電子写真学会誌
Online ISSN : 1880-5108
Print ISSN : 0387-916X
ISSN-L : 0387-916X
29 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 小寺 宏嘩, 金森 克洋
    1990 年 29 巻 2 号 p. 112-117
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
    2値のディジタルプリンタの色再現範囲について,ノイゲバウア理論に基づく単純な色重ねモデルを用いて検討した.ハーフトーン領域はたかだか,8色のドット:C,M,Y,R,G,B,W,およびKからなるが,この基本8色は,ドットの色重ね方法とは無関係に,色立体の12の外郭稜線を形成する。一方,これら稜線で囲まれる色立体の各面は,2色ずつの原色の色重ね方法に依存して決定される.2色重ねの典型的な3つのモードについて,色再現域および色度の軌跡がどのように変化するかを解析し,熱溶融転写プリンタを用いた実験において,理論値との非常によい一致を得た.色重ねに用いる原色のドット配置が,とくに赤色階調の色相と,青色系統の色再現域に顕著な変化を与えることを明らかにした.
  • — 表面準位の影響 —
    内藤 裕義, 岩井 誉貴, 奥田 昌宏
    1990 年 29 巻 2 号 p. 118-124
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
    非晶質As2Se3(a-As2Se3)は高い光伝導性を示すため,その局在準位密度分布は,主にtime-of-flight(TOF)法とtransient photodecay(TPD)法を用いて測定された過渡光電流波形を解析することにより評価されている.ところが,理論的には同じ局在準位密度分布が得られるはずの両方法による結果は,過渡光電流の振舞いが異なるため一致せず,典型的な非晶質カルコゲナイドであるa-As2Se3でもその局在準位密度分布に関しては議論が絶えない.本報では,TOF法およびTPD法により得られた過渡光電波形の違いを説明するため,表面準位を考慮した捕獲準位制限伝導理論に基づくシミュレーションを行った.すなわち,局在準位密度分布は価電子帯端から指数関数的に減少する分布とし,表面準位はその特性温度が表面側で高いとした.この結果,a-As2Se3におけるTOF法,TPD法による過渡光電流波形が一致しないのは表面準位が存在するためであることを示すことができた.
  • 島田 昭, 詫間 康夫
    1990 年 29 巻 2 号 p. 125-132
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
    a-Si:H感光体の残像について,現象面及びキャリアの移動度及び寿命等の物性面から検討した.その結果,正帯電プロセスで使用した場合の残像は,少数キャリアである電子が感光体内に残留し,次の帯電工程で感光体にかける電界により表面に移動し,表面の帯電電荷を中和するために発生することが明確になった.特に,残像はa-Si:H感光体を次のような条件で使用した時に発生しやすい.(1)高速印写プロセスに使った場合,(2)露光に長波長の光源を用いた場合,(3)ホウ素の添加により電子の移動度が10-2 cm2/V・s以下に低下した感光体を使う場合. 残像の発生は,使用する光源の選択及びa-Si:Hに添加するホウ素の量を制御することにより抑制することができる.
  • 渡辺 猛志, 東 和文, 田中 政博, 中谷 光雄, 嶋田 寿一
    1990 年 29 巻 2 号 p. 133-137
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
    高真空下(~1 mTorr)の有磁場マイクロ波放電プラズマを利用したCVD法によって作製した光導電率が高いa-SiGe:H膜を用いて,Staebler-Wronski効果(SW効果)と呼ばれる,光照射による光導電率の変化をa-SiGe:H合金膜について調べた.
    a-SiGe:H合金膜の光導電率のSW効果は初期光導電率の大小によって判断される膜質よりもSi-Geの組成を反映する光学ギャップに大きく依存することを見出した.光導電率のSW効果は初期光導電率によらず光学ギャップが1.4eV程度の,SiとGeの等モル組成のa-SiGe:H合金膜になるとほぼ消失した.ただし,不均一構造を有すると思われる初期光導電率が低い膜では光照射後に光導電率が増大する負のSW効果が観察された.a-SiGe:H合金膜の光導電率のSW効果はa-Si:H膜に対して不連続であり,少量のGeを含有する合金膜の光導電率の低下はa-Si:H膜よりも大きかった.またa-SiGe:H合金膜の場合には時定数の大きな光導電率の低下が観察された.
