日本歯科医学教育学会雑誌
Online ISSN : 2433-1651
Print ISSN : 0914-5133
33 巻 , 3 号
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第36回日本歯科医学教育学会学術大会
<特別講演>
<教育講演>
<シンポジウムⅠ>
<シンポジウムⅡ>
<シンポジウムⅢ>
<シンポジウムⅣ>
研究報告
  • 石川 健太郎, 内海 明美, 久保田 一見, 石﨑 晶子, 村上 浩史, 木村 有子, 柴田 由美, 弘中 祥司
    2017 年 33 巻 3 号 p. 152-157
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 本学では平成22年度より研修歯科医が大学附属病院において入院患者に対する口腔ケアを研修する1週間のプログラムを実施している. 今回, 我々は研修歯科医の口腔ケアセンター研修における自験割合を調査し, 研修の到達度を評価するために, 研修修了時にアンケートを実施した.

     対象は平成27年4月から平成29年3月の期間に昭和大学歯科病院に所属した研修歯科医のうち, 口腔ケアセンター研修を履修した137名である. 口腔ケアセンター研修終了後に口腔ケア手技や患者のリスクレベルにより分類した8項目について, 自験割合と到達度に関するアンケート調査を行った. また, 項目別に研修時期による自験割合と到達度の違いを検討した.

     129名の研修歯科医より回答を得た. 回収率は94.2%, 有効回答率は100%であった. 自験割合が95%を超えた項目は, 「口腔保湿剤の使用」 と 「病棟における感染予防対策」 であった. 「呼吸器を装着している患者の口腔ケア」 が53.5%と最も自験割合が低かった. 到達度評価ではすべての項目で80%以上の者が少しできるまたは十分にできると回答した. 研修時期による自験割合と到達度に違いは認められなかった.

     呼吸器装着中の患者などリスクの高い患者においては, 自験割合が低く, 見学・介助にとどめていることが明らかとなった. 今後, 口腔ケア研修において研修歯科医にどこまでの内容を自験させるべきなのかの基準作りが必要であると考えられた.

  • 隅田 好美, 頭山 高子, 前岨 亜優子, 梶 貢三子, 大西 愛, 田中 昭男, 福島 正義
    2017 年 33 巻 3 号 p. 158-166
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 本研究の目的は, 歯科衛生士臨床実習における学生の不安の変化を明らかにし, 性格特性および学業成績との関連を明らかにすることである. 研究対象は歯科衛生士学生A期生49名, B期生45名 (合計94名) である. 新版STAI状態-特性不安検査 (State-Trait Anxiety Inventory-JYZ, STAI) を用いて, 不安の変化を経時的に測定した. また, 不安の変化と学生の性格特性 (Maudsley Personality Inventory) および学業成績との関係を分析した. 調査時期は2年次の臨床見学実習開始前, 3年次の臨床実習開始前, 実習中期および実習終了時である.

     STAIの特性不安および状態不安の平均値は, 臨床見学実習開始前よりも臨床実習開始前の方が高かった. また, 「神経症傾向がある」 学生の高不安の割合は, 「神経症傾向がない」 学生よりも高く, 臨床見学実習前, 臨床実習前, 臨床実習中期も不安が強かった. さらに, 学業成績上位者は臨床見学実習開始前と臨床実習開始前で高不安の割合が高かった. 臨床実習の各時期において, 学生個々の特性に配慮した心理支援が必要である.

  • 坂元 麻衣子, 秋山 仁志
    2017 年 33 巻 3 号 p. 167-176
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 日本歯科大学生命歯学部では, 部分的な歯の欠損によって生じる咀嚼系の形態と機能の変化に関する診査, 診断, 部分床義歯補綴に関連する基本的な臨床操作を修得するために第4学年後学期に部分床義歯補綴学実習を行っている. 部分床義歯補綴学実習は, シラバスにしたがい, 学生の作業能率を向上させ, 効果的な実技教育を行う必要がある. これまでに, 部分床義歯補綴学実習の内容を効率的に学生が修得できるように, 実習に関するアンケート調査結果から得られたデータを分析し, 指導内容, 指導方法, 評価方法のブラッシュアップを行い, さまざまな教育的対応を行ってきた.

     構築してきた部分床義歯補綴学実習における実習指導方法と実習評価方法の有効性を調べるために, 平成28年度第4学年に実習に関するアンケート調査を実施し, 分析を行った. 各ユニットの学生の理解度は高く, 診療手順・技工手順について, すべての学生から 「理解できた」 「ほぼ理解できた」 との回答を得ることができた. 限られた実習時間を効率的に活用するために, 適切な指導方法と評価方法を実施することで学生の知識, 技能, 態度を高めることが可能となり, 部分床義歯補綴学の理解度を向上させることが示唆された.

  • 小野 京, 吉田 拓正, 森戸 亮行, 山口 貴央, 細矢 哲康
    2017 年 33 巻 3 号 p. 177-183
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 歯内療法学における臨床基礎実習は, 抜去歯や髄腔付模型歯を用いて臨床実習前の基本的技能の習得を目的に実施されている.

     本研究の目的は, 根管充塡技能の習得度を評価する際に用いる公平かつ再現性のある評価を行うための模型歯ならびに顎模型を開発し, 有用性を検討することである.

