するさまざまな事項を高い見地から検討·議論し提言をまとめていますが、その中の「工学の克復研究会」は現代における工学のあり方をさまざまな角度から検討しています。工学のあり方はシンセシオロジーの理念とも深く関係していますので、研究会メンバーのお一人である長井寿さんに本誌小野編集委員長がインタビューして「工学の克復」に関する考えを伺い、シンセシオロジーとの関係を話し合いました。
編集委員会
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