    これらの結果はa-SiGe:H合金膜のギャップ内準位がa-Si:H膜とはかなり異なることを原映するためと判断される.
  • 横山 健児, 野津 秀介, 横山 正明
    1990 年 29 巻 2 号 p. 138-147
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
    主鎖に形成されたσ共役によって特徴づけられる有機ポリシランは,Siσ共役を通したキャリア輸送を行い,10-4 cm2/V・sという高移動度を示すことから,新しいキャリア輸送材料として注目されている.本研究では,有機ポリシランを電子写真有機積層感光体のキャリア輸送層として最大限に活用することを目的として,電子材料としての基本物性値であるイオン化電位とホールドリフト移動度の測定を行った.その結果,有機ポリシランのイオン化電位は側鎖π電子と主鎖のコンホメーション変化によって影響されることを見い出した.一方,ホールドリフト移動度は主鎖のσ共役長に依存し,有機キャリア輸送材料と同様にGiiiの経験式に従うことから,有機ポリシランの伝導機構はSi主鎖のσ共役単位間のホッピング伝導であるとの結論を得た.また,有機ポリシラン自身が成膜可能な高分子であることを利用して,これまでのポリカーボネートのような不活性バインダーに替わる“活性”バインダーとして有機ポリシランを用いる試みを行った結果,イオン化電位の等しい低分子キャリア輸送剤の添加により10-3cm2/V・sというこれまでの有機キャリア輸送材料の中で最高移動度が発現し,新しい複合材料を開発することができた.
    さらに,このような高移動度を有する有機ポリシランと各種有機顔料とを組合せた積層感光体の構築を行った結果,適当な有機顔料との組合せにより十分実用化可能な感度が得られることを見い出した.また,有機顔料からのキャリア注入においてはエネルギーレベルだけでは説明できない異常現象の存在を指摘し,この有機ポリジランの実用上の問題点に対する解決法として,有機低分子キャリア輸送剤の添加が有効であることを示した.
  • — 顔料分散水溶液を用いた電解析出法 —
    星野 勝義, 蛭田 栄, 横山 清一郎, 石橋 修, 半那 純一, 小門 宏
    1990 年 29 巻 2 号 p. 148-155
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
    界面活性剤水溶液を用いた新規な顔料薄膜作製法を開発した.顔料を分散させた界面活性剤水溶液を電解液とし,アルミニウム基板を陰極として定電流電解を行ったところ,基板上に原料として用いた顔料の薄膜が得られた。アルミニウム基板及び顔料膜の光電子分光分析・走査型電子顕微鏡観察を行ったところ,カソード処理によるアルミニウム表面の物理的・化学的改質が膜生成を誘起していることが示唆された.また結晶形の異なる顔料(α,β,ε形銅フタロシアニン)を用いて製膜を行ったところ,薄膜化の際には結晶転移が起こらず,もとの結晶形が保たれたまま製膜されることがわかった.さらに,電解温度・通電電気量・通電電流密度といった電解条件を変え,製膜実験を行った.その結果,顔料の担持量は電流密度の制御によって最も広範囲に制御できることがわかった.
  • 川本 晃生
    1990 年 29 巻 2 号 p. 156-163
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 東木 裕介
    1990 年 29 巻 2 号 p. 165-171
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 山本 真司, 矢仲 重信
    1990 年 29 巻 2 号 p. 172-179
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 貴司
    1990 年 29 巻 2 号 p. 180-187
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 生野 勇二
    1990 年 29 巻 2 号 p. 188-196
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
    Characterstic specifications of videoscope were presented by the principle, the way of use, and the actually realized specifications in the videoscopes of various manufacturs.
    The status of the endoscope image file which has been highlighted by the introduction of videoscope was also prensented.
  • — 原理と臨床応用 —
    内田 勲
    1990 年 29 巻 2 号 p. 197-204
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 尾川 浩一
    1990 年 29 巻 2 号 p. 205-213
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 島田 文生, 野中 賢明, 半田 英幸
    1990 年 29 巻 2 号 p. 214-220
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 周藤 安造
    1990 年 29 巻 2 号 p. 221-229
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 大山 永昭
    1990 年 29 巻 2 号 p. 230-234
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
  • 竹田 功
    1990 年 29 巻 2 号 p. 235-240
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル フリー
feedback
Top