日本保健科学学会誌
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21 巻, 4 号
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  • 2019 年 21 巻 4 号 p. 164-
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー
  • 金子 綾香, 河原 加代子
    2019 年 21 巻 4 号 p. 167-180
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,在宅療養中の胃瘻造設患者の経口摂取再開に取り組んだケースの特徴と,摂食状況のレベルに関連する要因を明らかにすることである。対象者は,29 ヵ所の訪問看護ステーションで,在宅療養中の胃瘻造設患者のケアを提供している医療介護に携わる専門職35 名とした。方法は,訪問配布・回収式の質問紙調査であり,その際に15 分程度の簡単な面接調査で補足的なデータ収集を行なった。結果として,45 ケースのデータが得られた。経口摂取再開に取り組んでいたケースの特徴は,1)身体的な機能障害は重度であるが,食への意欲があり,認知機能障害は軽度であるケースが多かった。2)食事摂取の姿勢や方法,起床の様子,発熱の状態等の項目で摂食状況のレベルとの関連が認められた。3)経口摂取を再開するための取り組みは,家族や患者の希望がきっかけとなったケースが多かった。本研究で明らかになった摂食状況のレベルに関連する要因をもつ胃瘻造設患者においては,経口摂取再開を試みる意義が高いことが示唆された。
  • 岩佐 由美
    2019 年 21 巻 4 号 p. 181-191
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー
    目的 国内の女性の健康課題に関する研究パラダイムの変化を知り今後に示唆を得ることを目的とした。 方法 「女」「婦」「母」をキーワードに医学中央雑誌で検索した1980 ─ 2014 年の論文タイトルの語を分類する分野と対象者の2 系統のコードを作成し,テキストマイニング法で分析した。コードを健康課題解決のための研究パラダイムと捉え5 年ごとに分析した。 結果 29,082 論文がコーディングされた。対象者コードのうち妊産婦に分類された論文が全体の30.9%だった。1990 ─ 94 年は40.0%,2005 ─ 09 年は24.2%だった。分野コードのうち周産期が最多だった。1994 年以前は感染症,薬物,周産期が多く,1995 年から運動器,月経が多かった。2000 年以降は心理,育児,睡眠疲労が有意に増加した(P < 0.05)。 考察 産み育てる性である女性の健康が研究パラダイムの中核であったが減少し,1990年代から2000 年代に広範なライフサイクルの女性の身体や生活習慣へ,2010 年頃に向けて介護,育児等の役割の困難さへ,シフトしたと考えられた。
  • 益田 育子
    2019 年 21 巻 4 号 p. 192-200
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー
    本研究では,震災発生緊急時に訪問看護師が必要と考える対策の準備状況を,トラフ地域,被災地,一般地域において解析し,南海トラフ地震対策に役立てることが目的である。研究対象者は203 名の訪問看護師である。3 地域ともに「指揮命令系統や役割分担」「医療機器の対応方法」の準備率が高かった。しかし,「避難所での支援」や「避難行動支 援」に関する対策の準備率は低かった。一方,トラフ地域では「支援活動のシミュレーション」「職員の食料等の備蓄」の準備率が他の地域より高かった。これらの結果から,在宅療養者の避難行動支援計画の遅れが懸念される。計画の策定に繋げるため,訪問看護師は「定期的な外出支援」を互助活動に繋げること,地域包括ケアの取り組みや防災訓練等に積極的に参加し,住民や多職種との関係性を深める努力が必要である。
  • 梅森 拓磨, 中山 恭秀, 安保 雅博
    2019 年 21 巻 4 号 p. 201-207
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー
    目的:前方リーチ動作における下部体幹の運動は,姿勢制御のために肩関節屈曲運動に先行して,運動を行う反対側に体幹側屈運動が起こると言われている.一方で,運動を行なっていない側の鎖骨,肩甲骨からなる肩甲帯を含む上部体幹の動きについての報告は渉猟した限り認めない.今回,健常成人男性の前方リーチ動作ではリーチ動作を行なっていない側の肩甲帯がどのように動いているかを解析し,その結果をもとに,運動を行なっていない側の肩甲帯の動きについて,体幹運動の影響の違い,および利き手と非利き手による違いを姿勢制御の観点から検討することである. 方法:右利き健常男性6 名(年齢平均27.8 ± 2.5 歳)の前方リーチ動作時の非運動肢肩甲帯挙上角度を三次元動作解析装置にて測定した.各組み合わせ(利き手・近位条件,非利き手・近位条件,利き手・遠位条件,非利き手・遠位条件)について,フリードマン検定を用いて統計解析を行った. 結果:到達時では,非利き手・遠位条件群に,最大角度では利き手・遠位条件群にそれぞれ有意差を認めた. 考察:非運動肢肩甲帯を用いて姿勢評価定量的に行える可能性があること,また,損傷側や運動麻痺側が利き手か非利き手かによって,到達する上肢機能のレベルが異なることが示唆された.
  • 酒井 克也, 川崎 翼, 池田 由美
    2019 年 21 巻 4 号 p. 208-214
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/05
    ジャーナル フリー
    視覚誘導性自己運動錯覚(Kinesthetic illusion induced by visual stimulation:KiNvis)とは、自己の身体運動の映像を観察することで、錯覚が生じることである。本研究はKiNvis が運動イメージ能力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。対象は健常人20 名とし、2 群(KiNvis 群、コントロール群)に割付けた。KiNvis 群は足関節運動のKiNvis を5 分間実施し、コントロール群は足関節の静止画を5 分間観察した。評価項目は運動イメージ能力を反映するMental rotation(MR)反応時間を課題前後に測定した。その結果、MR 反応時間の改善量は、コントロール群は平均0.04 ± 0.07 ms であったが、KiNvis 群では平均0.13 ± 0.08 ms であり、KiNvis 群において有意に改善した。KiNvis は運動イメージ能力を反映するMR の反応時間を改善させることが示唆された。
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