Anthropological Science (Japanese Series)
Online ISSN : 1348-8813
Print ISSN : 1344-3992
ISSN-L : 1344-3992
111 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著論文
  • —佐賀県を対象として—
    久保山 直己, 澁谷 顕一, TAKAHIRO ADACHI, 穐吉 敏男, 堀田 昇, 藤島 和孝
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 111 巻 2 号 p. 119-129
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究では時代差を考慮した上で佐賀県在住の高齢者も加齢に伴う身長の減少が認められるか否か, また, 身長が減少するとしたら身体のどの部分がどのように減少し影響をもたらしているのかについて検討した。その結果, 身長は男(0.19cm減少/年), 女(0.41cm減少/年)共, 時代推移に伴う変化が観察され, 女性においては主として加齢により年0.29cmの減少が認められた。頭頚部高は男女共に変化を示さず上肢長及び下肢長は男女共に時代に伴う変化を示した。躯幹長に関しては男女共に時代推移に伴う変化が認められたが女性では加齢に伴い著しく小さくなり, 身長の減少に大きな影響を及ぼしていた。
  • 小宮 孟, 小林 理恵, 安部 みき子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 111 巻 2 号 p. 131-142
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/03/31
    ジャーナル フリー
    千葉県武士遺跡出土のイノシシ下顎骨45例(縄文時代後期)の齢構成を知るために, 歯牙の萌出咬耗形質を新美(1991)の区分法で分類した。この区分法は0歳以上の連続した年齢群で構成される現生標本から, 各年齢群に対応すると思われる5群の分離に有効と考えられる。武士遺跡標本でも同様の5群が分離され, 推定年齢別では1.5歳ついで3.5歳の占める割合が高く、屠殺季節は冬と推定された。なお、発掘時の標本採集法を改良することで, この遺跡からは夏秋死亡の0歳仔標本が回収可能だが, 全体に占める割合は把握できていない。以上の結果は, 武士縄文人のイノシシ獲得行動を特定する手がかりとして重要である。
  • 長岡 朋人, 平田 和明
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 111 巻 2 号 p. 143-154
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究では, 江戸時代人の歯冠サイズの地理的変異を調査した。資料は, 東北地方, 関東地方, 近畿地方, 九州地方から出土した江戸時代人骨の永久歯歯冠である。すべて成人男性である。分析は, 一元配置の分散分析, 偏差折線, ペンローズのサイズ距離を用いた。その結果, いずれの分析でも地理的変異の存在が示唆された。近畿地方の江戸時代人は歯冠サイズがもっとも大きかったが, 東北地方の江戸時代人は歯冠サイズがもっとも小さく, 両地方の集団は対照的であった。九州地方と関東地方の集団は, 近畿地方と東北地方の集団の中間サイズであった。近畿地方の集団は大きな歯を持つ渡来人に近く, 東北地方の集団は小さな歯を持つ縄文時代人に近い。今回の結果は, 江戸時代人の歯冠サイズの地理的変異と渡来人の流入との関連性を示唆し, 興味深い。
書評
feedback
Top