日本庭園学会誌
Online ISSN : 2186-0025
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2000 巻, 9 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 宮内 泰之, 藤井 英二郎, 仲 隆裕, 浅野 二郎
    2000 年 2000 巻 9 号 p. 1-8
    発行日: 2000/12/28
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    浜御殿庚申堂鴨場の池底の堆積土に含まれる遺存植物体の分布状況を分析し、庚申堂鴨場の植栽および土地利用状況に関して復元的考察を行った。堆積土にはイネ等の作物や耕地雑草の遺存植物体が多く含まれていた。木本植物は、マツ類やヒノキ等の針葉樹の遺存植物体が池下手を中心に含まれていた。以上の結果、鴨場に池が掘られる以前には水田や畑が作られ、外縁部には針葉樹が植栽されていたことが推定された。この結果は当時の絵図や文献とも一致し、かつて存在した「御殿」からの景観をも示唆するものであった。また、汽水生のコアマモの遺存植物体も多く含まれていたことから、鴨場の地が昔から海水の影響を受けていたことも推定された。
  • 金 眞成
    2000 年 2000 巻 9 号 p. 9-22
    発行日: 2000/12/28
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    奈良県明日香村で検出された飛鳥京跡苑池遺構について、その発掘データや史料に基づいて考察した。この苑池遺構は中島、池に張り出す石積み、石造物などの苑池の構成に係わる諸要素が検出されたものとしてははじめてであり、飛鳥時代の苑池の特性を明らかにするうえで貴重な遺構である。そこで、それらの遺構の様子や構成から往時の苑池の特徴を探ろうとした。その結果、この苑池遺構は飛鳥時代の宮殿にかかわる宮苑の性格を持つものと考え、この苑池空間は宴遊の場であるとともにまつりこと (政) を行う神聖な空間として作り出されたものと考えた。また、発掘された遺構の様子からは往時の苑池の設計意図や作り方を推測することができた。
  • 関西 剛康, 山田 巨樹
    2000 年 2000 巻 9 号 p. 23-35
    発行日: 2000/12/28
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    実相寺庭園の調査は、平成6年 (1994) に秀逸な枯山水が発見されたことに始まる。この論文では、実相寺に関する史料を参照しながら、平成11年 (1999) 5月に行った庭園の実測調査をもとに、庭園の地割、意匠及び作庭年代などについて考察した。実相寺自身の由緒は金指の近藤家の加護を受けたことなどが判明しているが、本庭園に関する史料・文献はなく、近傍に所在する龍潭寺庭園や摩詞耶寺庭園と同様に、作庭年代・作者に関する確証は得られなかった。しかし、本庭園はこれら近傍の庭園と比較検討すると、その地割や手法に類似した点が多く、何らかの関連性があると考えられるものであった。
  • 浅野 二郎
    2000 年 2000 巻 9 号 p. plate1
    発行日: 2000/12/28
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
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