日本先天異常学会会報
Online ISSN : 2433-1503
Print ISSN : 0037-2285
15 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    1975 年15 巻1 号 p. Cover1-
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1975 年15 巻1 号 p. App1-
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    1975 年15 巻1 号 p. Toc1-
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 井上 稔, 村上 氏廣
    原稿種別: 本文
    1975 年15 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    胎児の有機水銀中毒は胎児性水俣病として知られているが,妊婦が水銀系農薬に汚染された食物を誤食したため胎児が有機水銀中毒になった例も報告されている.有機水銀のうちでもメチル水銀は一度体内にとり入れられると血液,肝臓,脳,脊髄などに長時間残留することや,すみやかに胎盤を通過して胎児の脳に貯留することも確かめられている.本実験では塩化メチル水銀を妊娠ラットおよびマウスに与え,胎仔におよぼす影響をとくに脳に重点をおいて観察した.実験動物はddNマウスとWistarラットを用い,交配の翌日を妊娠0日として起算した.妊娠ラットには35mg/kgの塩化メチル水銀を妊娠6,8,10,12,14日のいずれかに1回経口投与し,妊娠20日に胎仔をとりだし外形観察の後,Wilson法あるいは光顕的に観察した.妊娠マウスには30mg/kgの塩化メチル水銀を妊娠6日から13日のいずれかに1回経口投与し,妊娠18日に胎仔をとりだして観察した.その結果,塩化メチル水銀はラット胎仔に対して強い致死作用を示し,処理後短期間のうちにおこったと推定される子宮内死亡が多数みとめられた.またすべての実験群で胎仔の発育遅延が顕著であった.各実験群に全身浮腫を示す例が多数みつかり,Wilson法や光顕的に大脳外套中間層,脳梁幹,被殻尾状核,視床などに壊死巣や組織の欠損,疎鬆化がみとめられ,奇形性水頭症を合併する例も多かった.マウス胎仔には致死作用,発育阻害作用ばかりでなく強い催奇作用がみとめられ,口蓋裂がすべての実験群に成立し,小顎症や小舌症を合併した例も多数みつかった.全身浮腫の胎仔も各実験群にみつかり,多くは奇形性水頭症をともなった.光顕的に第3脳室の拡大,上衣細胞の剥離や,大脳外套,被殻尾状核,視床,視床下部,小脳などに小さな組織欠損のみつかる例も多かったが,このような傷害の型には処理した妊娠日のちがいによる著しい差はみとめられなかった.以上のように塩化メチル水銀を妊娠ラットとマウスに投与したところ,催奇形作用には種差があきらかで,マウスに口蓋裂,小顎症などの奇形が多発したのに対しラットでは奇形は少なかった.他方,ラット,マウスに共通して全身浮腫の例が多く,大脳外套や被殻尾状核などに傷害をともなっていた.このような傷害は処理した妊娠日にあまり関係なく脳の形態形成がある程度進んだ後におこった退行変性と推定され,塩化メチル水銀の遅延毒性が示唆された.しかし処理後短期間の子宮内死亡も多いことから,胎仔に対する急性毒性も見のがすことはできない.
  • 石川 自然, 高尾 篤良, 安藤 正彦, 森 克彦
    原稿種別: 本文
    1975 年15 巻1 号 p. 11-27
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    人の先天性心奇形の成因や,形態形成を解明するため,実験的心奇形作成の重要性が最近再認識されるようになってきた.我々は,受精卵に遠心力を加える事によって心奇形を発生せしめた.実験目的;重力の増加が催奇形作用を有するかどうかについて検討し,もし心血管系に対する催奇形作用があるとすればどのような心奇形が発生するかを検討した.実験対象と実験方法;白色レグホン卵を用い,鶏胚心の一対の原基が完全に融合しtraight tubeから右側に心loopを形成する時期に相当する〓卵後32〜40時間頃(somite 12-18)に重力負荷を加えた.常に受精卵は保温器にて38℃に保ち,重力負荷は室温(21℃)の状態で施行した.実験はf=0,529Xm.gr.force(m=mass of heart)を9時間にわたって受精卵に加えた.鶏胚における心大血管の形成は10日までにはほぼ完成されると考えられるので10日以上生存した症例についてのみ心血管形態の異常有無を調べた.対照群も負荷群に遠心力を加える時期に一致して室温におき10日以上生存したものを使用した.心血管形態は2.5% glutaraldehyde液を150〜200μの大きさの毛細管ピペットを用いて心尖部より注入し拡張した状態で固定し,24時間後に実体顕微鏡下で検索した.実験成績;重力負荷群48例中37例が〓卵後10日目まで生存し,そのうち20例(42%に心奇形が発生していた.残り死亡例11例の中に6例(12%)の心奇形が認められた.対称群48例中43例が10日目まで生存し,5例(10%)が死亡していた.生存例43例のうち僅か4例(8.3%)に心奇形形が認められるのみであった.以上のように対称群に比し負荷群ではP<0,001で先天性心奇形がみられた.実験群でみると心奇形は心室中隔欠損10例(20.8%),両大血管石室起始1例(2%),心房中隔欠損3例(6.2%),大血管系異常12例(25.1%)であった.対称群の4例は円錐部心室中隔欠損のみで,欠損孔の大きさは実験群より小さかった.結語:従来の報告にみる催奇形実験のうち物理学的あるいは器械的因子による催奇形性の研究は,今回我々の行なった鶏胚に重力負荷を加えることと負荷の方法は違うが目的を一にする.従来は血行力学的処理の実験として鶏胚を用い心大血管に微細な針金を操作し一部の血流を遮断あるいは変化させる事によって心奇形を発生させていた.これらの実験は直接鶏胚に実験操作を行うということで,主として器械的に血流の方向を変化させる以外に副要因として発生段階の鶏胚に生理的,形態的変化を及ぼす事も充分に考えられる.本実験では有窓法を用いず外的な因子を作用させたところに一歩臨床に近づけた.本実験は今後さらに検討を要する点が多いに残されている.そのうち,遠心力が胎児の心loopに対してどのような方向で作用したのか,またその力及び方向を変える事によってある一連の心奇形のみが生ずるかどうかを検討する必要があると思われる.本実験でみられた心奇形は環境因子の一つである遠心力が鶏胚の心大血管系に作用する事によって血液のうっ滞,血液の方向などに変化がおこり種々な心奇形が生じたものと思われる.
  • 高野 喜一
    原稿種別: 本文
    1975 年15 巻1 号 p. 29-31
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1975 年15 巻1 号 p. 33-38
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1975 年15 巻1 号 p. 39-
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    1975 年15 巻1 号 p. App2-
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1975 年15 巻1 号 p. Cover2-
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1975 年15 巻1 号 p. Cover3-
    発行日: 1975/03/31
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
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