日本保健科学学会誌
Online ISSN : 2433-3018
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19 巻, 4 号
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  • 2017 年 19 巻 4 号 p. 164-
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/14
    ジャーナル フリー
  • 米村 法子, 福井 里美, 勝野 とわ子
    2017 年 19 巻 4 号 p. 167-175
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/14
    ジャーナル フリー
    目的:本研究は,熟練した精神科看護師による統合失調症者の術後疼痛の判断を明らかにすることを目的とした. 方法:精神科経験3 年目以上で外科系病棟での勤務経験もある看護師9 名を対象に半構造的面接を行い,質的帰納的に分析した.結果:熟練した精神科看護師による統合失調症者の術後疼痛の判断として【手術侵襲の影響と回復状態からの判断】,【幻覚・妄想からの判断】,【疼痛時・不穏時・不眠時指示薬からの選択の判断】,【言語的表現と客観的情報の整合性からの判断】,【複数の立場からの判断】の5 カテゴリーが明らかとなった.考察:【幻覚・妄想からの判断】,【疼痛時・不穏時・不眠時指示薬からの選択の判断】は術後疼痛のある統合失調症患者への特有の判断と考えられた.これらの判断には難しさを伴い,看護師が 仮説的に判断してケアを行うことや,熟練した精神科看護師が中心となって振り返る機会がより求められる.
  • テイラー 栄子
    2017 年 19 巻 4 号 p. 176-185
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/14
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,在宅での看取りを実現している小規模訪問看護ステーションの管理者の要因を明らかにすることである.在宅での看取りをしている小規模訪問看護ステーションの管理者6 名に半構成的面接法を行った.その結果,訪問看護師の人数が限られている状況において,管理者は【在宅で生き抜く過程を支える情熱がある】この思いを内的動機としながら,それぞれのステーションでは【在宅で生き抜く過程を支える独自の体制を作っている】事,そしてターミナル療養者・家族が安寧に人生の終焉を過ごせるように【在宅で生き抜く過程を支える技がある】事が明らかになった.療養者・家族の願いである在宅で出来る限り生き抜きたいという思いを支えたい,という管理者の情熱と技を 基盤に,小規模訪問看護ステーションの特性を活かした業務の効率化を図る体制を構築することが,在宅での看取りを実現させるための管理者の要因であることが示唆された.
  • 末永 裕代, 勝野 とわ子
    2017 年 19 巻 4 号 p. 186-194
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,開腹手術後高齢者の継時的な握力の変化を明らかにすることを目的とした.研究デザインは,量的記述的デザインを用いた.対象者は,意思疎通可能で運動障害のない高齢者50 名(平均年齢72.8 ± 5.9 歳)であった.対象者の基本属性と入院時,術後5 日目,退院時の握力を経時的に測定した.データは,t 検定及び反復測定による分散分析などを用いて分析した.前期高齢者群と後期高齢者群の開腹手術後の握力を比較した結果,群間に有意差(p < 0.05)がみられた.さらに,握力の経時的な変化の特徴として,前期高齢者群は術後5 日目に低下し,退院時には回復していないことが示された.また,後期高齢者群の握力には,経時的な変化はみられなかったが,入院時から低値を示し日常生活を送ることも困難な虚弱な状態であった.以上のことから,医療機関の看護師は,開腹手術を受ける高齢者に対しては入院時から退院まで継続的に年齢や性別を考慮し,握力など客観的指標を用いながら筋力を評価し,その低下を予測し維持と回復を支援することが必要であることが示唆された.
  • 万行 里佳, 山田 拓実, 新井 武志, 有田 真己
    2017 年 19 巻 4 号 p. 195-203
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,介護予防事業参加者の体力測定結果と基本チェックリスト(以下,基本CL)の関連を調査するために,事業参加中の女性73 名を対象として,体力測定結果(5 m最大及び通常歩行時間,開眼片足立ち,Timed Up & Go Test,握力)と基本CL の25 項目との相関比及びカットオフ値を算出した.その結果,基本CL 項目の「椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか」,「(ここ2 週間)以前は楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる」,「(ここ2 週間)自分が役に立つ人間だと思えない」と体力測定項目の5 m 最大歩行時間に相関がみられ,カットオフポイントは,すべて3.7 ─ 3.8 秒であった.結果より,介護予防事業女性参加者の5 m 最大歩行時間の目標値は4 秒未満が妥当であると考えられ,また,5 m 最大歩行時間の改善は運動機能だけではなく,多面的な影響があることが示唆された.
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