日本歯科医学教育学会雑誌
Online ISSN : 2433-1651
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研究報告
  • 長谷川 真奈, 伊藤 晴江, 奥村 暢旦, 中村 太, 佐藤 拓実, 藤井 規孝
    2021 年 37 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル 認証あり

    抄録 新潟大学病院歯科医師臨床研修では, 指導歯科医による研修歯科医の診療観察を用いて形成的評価を行っている. 今回は評価者に歯科衛生士を加えてその効果を検証した. 対象は令和元年度の研修歯科医22名とし, Yes/Noで判断する6つの評価項目と判定基準, 合格要件をあらかじめ説明した後, 自己申告により指導歯科医, 歯科衛生士による診療パフォーマンス評価Competence Assessment (CA), CA by DHを実施した. CAは, 保存, 補綴, 口腔外科領域において各1回ずつ合格することを求め, CA by DHの受検は努力目標として, 歯科衛生士の診療介助を必要とする処置に対象を限定した. 結果の分析は, CA, CA by DHおよびこれらに対するアンケートについてデータを収集することができた, 16, 22, 22, 21名分について行った. CAの平均受検回数は1.3回, 初回合格率は69.3%であり, CA by DHの合格率は63.6%で保存系処置を対象としたものが多かった. CAでは診断に基づく処置の実践, 器材使用上の注意遵守, CA by DHでは器材準備や介助者への配慮についてNoと判定される傾向が高く, 専門職によって評価の観点は異なることが示された. また, いずれにおいても複数の評価項目でNoと判定されるケースが認められたが, 対象処置とNoの判定された評価項目の間に一定の傾向はみられなかった. アンケートではCA, CA by DHを肯定的に受け止める回答が比較的多くみられた. 以上より, さらなる改善を要するものの, 歯科衛生士による研修歯科医の診療評価の有用性が示唆された.

  • 勝又 桂子, 山田 理, 伊佐津 克彦, 長谷川 篤司
    2021 年 37 巻 1 号 p. 11-23
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル 認証あり

    抄録 本研究は, 新型コロナウイルス感染症の蔓延により, 患者の診療に参加できないだけでなく, 週2日程度の在宅研修を指示された研修歯科医を対象に, 2つのICTツール (Google ClassroomとZoom) を応用した試作研修プログラムを実施し, その有効性を評価した.

     学習管理システムであるGoogle Classroomでは, 指導歯科医は明確化された日々の研修課題とスケジュールをアップロードし, 研修歯科医は毎日の学習成果を電子ファイル書式でアップロードして, 情報を共有した. 一方, テレビ会議システムであるZoomは, コミュニケーションツールとして在宅研修期間中の朝礼・終礼, 学修成果の発表に使用した.

     この試作研修プログラムに関する有効性を調査するために, 4名の研修歯科医と4名の指導歯科医に対してアンケートと面談を実施した.

     Google Classroomを使用することで, 研修歯科医は研修プログラムで何を学ぶべきかについての全体像を理解し, 学修成果の進捗状況を把握できていた. さらに, 指導歯科医がアップロードする学修成果へのタイムリーなフィードバックは, 研修歯科医の学修動機を刺激した. 一方, Zoomによる毎日の朝礼・終礼および学修成果発表会は, 研修歯科医の日常生活リズムを維持し, 在宅研修期間中も研修歯科医と指導歯科医の間の継続的なコミュニケーションの維持に寄与していた.

活動報告
  • 松本 和浩, 森田 浩光, 宮地 斉, 安田 順一, 小笠原 正, 川口 浩司, 井野 智, 水谷 太尊, 石垣 佳希, 山口 秀紀, 米原 ...
    2021 年 37 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル 認証あり

    抄録 日本私立歯科大学協会附属病院感染対策協議会では, 加盟17大学において, 2012年度から2016年度における歯学部学生, 臨床実習生および研修歯科医に対する院内感染対策についての講義時間, 病院職員に対する院内感染対策研修会の回数, 職業感染 (針刺し・切創・粘膜曝露) 発生件数について調査・集計を行った.

     結果として, 学生および臨床実習生の講義時間は, 年度ごとの有意差はないものの2016年度までに増加傾向を示す一方で, 研修歯科医の講義時間および病院職員への院内感染対策研修会の回数に変化はなかった.

     針刺し・切創・粘膜曝露発生についての職種別の傾向としては, 臨床実習生に減少傾向を認めた一方で, 研修歯科医, 歯科医師, 歯科衛生士, 看護師, その他病院職員等については明らかな減少傾向を認めなかった. なお, 臨床実習生の講義時間と針刺し・切創・粘膜曝露発生件数との間には負の相関がみられた (相関係数 : ρ=−0.40).

     以上の結果から, 講義時間と針刺し・切創・粘膜曝露発生件数との間には負の相関があることが明らかとなったため, 協議会を介した大学間での情報共有・適正な講義時間の設定の必要性が示唆された. 今後は教育方法・内容や習熟度, さらには針刺し・切創・粘膜曝露発生の状況・受傷度やその後の対応についても詳細な調査を行うことが必要であることが示唆された.

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