浜岡原子力発電所敷地における3次元高密度アレイ観測網の強震記録から、硬質地盤の地震動空間変動(コヒーレンスと地点間のフーリエ振幅比のばらつき)について、S波部を対象に周波数、観測点間の距離に加え、観測点の各深度レベルや水平と鉛直成分の違いに着目した評価を行った。さらに、評価した地震動空間変動特性を用い、回帰分析に基づく統計的なモデルを導出した。コヒーレンスは周波数と距離の増加に伴い低下し、その低下度合いは水平成分より鉛直成分の方が、また深度レベルにおいて浅い方が大きい結果となった。また、観測記録から求めたコヒーレンスには特定の周波数において急激な落ち込みが存在し、それが敷地地盤への入射波に対する伝達関数の極小値に対応することを示した。一方、フーリエ振幅比のばらつきは周波数と距離の増加と共に5Hz程度以下では増加し、それ以上の周波数では一定となる傾向が見られた。
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