本研究は,介護予防事業参加者の体力測定結果と基本チェックリスト(以下,基本CL)の関連を調査するために,事業参加中の女性73 名を対象として,体力測定結果(5 m最大及び通常歩行時間,開眼片足立ち,Timed Up & Go Test,握力)と基本CL の25 項目との相関比及びカットオフ値を算出した.その結果,基本CL 項目の「椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか」,「(ここ2 週間)以前は楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる」,「(ここ2 週間)自分が役に立つ人間だと思えない」と体力測定項目の5 m 最大歩行時間に相関がみられ,カットオフポイントは,すべて3.7 ─ 3.8 秒であった.結果より,介護予防事業女性参加者の5 m 最大歩行時間の目標値は4 秒未満が妥当であると考えられ,また,5 m 最大歩行時間の改善は運動機能だけではなく,多面的な影響があることが示唆された.