抄録 鶴見大学歯学部5年生の臨床実習中に行ったパノラマエックス線撮影実技試験の成績評価から得られた学生の弱点と評価項目の検討を行った.
対象は本学歯学部5年生であった99名(男性60名,女性39名)とした.本学附属病院画像検査部にパノラマエックス線撮影依頼で来科した患者を実技試験の対象者として画像検査時に評価した.評価項目は35項目,評価基準は,たいへんよくできた:3点,できた:2点,途中までできた:1点,できなかった:0点の4段階評価を用いた.学生1名に対して1名の評価者(歯科医師3名,診療放射線技師4名)が実施した.
99名中合格者は82名,不合格者は17名で,得られた評価点数に等分散性を認めたため,一元配置分散分析を行った.学生が苦手であった評価項目は,断層域の設定,頭部基準平面の設定,撮影条件の設定などの画質へ影響する項目であった.
学生はパノラマエックス線撮影装置を操作することに問題はなかったが,パノラマエックス線撮影の原理を理解することは難しく,実技実習を通して経験を積むことで,撮影原理の理解を深めさせることの重要性が示された.
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