日本歯科医学教育学会雑誌
Online ISSN : 2433-1651
Print ISSN : 0914-5133
38 巻, 3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
第41回日本歯科医学教育学会学術大会
<特別講演1>
<特別講演2>
<特別講演3>
<教育講演1>
<教育講演2>
<シンポジウム1>
<シンポジウム2>
<シンポジウム3>
<シンポジウム4>
原著
  • 冨士 岳志, 樋口 大輔, 齋藤 安奈, 宇田川 信之, 蓜島 弘之
    2022 年 38 巻 3 号 p. 148-157
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/20
    ジャーナル フリー

    抄録 近年,口腔インプラント治療(以下,インプラント治療)は広く普及し,知識と技術の習得が卒前教育でも求められ,本学も講義とインプラント埋入実習(以下,実習)により理解を図っている.今回,実習前後の学生アンケート調査から,本実習がインプラント治療の理解に与える学習効果を検証した.

     2020年度82名の本学4年次学生に対し,実習前後にインプラント治療への「興味」「理解」「埋入の難易度」「安全性」「将来的希望」および「実習の理解」に関する6段階評価と自由記載のアンケートを行った.なお,本実習では,顎模型の右下5,7相当部に,可視下にてフリーハンドで埋入した.実習前後のデータが揃った80名の評価を比較検討したところ,実習後に治療への「理解」と「実習の理解」が有意に増加した.また,「埋入の難易度」は有意に減少し,「安全性」は有意に増加し,実習によりインプラント治療は「難しくない」「安全」と考えた学生の増加が推察された.一方で,「興味」や「将来的希望」は高いスコアを維持し,学生のインプラント治療への潜在的な興味や将来的な希望の高さが推察され,自由記載の内容でも好意的な意見が多かった.

     本学学生は,インプラント治療への興味や将来的な希望は高く,本実習はその理解を深めるのに有効であることが示唆された.一方で,臨床を想定したさらなる実習内容の充実が今後の課題として考えられた.

研究報告
  • 中西 生美, 鈴木 麻美, 横山 知美, 堀江 哲郎, 村樫 悦子, 柳下 寿郎, 石黒 一美
    2022 年 38 巻 3 号 p. 158-170
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/20
    ジャーナル フリー

    抄録 歯科医師にとって禁煙指導は,患者の全身と口腔の健康維持のために重要な責務であるといえる.しかしながら,たばこの一般的な知識が不足しており,将来的に歯科医師として患者に対して禁煙指導・支援を行う立場となることを自覚していない歯学部学生も少なくない.本研究の目的は,たばこの一般的な知識,喫煙による健康への為害作用,禁煙指導・支援における歯科医師の役割をe-Learning形式で歯学部学生に学習させ,その学習効果や意識変化を検討することである.

     本研究は,研究の趣旨に同意した第1学年から第5学年までの歯学部学生653名を対象とした.まず,プレアンケートを実施した後,約15分間のたばこに関するe-Learningによる自己学習を行った.その後,ポストアンケートを実施してe-Learningによる学習効果と喫煙に対する意識変化を評価した.

     その結果,短時間のe-Learningによる学習ではあるが,歯学部学生のたばこに関する知識を深め,禁煙指導・支援に取り組む意識の変化をもたらすことが示唆され,さらに学生への禁煙の啓発の一助となった.

     今後は,年齢や学年に応じたたばこに関する教育をさらに強化し,患者への禁煙指導・支援を実践するカリキュラムを構築する必要があると考えられる.

紹介
  • 元根 正晴, 橋本 正則, 錦織 良
    2022 年 38 巻 3 号 p. 171-174
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/20
    ジャーナル フリー

    抄録 大阪歯科大学医療保健学部では外国人留学生を積極的に受け入れており,2017年以来30名(男性24名,女性6名)の外国人留学生が入学・在籍している.30名中28名は中国出身であり,2人が韓国出身である.本学部では,2018年4月に学生支援委員会を設置し,学生生活・健康管理・心理相談・学習支援を統合的に行っている.学生支援委員会は,6名の構成員からなる.外国人留学生の学生生活支援は,本学の国際交流事業部が中心になって支援しているが,われわれはその補助的なサポートを事務部門と協力して行っている.健康管理は保健室が実施しており,医師と看護師が中心となって,健康診断,ワクチン接種も行っている.心理相談は,学生相談室が実施しており,公認心理師が中心となって行っている.学習支援は,本委員会の教員が中心となって行っている.特に外国人留学生にとって困難な日本語習得に関する支援も行っている.授業内容の理解しづらいところの指導も行っている.留学生と教職員・日本人学生の交流を図るために,交流会(留学生カフェ)を実施し,意見を聴取する機会を設けている.留学生カフェで聴取した結果,学生生活全般の問題点として,対人関係,日本語学習,経済的問題が多いことがわかった.さらに卒業後の就職・進学を指導するキャリア支援委員会とも密接に連携している.学生支援委員会では,担当者相互の連携をとることで,医師,看護師,公認心理師,歯科医師などの多職種連携の効果を得ている.

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