     歯内療法実習の指導者から, 模型歯ならびに顎模型が具備すべき条件に関する意見を聴取し試作模型歯ならびに専用顎模型を作製した. 歯学部4年次の6名の学生に対し, 試作模型歯を用いた根管充塡を指示し, 複数の評価者によりプロセス評価ならびにプロダクト評価を行った. 実施後, 受験者に対するアンケートの結果と評価者の意見や感想を加味して, 試作模型歯の改良内容を決定した. 模型歯は受験者にとって扱いやすく, プロセス評価も容易な, 7/100根管テーパーならびに根尖部が40号の根管を有する下顎第一小臼歯とした. 根管充塡の状況を外側の4方向から評価できるように, 歯根部はアクリルレジン製の直方体とし, 評価のばらつきを少なくするために指標とするスリットを付与した. 専用顎模型は模型歯を短時間で着脱できる機能を有し, 既存のファントムに装着できる形態とした. 改良した試作模型歯では, 5分以内で根管充塡が可能であり, 客観的で公平かつ再現性のある評価ができた. また専用顎模型の使用によって模型歯は数秒で着脱が可能であり, 多数の受験者に対しても繰り返しの使用が可能であった.

紹介
  • 内田 竜司, 児玉 淳, 丸田 道人, 岡本 富士雄, 川口 智弘, 大城 希美子, 石川 博之
    2017 年 33 巻 3 号 p. 184-197
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 福岡歯科大学では, 平成26年度より文部科学省大学教育再生加速プログラムテーマⅡ・学修成果の可視化の採択を受け, 全授業科目の行動目標をディプロマポリシーおよび学士力と紐付けし, 達成度を数値化することにより学修の成果として可視化を図ることに着手している. しかし, 既存のディプロマポリシーは概括的, 抽象的な概念としての文言であり, 具体的行動目標達成後のアウトカムを明示していなかったため, 行動目標の達成により獲得される能力がよくわからず, 明確な目標となり得ない可能性が考えられた. そこで既存のカリキュラムに 「何ができるようになるか」 という要素を取り入れる, すなわち学生が卒業する時点でどのような能力を示すことができるようになるかを卒業時アウトカムとして設定し, これと行動目標との関係を明示することを考えた. これにより, これまでより教育・学修の目標が明確となるとともに, 目標達成の評価を数量的ではなく質的に行うことが期待される.

     今回, 我々はプロセス基盤型教育にアウトカム基盤型教育の考え方を導入するため, 平成27年度から卒業時アウトカムの策定を開始し, 平成28年度に在校生・教職員の意見を反映し策定した6コンピテンス65コンピテンシーを学士力とともに既存のシラバスの行動目標に紐付けするよう追加した. この卒業時アウトカムと行動目標との関係を明示した新シラバスを, 平成29年度より運用開始したのでその作成プロセスと成果を報告する.

  • 篠原 千尋, 安陪 晋, 岡 謙次, 木村 智子, 大川 敏永, 河野 文昭, 阿部 昭人
    2017 年 33 巻 3 号 p. 198-205
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 徳島大学病院では, 研修歯科医の地域医療の理解・参画を目的に平成18年度から学校歯科健康診断を研修カリキュラムに導入し, 学校歯科医が小・中学校, 高等学校等に研修歯科医を帯同している. 学校歯科健康診断終了後には, 研修歯科医と学校歯科医にアンケートを実施し, その結果をもとに, 学校歯科健康診断の目的についての講義, う蝕判定演習, 相互実習を導入し, 研修の充実を図ってきた.

     平成18~27年度のアンケートを総括して研修の効果を検討した結果, 10年間の平均で91.5%の研修歯科医が 「学校歯科健康診断は勉強になった」, 95.6%の学校歯科医が 「学校歯科健康診断を卒後臨床研修の研修項目に含めることは効果がある」 と回答し, 診査技術の向上や児童生徒の口腔状態の把握を主な理由としていた.

     学校歯科医のアンケート結果では, 講義を導入した平成19年度以降で 「研修歯科医が研修目的を理解していた」 との評価が増加した. しかし, 学校歯科健康診断の知識・技術を 「十分持っていた」 と答えた割合は, 講義, う蝕判定演習, 相互実習を導入した各年度群において, 初年度と比べて有意な差は認められなかった. 一方で学校歯科健康診断は 「研修歯科医が健康増進活動を体験できる場である」 として肯定的に捉えられており, 参画人数も増加している.

     以上より, 本研修は地域医療の理解に有用であり, 研修歯科医および学校歯科医に高く評価されていることが示唆された.

  • 鬼塚 千絵, 永松 浩, 鯨 吉夫, 木尾 哲朗
    2017 年 33 巻 3 号 p. 206-213
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/12/14
    ジャーナル フリー

    抄録 九州歯科大学では, 研修歯科医を対象とした合宿形式の研修プログラムを平成20年度にはじめて実施した. 合宿の目的は, 指導歯科医と研修歯科医, 研修歯科医同士のコミュニケーションの充実, 連携およびチームワーク, 社会人としての常識を身につけることである. 本報告の目的は, 平成20年度から平成27年度までの8年間にわたる研修歯科医を対象とした宿泊研修の教育効果について, 参加した研修歯科医からのアンケート調査結果をもとに, 実施内容の検討を行い研修合宿の効果を検証することである. アンケート調査では8年間で177名から回答を得た. 合宿に参加して良かったと答えた研修歯科医は初年度の平成20年度では80%以下であったが, 平成21~24年度, 平成26~27年度は100%であった. これらのアンケート結果を踏まえて, 合宿のプログラムの改善を行ってきた. 共同作業であるカレー作りを例にあげると, 初年度は2日目に設定していたが, 次年度から1日目に変更したことにより, 高評価を得ることができた. 研修合宿の教育効果として, 合宿前に比べて合宿後で, 診療科内で話ができる人数が増える傾向がみられた.

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