電子写真学会誌
Online ISSN : 1880-5108
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35 巻, 1 号
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論文
  • 大塚 正男, 野守 弘之, 重田 邦男, 古谷田 昌信, 小口 正信
    1996 年 35 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    ファクシミリやデジタルコピアの読み取りセンサとして用いることを目的として4,10-ジブロモアンタントロン(以下DBAAと称する)光導電体を用いた光センサを作った.
    4種類の層構成のうち,DBAAをバインダポリマに分散してなる単層型のものは,比較的高い光電流(1.2×10-5 A/10mm2; 5×104 V·cm-1)と極めて高い明暗電流比(2.0×105)を示したものの,応答速度は極めて低かった(立ち上がり時間,立ち下がり時間>2000 msec).
    この単層型DBAAセンサにスチリルアミン正孔輸送物質を添加すると,応答速度は3~4000倍改善され,光電流の減少は1/11にとどまった.
    また,単層型センサでは電極材料が暗電流値に影響を与えることが認められ,このことを電極材料の仕事関数との関連において考察し,電極からDBAA光導電層への電子注入のポテンシャル障壁が暗電流を支配するものと推論した.
    さらにDBAA層への正孔輸送物質の添加によって応答速度が改善される現象は,光導電層のホール伝導性が高められた結果であると考えた.
  • 佐藤 徹哉, 久田 均
    1996 年 35 巻 1 号 p. 12-17
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    PSMBD(Pulsed Supersonic Molecular Beam Deposition)法により,硬く,透明で,高抵抗,化学的に安定なダイヤモンド状(DLC: Diamond-like Carbon)薄膜を,絶縁性のOPC(Organic Photoconductor)上に,室温でOPC層を劣化させることなく形成した.作製したDLC薄膜は,石英基板と比較して3倍以上の高硬度であり,光学バンドギャップは1.6(eV),体積抵抗率は1012(Ωmiddot;cm),フッ硝酸に不溶であり,ラマン分光分析では1520(cm-1)付近にブロードで強いピークのあるスペクトルが得られた.
    OPCドラム上に,このDLC薄膜を膜厚0.1(μm)で形成し,レーザビームプリンタで耐刷試験を行った結果,φ30mmドラムでA4縦送り70,000枚プリント後も傷・磨耗は全くなく,著しい耐刷寿命の向上が見られた.
  • 岡田 守弘, 小畑 秀文
    1996 年 35 巻 1 号 p. 18-26
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    回転型電位計の高感度化指向として,回転セクター部の電極構成や電位計前置の回路構成が誘起電圧部即ち電位計感度に及ぼす影響にっいて考察を行った.実験では,一般的な扇状電極を対象としているので,測定系が一様平行電界と見倣し得る電極構成の基では,感応面は三角波周期で時間変位し,誘起電圧波形は負荷抵抗値の大小により三角波状から矩形波状へと微分推移する.測定系を等価回路で表したときの回路定数や翼数などの関係から,誘起電圧波形の大きさと形状変位に関し理論的解析を試みた.その結果,測定系は定電流源を持っ等価回路によって代用され得ることが証明された.さらに,測定系の電界分布や正帰還型バッファの入力インピーダンスが電位計感度に及ぽす一般的傾向について検討し,これ等試みに対する妥当性を確かめた.
技術報告
技術資料
Imaging Today
『環境問題に対する電子写真技術における対策』
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